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チョコレートと喘息治療薬

小児科の前の薬局で働くと今はやっている病気がなんなのかわかってきます。
コロナはもちろん最近では胃腸炎やインフルエンザが流行しているようです。
コロナはピーク時よりはだいぶ落ち着きましたが。

子供は風邪を引きやすいものです。
保育園や学校で子供たちが固まって遊んでいるのを見るとウィルスや細菌も共有されて風邪は引きやすくなるなと思います。

とくに喘息もちの子は風邪を引きやすいようです。
気管支が弱いためウィルスや細菌が身体に入ってくると普通の子よりも咳が続いたり止まらなくなったりしやすい傾向があります。

喘息の治療薬は主に吸入薬が主流です。
現代では種々の吸入薬が開発され、治療の幅が広がりました。
患者さんに合う薬の選択肢が広がったのです。

以前はテオフィリンという内服薬の処方をよく見かけたのですが、最近はあまり見かけなくなりました。
テオフィリンは喘息の治療薬です。

テオフィリンはもともとお茶の葉っぱから抽出されて発見されたようです。
茶を意味するラテン語の「thea」と葉を意味するギリシア語の「phullon」を組み合わせてtheophylline(テオフィリン)となったようです。

実はテオフィリンの名前由来はもうひとつあるようです。
それはギリシア語からの由来になります。

theosはギリシア語で「神」という意味です。
theobromaはtheoが「神」でbromaが「食べ物」です。
theobromaを訳すと「神の食べ物」となりこれはカカオのことを示します。
そうです。チョコレートの原料となったカカオは「神の食べ物」という意味があるのです。
たしかにチョコレートを食べると息を吹き返したように元気がわきますよね。(そういえば明日はバレンタイン)

ところでテオフィリンのtheo-は「神」でphyll-は「葉」となります。
訳すと「神の葉」となります。
テオフィリンは「神の葉」という意味をもつのですね。
なんだかドラクエにもそんな葉っぱがでてきたような気がします。

おそらく喘息患者にとってテオフィリンは画期的な医薬品だったのでしょう。
吸入薬などがなかった時代はテオフィリンは喘息の治療薬として確固たる地位を築いたのだと思います。
喘息の患者さんが服用すると息苦しさがなくなり、本当に神に救われたような感覚が得られたのかもしれません。



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