【商品考察】ファンドラップ(3) ~コア資産としての運用を考える~
ファンドラップをコア資産にできるかを、検証しているので、シリーズで書いている。
前回までは、
・1年間の運用実績まとめ
・投資一任フィーに対する考察
を整理した。
現在の状況は、以下のような感じ。
今回は、3点目のユーザーサイドから見た、
どこまで丸投げするの?しないの?あたりを考える為に、
ダイワファンドラップの運用について、まとめた。
(1)日々の確認
日々の運用は、以下の2点を実施している。
オンラインシステムでの照会画面は、投資信託と同じで、前日の基準価額で更新される。ログインしてファンドラップのメニューから入らないと動きはわからない。
そもそも、そんなに動かないし、頻繁に売買しないので、見る必要はない。
ただ下落しても、個々のファンドの状況を見ないと原因はわかりにくい。
ちなみに、基準価格メールの内容は、以下のような項目が送付される。
リンク先には、月次報告書、目論見書などが公開されている。
ファンドの基準価額が5%以上下落すると、運用を担当している大和アセットマネジメントがファンドレターを発行してくれるが、システムが分離されていて大和証券との連携がない。
他にも組入れファンドの追加などについても、ファンドレターが発行されるが、あくまで大和アセットマネジメント内での発行のみ。
大和アセットマネジメントのサイトで、基準価額の推移をCSV形式でデータとしてダウンロードできたりもするが、
このあたりが、ちぐはぐだ。
全体のサービスデザインができていない。
これが、大和証券特有の特性なのか、どうかはわからない。
保有経験のある
楽ラップ、TEHO のロボアドも、同じようなかんじだが、インデックスファンド中心で、もっと簡易的だ。
想像だが、銀行系のファンドラップの方が管理面では、もう少しまともだとは思う。
個々の組入れファンドの中身に関しては、定期的に大和アセットマネジメント内で発行される、
ファンド・オブ・ファンズ ハンドブック
内に記載がある。
ラップの契約がなくても参照できる。
ファンド内の通貨比率なども、 ハンドブックに記載がある。
面白いが、大量のファンドが組入れされているので、個々のファンド内の組入れ株式までは見れない。
ハンドブックのどこをどう読むのが良いのかは、まだ整理できていない。
(2)月次報告書の確認
各ファンドごとに月次報告書が、大和アセットマネジメント内で発行される。
月次報告書には、以下の記載がある。
・市況概況
・当月の運用方針
・運用コメント
・今後の運用方針
加えて、組入ファンドの評価(大和ファンド・コンサルティングが担当)も補足されていて、組入理由が分かる。
ごく普通の報告内容だ。
8本のファンド、すべて毎月見るのか?見ているのか?というと、
仮に資産が5千万を超えていたら、見るかもしれない。
という感じ。
資産が1千万程度なら、1つのファンドは、数100万程度なので見ない。
上位の報告書でサマリーされていればいいのだけれど、サマリーされた報告書がないので、困っている。
個々は月次報告されており、今後の運用方針も報告されるが、
で、全体はどうしたの?どうするの?
の報告がない。
見つけられていないだけかもしれないが、
個々のファンドを買っている訳ではないので、大いに不満。
(3)四半期報告書の確認
問題はこれだ。
基本、市況と数値しか書かれていない。
リバランスの有無などの記載はあるものの、
「所詮、投資を丸投げする顧客に、言ってもわからないし、意味がない」
というような感じの報告内容。
他のどこかにも書かれたような市況を、ファンドラップの報告書に書かれても困る。
8本のファンドの月次報告を踏まえて総括してもらわないと、何を報告したいのかが分からない。
(4)定期面談での確認
預入れ資産が少ないので、定例的な対面面談は受けていない。
フォローの仕組みとしては、まだまだこれからといった印象がある。
・直近のファンドラップの動向やトピックス
・現状ポートフォリオへのコメント
・今後のファンドラップのサービス改変の計画
など、電話でもよいので、定期的に教えて欲しい。
(5)その他
・季刊誌
四半期ごとダイワファンドラップの季刊誌が発行される。残念ながら、ファンドラップの記事は1つくらいで、物足りない。
・野村證券のCIOマンスリーレポート
月次で野村アセットが出しているレポートを読む。各資産の投資判断に関して解説されているので、参考になる。
・他社のファンドの月次報告を聞く
参考までに、国内、米国中心の2社のファンドのオンライン月次報告をで聞いて、市況に関する情報を得る。
・セミナー受講
本家の大和さんは、のんびりした殿様商売で、ファンドラップのセミナーは、ほとんどないので、他社のセミナーで動向や知識を補完している。
・ラップ口座の関連書籍
ウェルスマネジメント系のレポートなどに参考になる情報があったりもするが、まだまだ関連書籍は少ない。
野村證券さんが最近入門書を出された。ラップ口座の情報は、極端に少ないので今後に期待している。
・顧客としてのアクション
主に5つだ。
-増額
-リスクレベル変更
-ポートフォリオ変更
-減額
-解約
上から3つは実際に経験している。
ポートフォリオ変更は、ヘッジファンドの成績が悪かったので一旦除外したが、ダイワファンドラップの場合は、コモディティとセットで外れてしまったので、今年に入ってから、元に戻している。
基本は、あまり触らない方がよさそうだ。
まとめ
ファンドラップへの個人評価は、
で、総合的に60点ぐらいだ。
60点ぐらいで、不満があるくらいが、飽きないで継続できるかもしれない。
死ぬまで投資を継続するとした場合、
コア資産の選択肢は、
今は、ファンドラップぐらいしか思いつかない。
最近視聴した、楽天証券のセミナー動画で、興味深い内容があった。
P12の高齢期の取り崩しモデルで、アドバイザーを付けて資産寿命を延伸するモデルには、共感した。
ファンドラップは、
自分で運用する場合のベースケースとの比較で考えたい。
たとえば、自分で投資信託を切り崩しするのと
ファンドラップで切り崩しするのとでは、
75歳以降は、
ファンドラップが勝つ気がする。
むかしむかし、
東京電力を批判する人はいなかった。
配当がよく、安定した株として定番だった。
教訓として、今でも株式を保有しているが、
今の現状をまったく、想像できなかった。
米国インデックスファンド時代が、
今後30年も継続するとは思えない。
確率的には、
ファンドラップの方が正しい選択である気がしている。
私のファンドラップへの探求は、まだまだつづく。。。
【今日のひとこと】
往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし
(俳優、高倉健さんの座右の銘)
進むべき道において決して努力はやめない。
我慢し続けて一生を終えても悔いはない。
という意味。
昭和的な感じがするけれど、
ファンドラップにぴったり。
ご存命中に、ファンドラップのCMに出て欲しかった。
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