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子どもなおじさんと大人な青年。

最近、自分の年齢に戸惑っている。

ぼくは今年の夏で四十一歳になったのだが
このくらいの年になると
まわりに自分より若い人が増えてくる。

すると
自分に残された時間と彼らのそれを無意識に比較してみたり
体力の無さを嘆いてみたり
自分のことを自虐的に「おじさん」と呼んでみたりして
自らどんどん精神的に「おじさん化」を推進させてしまう。

けれど最近、実家に戻って
父のまわりの人たちとばかり接するようになると
「すこし衰えは見えるけれど人生経験が豊富なおじさん」
であったはずのぼくが、いきなり
「まだまだ世界を知らないけど若くて元気もある青年」
になってしまうのだ。

つい先日までは、悩める若者に鷹揚にうなずきながら
「うんうん、つまり君は悩まなくてもいいことを悩んでいるだけかもしれないね」
なんて偉そうに言っていたぼくなのに
今は自分より二十も上の「大人」たちから
あれこれ教えられたり、諫められたりして
毎日苦笑いしている。

年齢というのも相対的なもので
自分のことをおじさんだと捉えればその通りだし
まだまだ若いと思えば若くいられる。

そして「大人」であるというのもまた
年齢とは違う「心の姿勢」みたいなものかもしれない。
素敵な大人であろうとするか、いつまでも子どもでいいやと思うか。

自分の専門分野の話を、だいぶ年上の「わかっていない」人生の先輩に偉そうに語られても、黙ってニコニコしながら聞いていられるようになったから、ぼくもすこしは大人になれたのかもしれない。




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