山崎の12年に重ねた年を思う。

昨日の誕生日にママちゃんがいろいろプレゼントしてくれたんだけど、その中にウイスキーがあったのね。「山崎」の12年ってやつ。日本が世界に誇るシングルモルト。1万円くらいするらしい。

若い頃からフォア・ローゼスとかアーリー・タイムズとかのアメリカアメリカしたバーボンばっかり飲んでた僕からしたら、笑っちゃうくらい違いましたね。

なんていうか、しっとりというか、やさしいというか、ストレートやロックでちびりと舌を湿らせたときに、バーボンの野暮ったい田舎臭さがなくて、強烈なウイスキーのパンチはあるものの、ふわっと口の中に甘いミストが広がるみたいな、なんか下手くそなソムリエになった気分だけど(笑)、ちょっと感動しました。

たしか村上春樹も言っていたけど、年を重ねるっていうのは、今まで見えなかったものが見えるようになるってことなんだよな。

古いアップライトピアノの上に置いたバーボンを舐めながらしゃがれ声で弾き語るミュージシャンに憧れて、味もわからずバカバカ飲んでいた僕が、いつの間にかいっちょまえにウイスキーの香りに頷いちゃったりして。

そういうのを、年を重ねるっていうみたい。年はとるもんじゃない。重ねるんだってさ。

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