ランニングはランニング、それはそれ。

どっかの古い映画で、男が女をヨットに誘ったら「口説くつもり?」と言われて、「ボートはボート、ファックはファック」と答えたという話を、村上春樹がエッセイに書いてた。

「それはそれ、これはこれ」別物だよっていう意味だけど、けっきょくやることはやっちゃうんだって。

僕は最近また軽く海辺をランニングしているんだけど、久しぶりに走ったらすごく気持ちよくて、ああ、ランニングはランニングだなあってあらためて思った。

以前毎日のように走っていた頃は、ランニングしながらあれこれ考えごとをまとめようとか、走る瞑想をしようとか、走りながら脳内で別の何かをしようなんて横着なことを無意識に考えてたんだよな。

もしかしたら、そんな風にあれもこれもやろうと欲張っていたから、走ることがつまらなくなってしまったのかもしれないと最近思う。

学生の頃は体育の授業でも部活でも走るのがイヤでしょうがなかったのに、自ら時間を使って走るっていうのは、理屈なく気持ちいいのだ。

アプリで走行距離を記録したりだとか、何日継続したとか、走りながら瞑想するとか、そういうの全部取っぱらって、ただ走るって、こんなに気持ちよかったんだって、ちょっと嬉しくなった。

ランニングはランニング、こころはこころ。

映画の主人公がけっきょくやっちゃうように、ただ走ってたら、けっきょく心もぐいっと動くんだけどね。

「好きなことして生きていく」note月刊マガジン。https://note.mu/ryunagayama/m/m2ea6b7ce93f9

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