2020年サッカーノートNo.8 ドルトムントvsケルン ~止まらないハーランド~

スタッツ

スコア

スタメン&ベンチメンバー

スタメン

ベンチ前半

ドルトムントはスタメンにハーランドが入って4-2-3-1という話題も出ていた
しかし、蓋を開けてみれば前節と同じメンバーでのスタートとなった。
対するケルンは4-1-4-1 という並び。
IHにウートとヘクター。 アンカーにスキリという中盤の構成。

ドルトムントの前節の違い

ドルトムントのスタメンは前節と同じだけれど中身は違った。
前節は3-4-1-2でサンチョ&アザールが前線2トップ。
そして、ロイスがトップ下のような並びを形成していたのに対して
この日は4-3-3で両ウイングにサンチョ&アザールを配置。
ロイスが1トップ。
ロイスがDFラインの裏をトップ下時よりも狙え事が大きなメリットであり、その形が1'の先制点に繋がった。
フンメルスのタッチダウンパスに裏抜けしたロイスが納めて展開。
最後は2列目から入ってきたゲレイロが決め1-0。
この日はロイスがDFラインの裏への意識が強く、
ケルンの守備ベクトルを前に向かせない。
ロイスが裏を狙う事でDFラインに対して後ろの意識を強く与えた。
また、裏を狙うからこそ、ロイスが降りてきたときにフリーで受けられる。
これがアウクスブル戦のようにずっと降りてくるだと簡単に捕まってしまう。
やはり、裏を狙って深さを作るというのは重要だった。

ケルンの仕組み(前プレス+ビルドアップ)

さて、ここで一旦ケルンの前プレスとビルドアップを整理をする。
まずは、前プレスから
フンメルス監視は1トップのコルドバが担当。
(ただし、いきなりサボっていきなり失点したが…)
IHの2枚はDHを監視。 多分スペースにというよりは人に意識が強くいってそうな嵌め方であった。
ただ、両サイドの守備基準がどこにあるのか不明。
非保持も大外のWBを見ることが多かった。
それによりCBが空くので、そこから簡単にボールを運ばれてしまう。

1トップ脇から運ぶ

しかも左右のCBが運ぶとIHが引き出されボランチのマークを外してしまう。
結果的にCB→DH→…とビルドアップが成立してしまう。悲しい…
従って、前プレスが嵌らないケルン。立ち上がり15分は苦労していた。

一方のビルドアップ
ビルドアップはヘクターが落ちてき4-2-3-1を作ってヘクターから展開していく。
逆に言うとヘクターが落ちないとビルドアップが厳しそうな感じ。
まーヘクターは偉大なので仕方ない。
今年はSBじゃなくて中央をやっているというのはヘクターがいないと運べないからだと思われる。
あとは、もっとコルドバへのロングボールを使った方が良さそうだったが、ビルドアップの余裕が無くなって、苦し紛れの時にしかロングボールを使わない。
苦し紛れだから、コルドバのサポートが出来ずセカンド拾えない。
と良くない時間が続いた。

20分からハーフスペースを閉鎖するケルンだが・・・

苦しかったケルンなのだけれど、
20’から修正。前プレスが嵌められるようになった。
それはウイングのポジション修正。
非保持で大外に居た両ウイングなのだけれど、それを中に絞らせCBを見る。
というかハーフスペースを埋め封鎖する。

前プレス修正

これによってドルトムントを嵌める事に成功。
20’-28’まではケルンが主導権を握った時間帯だった。
そう。28'まではというのが悲しい。
じゃー、29'以降は何が起こったかというとスコアが動いた。
なんで動いたかというとコルドバがフンメルスに行かなかった。
そしたら、再びフンメルスからタッチダウンパスを受けたロイスがゴールに流し込み追加点を奪い2-0になってしまったのだ。
嵌めていたから余計にダメージある失点で、この日2回目のコルドバのサボりから点が生まれているのは何とも…という感じ。

29’以降の動き

この失点でテンションが落ちたケルンは高い位置で20’以降の前プレスが出来なくなっており、5-4-1の形が多くなる。
それに対してドルトムントも2点の余裕から無理はせず確実にボールを繋ぎフィニッシュまで行くことで予期しないトランジションを起こさないようにしていた。
トランジションが起きないので、ケルンはボールを持っても最終ラインからのビルドアップが必要になる。
ヘクター頼みになって嵌めやすくなるドルトムント。
前プレスからカウンターで何度かケルンのゴールを脅かすも2-0で前半折り返す

後半

後半からケルンは右ウイングのティールマンに代えてカインツを投入
システム変更は無し。
ドルトムントはそのままで後半スタート

ハーフスペースを封鎖できません!!!

カインツを投入して前プレスの整理と攻撃時にアクセントをつけるのかと思っていた。
しかし、前プレスは整理出来ぬまま、カインツは非保持時に大外にいる。
なので、ハーフスペースを封鎖出来ないケルン。
なので、ドルトムントはアカンジがハーフスペースから運び、アンカー脇を上手く使って崩し最後はサンチョがフィニッシュ。
これで3-0となる。
これが後半始まって3分の出来事である。
きれいに決まったハーフスペース攻略からアンカー脇を使ってフィニッシュ。
ケルンは3-0になったところで意気消沈5-4-1になるしかなく
ハーフスペースは空くのでどうしようもなくなる。
ここからドルトムントがやりたい放題。
とにかくケルンはハーフスペースを封鎖しないとどうにもならないと思うのだがしない。
しかし、ここでグダグダするのが今年のドルトムント。
余裕が出すぎて、決定機にパスが一つ多いとかラインを上げるのが遅いとかそういうところが出てくるとCKからセカンドを前線に放り込まれウートにボレーを叩き込まれる。これで3-1
今年のドルトムントはここから歯車が崩れ失点がかさみ相手に流れを渡す。
そんなゲームが多いのだが…

ミラーで決闘勝負。そして、神様、仏様、ハーランド様

ケルンは1点を返し息を吹き返す。
そして、選んだ手段はモデストを投入し3-4-1-2にして追い上げる事であった。
この狙いは2トップがコルドバ+モデストとガチムチ2トップになっただけじゃなく、
守備時に3-4-3にして、ドルトムントとミラー。対面を作って決闘勝負に持ち込んだ。
ハーフスペースが封鎖できずミラーにするってどこかで見た事あるし、
そのやり方は負けフラグ…とか思うのだがまーそれしかなかったのかなと。

ところがだ、あっさりとハキミが決闘に勝ち、クロス。そこからなんやかんやがペナ中であって、最後押し込んだのが途中出場のハーランド。
これで勝負ありの4-1!!!!

やっぱりミラーの決闘勝負は負けフラグだったわけだが、
それにしても、この嫌な雰囲気から勝負を決める4点目を取るハーランド。
まじで、神様、仏様、ハーランド様じゃないか。
この4点目で戦意喪失したケルンに対してドルトムントはロイスに代えてダフート投入。守備的に5-3-2にしてゲームを締めにかかる。
が、ハーランドはそれで満足しない。88'にはダフートのスルーパスに抜け出しGKを抜いて角度のないところから逆サイドを揺らすシュートを放ち
5-1にしてしまう。
今日も出場時間25分でドッペルパック!!!。
2試合出場時間60分で5得点。恐るべし。
そして、今日もまた新聞の一面をもっていくハーランド。

そんな試合であった。

ハイライト


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