#65 懐かしさで胸がギュッとなった話/泖
【往復書簡 #65 のやりとり】
月曜日;及川恵子〈おばあちゃぁぁあぁぁあんん…!!!〉
水曜日;泖〈どうかしていた〉
金曜日;くろさわかな
どうかしていた
つい先日、LINEの話の流れで友人に「"気分上がる"とか"上機嫌"とか聞いたり、そういう気分になったりすると、いまだに脳内でmihimaru GTが流れる」という話をしました。
曲名は「気分上々↑↑」 。mihimaru GTを自分から好んで聴いていたわけじゃないから、この曲しか知らない。
「気分上々↑↑」は2006年のリリースだそうで、当時わたしは15歳。
友人に打ち明けたことを機に、MVを調べて曲を聴いたんです。そうしたら、なぜか懐かしさで複雑な感情で胸がギュッとなりました。
まず、曲のタイトルに上向きの矢印あるのがイタイ。
わたしは中学生のときにドコモのケータイを持ったのですが、やたら文末に「↑↑」を使ってたなとも思い出して29歳の現在、恥ずかしさでジタバタしそうです。
メールでギャル文字を少し使っていたときもありました。「じ」を「ぢ」とか「U”」に変換したり、「〇〇は」を「〇〇ゎ」に変換したり、基本的に「あいうえお」「やゆよ」「わ」は小さくして使ったり。
なぜかルーズリーフに手紙を書いて友人に渡すのが普通だった中学時代、ギャル文字は書き文字にも応用されていました。
今考えると、ほんとうにイタイ。どうかしていた。
ちなみに大学時代、「趣味と価値観も合う!ファッションもかっこいい!顔もタイプ!」と思っていた先輩とメールのやりとりをしていたときに、その先輩がメールで「じ」をいまだに「ぢ」に変換していたので距離をとった経験があります。これもまたどちらもイタイ。
そして「気分上々↑↑」のMVをみると、メインボーカルのヒロコちゃんの髪型に目がいきました。流行ったよなぁ、斜めにポニーテールするやつ。
しかし、中学生のときは裏原系な古着女子を目指していたので、前髪を短く切って不揃いにするのがブームでした。当時のおしゃれバイブルは『CUTiE』。ウルフカットも流行っていて、わたしもそれを目指しました。眉も細くして自分なりの「イケてる」を実践していたんです。ワンピースにスキニージーンズを合わせたり、デニムスカートにレギンス(当時はスパッツと言っていた)を合わせたり。
いま考えるとどれもイタイ。そしてダサい。完全にどうかしていた。
ただ、文化やファッションを追い求めて模索していた自分が愛おしくも感じます。
「何をやってたんだろう……」と思う反面、時代の魔法にかけられた自分も悪くないかと開き直ることができます。これまでだったら胸がギュッとして恥ずかしさで縮こまっていたところ、いまだったら過去の自分をある程度受け入れられる。わたしも強くなったもんだ。
いまのわたしも、何十年後かに「イタイ……」と思う日がくるのかしら。
過去の自分も大切に、今後も気分が上がったらmihimaru GTを脳内で再生しようと思います。
追伸。
土曜日まで関西旅です。今日は3日目が始まります。
2日目まで振り返っても思い出が濃すぎます。東北とはまた違う文化が広がっていてたのしい。本日は京都からお届けしました。
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