ご先祖様と麻と祈り。
その日の朝、さとうみつろうさんの
動画を目にした。
母方の家系は現在叔母しか生きていないので、
祖父や祖母のことを聞いたりしていたが
そういえば父方の祖父祖母の名前、
知らないなと思い父に電話をしてみた。
すると、祖父の名前と、
生まれが長野県「みあさ村」だという
情報を初めて聞くことができた。
みあさ村?どんな漢字を書くのだろう、と
電話を切ったあと調べてみた。
なんと!美しい麻の村!!
なぜ、驚いたのかというと、
祈りの旅をスタートする2年ほど前から
急に精麻に興味を持ち、最初は1枚
取り寄せることからスタート
その後、束で注文し精麻箒や
アクセサリーを作るようになった。
最近では精麻を、友人が開発した
まこも墨で染色した世界でも類を見ない
最強アイテムが誕生した。
そんなに麻の栽培が盛んだったのに、
現在ではその姿を見ることはできない。
戦前、後で状況が大きく変わったらしい。
元来、麻は人々の生活に根付いていたもの。
それが、戦争の道具として使われ、
もちろんGHQに禁止された背景もあるだろうが
戦争が終わったら、必要ありません。
なんだか、やるせないなと思った。
こうして、本来の意味や意義を、今に生きる私たちは忘れ
悪だというレッテルを貼られたまま、
封印されて(奪われて)いる。
わたしは御神事をきっかけに、
麻(ヘンプ)の服を着るようになったが
麻は本当に氣持ちがいい。
温度や湿度も調整してくれる。
化学繊維にはない、植物そのものが
呼吸をしている感じ。
国内で麻を生産しているところは数少ない。
少し調べてみたら、雇うにはその土地に
住所があることが必須のため、
短期間でも外から人を呼ぶことは
現状、法律的にNGらしい。
故に、その農家さんが例えば高齢で動けないとか
怪我をして収穫ができないとかなったら
農家自体の存在が危ぶまれる。
(もちろん、他の農家でも起こりうるが
アルバイトやお手伝いには駆けつけられるはず)
今回、祖父の名前を初めて知り
美麻村を地図で開いた瞬間、涙が溢れ出てきた。
「見つけてくれてありがとう」
そんな言葉を感じたのだ。
とは言え、自分が麻農家になるかと言われたらハードルが高いし、
すぐになれるものではないけれど、なくしてはいけないものだと思う。
麻を通して祈りを、作品を生み出すことなら今の私にも出来る。
この記事でも書いたけど、祈りは暮らしそのもの。
暮らしの中にこそ、ある。
日本人の生活に根づいていた麻の復活は、
自然と共にある本来の暮らし方そのものの復活でもあり
失われてしまった、人々の祈りという日常を
取り戻す鍵を握っているのかもしれないー