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ある日の讀書感想文「結婚の社会学」を読んで


離婚を扱う仕事について早2年。
「結婚」というものの制度や歴史や他国の実情に興味を持ち、今回この本を読んでみた。

「三下り半」「離縁」によって明治時代は今より離婚率が高かったこと。
国を上げて結婚を奨励し、役所の中に結婚相談所を開設したことがあったこと。
など、興味深い事実と根拠を持っての解説がとても読みやすかった。
特に自分が心揺さぶられた箇所は、
筆者が2016年オランダのアムステルダムで開催された「ユーロ・プライド」に参加したしたときに考えた言葉だ。

「マイノリティの生き方や境遇に強く『関心』を持って制度・社会を形づくっているからこそ、個々の人たちは互いの違いに『無関心』でいられるのではないか。日本はマイノリティに対する制度や理解が不足している。社会が無関心であるが故に個々の人たちは自分たちとは違う他人へ過剰な『関心』をもつのではないか。何をするにも他人の目が気になって仕方がない」(245p)

人は自分の知っている範疇でしか判断しない。知らないことや分からないこと等は恐怖の対象になる。

「『ふつうから外れた人』に好奇の目を向け排除しようとする社会では、誰もが自分自身も排除されないように『ふつう』でいるよう努めて生きなければならない。ここに生きづらさや居心地の悪さの原因があるように思う」(246p)

普通であることを自分は強要されていたのだろうか。強要しているのだろうか。
自分の使う言葉や行動を見直す必要があると思う。

そして、筆者の言う『他人との違いに無関心でいられること----これこそが本当の意味での多様性の包摂なのかもしれない』世の中は、いろいろな人にやさしい世界であると思う。

結婚の社会学 阪井裕一郎 筑摩書房





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