ChatGPTを利用した株式スクリーニング

※結構手垢のついた話です。ある程度LLMの利活用について知識のある方なら今更かもしれません。
あくまで銘柄のスクリーニングであり、投資行動の推奨ではありません。
2024/1/20時点のGPT-4を対象にやっています。

今日は大学の先輩と会ってきた。久しぶりに会ったが、元気そうで何よりだった。このnoteもチェックしてくださっているようでとても嬉しかった。
ついでに前から気になっていたナッジ理論の本も買った。医療現場ではかなりナッジ理論への注目が高まっている。自分自身の今後の行動変容にも活かしていきたい。正直内容は難しそうなので積みそうだけれど・・・
また読んだらnoteに書きたい。できれば今月中に。
あと、気になっていたすし松にも行けた。金は結構使ったが充実した一日だった。

さて、先輩と話していたときに、LLMで株式のスクリーニングとかできないの?と聞かれたのが今回のネタ。
結論から言えばできる。ただ、どこかの過程でどうしても人力が必要になる。GPTsをはじめとしたプラグインを使って抽出するのは大きな通信量が発生するからか、タイムアウトしてしまうことが多い。試したのは半年前で、今の結果はまた異なるかもしれない。
面白いのでやってみることにする。
素のGPT、GPTsを活用したパターンの2パターンで行うことにする。

まず、スクリーニング対象となる銘柄として
①MBO、M&A候補になる割安株
②PBR1倍割れ、高ROEの割安成長株
この2点にしようと思う。
分かりやすいし、長期の時間軸ならこのくらいがいいだろう。

1、GPT-4単体(Custom Instructions使用)

①MBO、M&A候補になる割安株

 コンサルらしく振る舞い、顧客の便益を最大化させるようなことが書いてあるCustom Instructionsを利用している。
 さて、まずはMBO、M&A候補になる割安株の抽出から。

いい感じになった。

バフェットコード上のスクリーニングに落とし込むと、こんな感じになるだろうか。


3年間の営業利益率を出す方法がわからず・・・

この結果に基づいて、スクリーニングを行うと下記のような結果になった。(PBRが低い順に表示)

ダブル・スコープはお買い得だった・・・!?

 PEGASUSという会社が出てきた。正直お買い得な気がしてならない。
利益は出ているものの、株主還元に回さずに設備投資に回して減配しているので下げているようだが、そういう会社は個人的に好きだ。こういう姿勢の会社は株主と距離を置きたいだろうから、MBO、M&Aはあるのではないだろうか。
 新日本電工は日本製鉄と親子上場。こちらはよくスクリーニング条件で上がってくる優良企業だ。日本製鉄にこの先、親子上場を解消する余力が残っているのだろうか。3月に下げるようなことがあれば注目していきたい。
 NITTOKUは精密機器メーカー。ワインディング&メカトロニクス事業については、普通のメーカーから脱却してファブレス化が進んでいるようである。モーターの自動巻線機で世界首位のシェアを持つようだ。あれ、ニデック買収ワンチャン案件では・・・?
 PEGASUSとNITTOKUは面白い。前者はM&A、MBO思惑で買って何もなかった時に株主還元のやる気のなさがどう出るか。
2024/1/15現在の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示企業一覧表の公表についてでは、PEGASUSは未回答、新日本電工は開示済。NITTOKUは検討中となっている。新日本電工の開示は正直がっかりな資料。NITTOKUからは出るかもしれないな。

②PBR1倍割れ、高ROEの割安成長株

 流石に手垢が付き過ぎている気もする。去年やっとけよというスクリーニングだが懲りずにやろうと思う。

なんかこなれた返しが返ってきた。相当他のユーザーに聞かれてるのか・・・?


スクリーニング条件はこんな感じ。
やべえ、ノーリツ鋼機、伊勢湾海運、三井松島しかわからん。

かなりニッチなスクリーニングになった。むず過ぎる・・・
東証に上場していて企業価値向上に関する開示が出ていない銘柄で絞り込む。
「未」の会社はやる気がない可能性があるので、「検討中」で絞ると、光ビジネスフォーム、ヤマダコーポレーション、ジーエルサイエンスの3社に絞られた。3社の事業を見ていこう。
光ビジネスフォームは、金融機関類に印刷物(帳票類)を卸している会社。一度「資本コストや株価を意識した経営の実現の対応について」という開示を出している。この開示を出した翌日に株価が-10%になっている。もう一度やり直そうと検討しているのではないだろうか。

シンプルなのはいいけどこれではね・・・

ヤマダコーポレーションは、給油用ポンプをはじめとした各種ポンプを製造している会社。わからない・・・同社が跳ねたら見る目がないと思うのだが、全くピンとこない・・・

ジーエルサイエンスは、半導体用石英ガラスの製造、ガスクロマトグラフィー機器(ガスの分析機器)の製造を行っている会社。ここに来て半導体関連が来た。かなり面白い気がする。

2、GPTsを使用した場合

Boolio Investプラグインを使用して、ピックアップしてもらった。

①MBO、M&A候補になる割安株

結果はご覧の通り。

なんで英語になるんだろうね。

三井松島は前項でもあがってきた。日本郵船の時価総額で買収されたらひっくり返ってしまう・・・
KNT-CTは近畿日本ツーリストをはじめとした観光業を行う会社。経営再編中で今後どのようになるか難しいが、他のインバウンド系と異なり株価が上がっていないため、今後の上昇余地はあるかもしれない。深く調べてみる価値はありそうか。
面白いと思ったのはフリークアウトホールディングス。広告事業を主として行う会社。タクシー内のデジタルサイネージ、UUUMを一部子会社化してインフルエンサー事業を展開するなど、広告関連で面白い取り組みを続けている。今後もウォッチしていきたい。

②PBR1倍割れ、高ROEの割安成長株

結果はご覧の通り。

あまり変わってない・・・

正直ガバガバスクリーニングでがっかりしている。
1~3は変わっていないし、4は中国市場に依存するビジネスモデルなので先行きに対する不安が強い。5はPBRが2.9倍ある。
GPTsの限界かもしれないが、これでは厳しいか。
とはいえ、これで見切るのはあまりに厳しいので、別バージョンのGPTsも時間があるときに試してみたい。

3、まとめ

ChatGPT+人力の組み合わせは面白かった。
やる度に何かしらの発見があるので、今後もやっていきたい。
GPTsはまだ厳しいか。ブラウジングもそうだが、外部のサイトに対してアクセス制限等があるのか、複数回のブラウジングや外部ページへの頻回なアクセスを伴う行為はうまくいかないことが多い。
ChatGPTを用いて出てきた下記の銘柄は今後もウォッチしていきたい。
PEGASUS、NITTOKU、ジーエルサイエンス、KNT-CT、フリークアウトHD

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