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どんなに遠くても行きたいギャラリー・カフェ巡りの記録

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「車でしか行けない場所で20年以上続いているギャラリー・カフェ」を求めて旅した記録。
運営しているクリエイター

#時間

時間を味方にする不便な場所巡り

人里離れた場所で地域に根ざした起業家を応援するSohoを運営している。2001年に竣工してすぐに廃校になった校舎を利用している。建物の名前は”BabameBase”。Sohoになって5年が経った。のべ18の起業家が入居し、現在も8社が利用している。 BabameBaseはとにかく立地が悪い。最寄り駅の八郎潟駅まで車で20分。バスはなく、歩いたら2時間以上かかる。役場までも車で10分。そんな山間にある廃校でなにをしようかと思いを巡らせている。 こんな山奥に引きこもっていても

空白の時間を取り戻した公共施設

車でまた浅間山を長めながら丘をのぼっていく。とにかくのぼっていく。キャンプするにはいいけど、よっぽどの目的がないかぎり、ここまで車でさえのぼることはない場所まできた。昭和にできた古びた公共施設が見えてくる。周りは白塗りで、どこにも所属しない、そして主張がない佇まいをしている。でも、円柱のような施設の窓からみえる中は暗く、怪しい雰囲気を出していた。 施設の正面にくると、大きな暖簾に”問”と描かれている。それをくぐれば中世ヨーロッパにありそうな本棚とカウンターが迎えてくれた。お

作り手がかけた時間を壁一面の本棚へ

春に東京でTHE TOKYO ART BOOK FAIRに遊びにいった。私は本屋が大好きで、小さな本屋から大型書店まで幅広く見に行っている。でも、ART BOOKというものを知らなかった。”芸術関係の本”くらいの認識でいた。会場にはいって、ISBNコードがない本たちが展示台に「オレを見ろ!」とばかりに主張していた。「これは本なのか?」と考えてしまうような、カレンダーだったり写真がはりつけてあるだけ、または紙1枚の情報誌だったり。紙質もさまざまで、透けているものからラメ入りでキ