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少女☆歌劇 レヴュースタァライトというカイ作

「分かります。。。」

    あ、どうも、ブシ○ードに取り憑かれた男、龍です。こちらではお久しぶりでございますね。さて、約1年ぶりの更新となる今回は「少女☆歌劇レヴュースタァライトの魅力を伝える」という議題でプレゼンさせて頂こうと思います。
 「レヴュースタァライト?なんじゃその作品は」と思われる方が大半かと思われます。無理もないですね、何故ならこの作品はあまり世間的認知度は高くは無いからです。この要因としてはやはり同期作品であるヴァイオレット・エヴァーガーデンやゆるキャン、1年後放送の鬼滅の刃などが強すぎたためではあるのですが、圧倒的な脚本構成と作画レベルから「隠れた名作」枠としてコアなアニメファンの間では有名です(自分がコアだとは言っていない)。個人的にあまりAmazonなどのレビューなどは信用しない質ではあるのですが一応その証左としてメインで展開したTVシリーズ、劇場版、舞台の評価はどれも平均☆4.5を超えており、TVシリーズの総集編も☆4.5を超える評価を受けていることからアニメファンからの評価は高いことがわかります。
 しかし、この少女☆歌劇レヴュースタァライト(以降:スタァライト)という作品が非常に面白い作品であるのは疑いようがないのですが、作品の性質上"好きな人はとことん好き、苦手な人はとことん苦手"とキッパリ別れる作品ではあるので布教にはあまり向かないコンテンツだと考えていまして、この記事も書こうかとても悩みました。しかしやはりこのコンテンツ独特の"秀逸さ"と"面白さ"を知ってもらいたいという欲が出てしまいこうして筆を進める運びとなりました。今回はまず僕がスタァライトに出会った経緯(誰も興味無い身の上話)を簡潔にお話させて頂き、あらすじと用語の紹介、見所などをお伝え出来たらなと思います。一部に超軽度のネタバレがありますが見る前に知っておいて損は無いレベルですのであまり心配いらないかなと思います。が、「俺はどんな些細なネタバレも踏まずに見たいんだ」という方がいらっしゃいましたら、文章中に「※」をつけてネタバレを予告しておくのでそこを飛ばしてご覧下さい。

この記事を読んで少しでもスタァライトという作品に興味を持っていただけたら幸いです。

1、スタァライトとの出会い

 まず僕がスタァライトに出会った経緯ですが、元を辿ればアサルトリリィというコンテンツに行き着きます。というか去年今年のアニメライフの起点ともなったのがこのアサルトリリィという作品で、僕の人生を狂わせた作品と言ってもいいでしょう()
 アサルトリリィというコンテンツにどハマりした際、登場人物の1人である安藤鶴紗役で出演された紡木吏佐さんという声優さんにもどハマりしました。アサルトリリィを一通り平らげた後に紡木さんについて調べたら、所属事務所の響さんのYouTubeチャンネルで愛美さんや相羽あいなさん、伊藤彩沙さん、進藤あまねさんなどを知り、さらに声優さんにハマっていきました。その過程で響さんとブシロードの関係を知り「面白い関係だな。推し声優さんも結構出てるし、良し、ブシロード作品を見よう(脳筋意思決定)」ということで手を出すことにしたのが"BanG Dream!"、"D4DJ"、そして"スタァライト"でした(因みに紡木さんはバンドリ、D4、アサリリ、スタァライトの4作品全てに出演されている体力お化けな方です←)
 順調にバンドリ、D4DJにどハマりした2022年末、最後に手を出したのがスタァライトでした。そして12月末から本日、今この時までにTVシリーズを4周か5周ほどし、総集編も2周して、劇場版に関してはたまたまリバイバル放映していた立川シネマシティまでわざわざ2回も見に行き自宅でも2回、新幹線の中で1回見て、舞台も複数回見る程度にハマってしまいました。約3年ほど変えなかったTwitterのアイコンまで(一時的に)スタァライトの登場人物に変えるほど、この作品は僕の人生に影響を与えたのです…

2、スタァライトという作品

 お待たせしました、お次はスタァライトの紹介に移りたいと思います。まずはあらすじをどうぞ。

100年の歴史を持つ由緒正しい演劇学校である聖翔音楽学園。この聖翔音楽学園では各学年に戯曲が割り振られ、学年末に行われる聖翔祭にてその戯曲を発表し演技を洗礼化させる伝統があった。主人公、愛城華恋ら99期生が行う演目は古くより親しまれてきた戯曲"スタァライト"、最後は必ず別れる美しくも悲しい物語であった。 
 そんな99期生が1回目のスタァライトを成功させ2年生へと進級した2018年5月、突如として転校生が聖翔学園へと入学してきた。名は神楽ひかり。華恋の幼なじみであり英国国内にてトップレベルで入学が困難とされる王立演劇学院に在籍していた経歴を持つ舞台人であった。5歳ぶりの再会であることに歓喜した華恋であったが、ひかりの表情はどこが暗かった。 
 放課後、ひかりが寮から学園へと焦りの表情を浮かべて駆けていく姿を目撃した華恋はひかりを追って学園へと入るが、そこには見慣れないエレベーターがあった。エレベーターのボタンを押すと、突如として地下へと降り始める。なんと地下には超規模の地下劇場が広がっていたのだ。そしてそこではひかりを含めた8人の99期生たちがトップスタァを目指してレヴューオーディションに参加、縫い付けられた上掛けを落とされたら敗北というルールの"決闘"を繰り広げていた。 
 オーディションを主催する"キリン"に「貴方では役不足」とされ退場を促された華恋だったが、窮地に追いやられたひかりを救うために"キラめきを再生産"し、客席から舞台へと飛びだしていくのだった……。

 以上がTVシリーズの大まかなあらすじでございました。如何でしょうか、言葉だけで全てが伝わるとは思っていませんが、恐らく想像していたお話とは全然違う印象を受けたのではないかと思います。実際、僕もバンドリ的なお話だと思っていましたので、初見時の衝撃は相当なものでした。その気持ち分かります🦒🦒🦒

3、見所①


 見所ですが、まずは演出面でしょうか。何よりもまずはバトルシーンの演出が素晴らしい。
 やはり舞台というのがメインテーマであるため、バトルシーンは歌いながら戦うミュージカル調で描かれています。出演されている声優さんたちの中にはガチの"舞台少女"の方もいらっしゃいますので、とんでも歌唱力と美しい作画が織り成すバトルシーンはスタァライトならでは、唯一無二と言えます。
 全体通してですが、端的に言えば監督である古川知宏ワールド全開の演出なのですが、この古川知宏監督(以降:古川監督)という方はあの幾原邦彦氏の直弟子であり、また古川監督本人が「アニメを作る側として影響を受けた最初の人は庵野さん」と公言するほど庵野イズムを継承している方ですので、スタァライトの劇中でも"エヴァっぽい演出(というより往年のガイナックスっぽい演出)"は随所で感じられると思います。何より、TVシリーズ総集編である"ロンド・ロンド・ロンド"(以降:ロンド)内のテロップの出方が"もろシン・ゴジラ"であったり、TVシリーズのエンディング曲が"Fly me to the Star"という曲名だったりと、物語を見進めるにつれ庵野秀明氏の影響はかなり感じられるかと思われます(その他にも至る所に要素はあります)。僕も初見時に思った感想としては「いやこれ庵野秀明版のラブライブやん」でしたので、とにかく庵野作品やエヴァが好きだという方には自信を持ってオススメ出来る作品であると思います。  

4、見所②


 見所その2としては「スタァライトはSF作品」である点です。
 みなさんは"ワイドスクリーン・バロック"というジャンルをご存知でしょうか?恐らく知らない人の方が多いかと思われますが、SFにはこのようなジャンルがあり、実際にスタァライトはこのジャンルに当てはまるのです。では具体的にどのようなジャンルなのか、実はかなり解釈が難しくなかなか「こうである」とは僕の口から断言出来ませんが、SF評論家の大野万紀氏はワイドスクリーン・バロックというジャンルをこのように語っています。

(前略)科学用語や疑似科学的論理は山ほど出てくるのだが、ハードSFとは違い、よく読めば矛盾がいっぱいだ。ところが読んでいる間、こういったことはまったく気にならない。デタラメだろうがインチキだろうが、ひどくぬけぬけと語られ、しかも物語の中ではそれで当然だと思えてくるから不思議だ。 こういう種類のSFを、ふつう〝ワイドスクリーン・バロック〝と呼ぶ。
 ブライアン・オールディスが『十億年の宴』で使ったことばだが、スペース・オペラの奔放さと雄大さを受け継ぎつつ、観念性と軽薄さを同時に武器とするような離れ業をみせる。ひとつひとつじっくりと味わう間もないほど、これでもかこれでもかと詰め込まれたアイデアの、めまいを起こしそうな密度の濃さ。それを柔らげるコミカルなユーモア感覚と、どこまでも広がっていく気の遠くなりそうなスケールの大きさ。無限の時間と空間。個々の人間ではなく、文明や種族のレベルで語られる観念的な物語。何重にも入り組んだプロット。めくるめくセンス・オブ・ワンダー。こういったすべてをひっくるめて、意識の拡大という、SFの重要な特質が効果を発揮するのだ。ハードSFが論理(ロジック)に重点を置き、文学的SFが文体(スタイル)に重点を置くところを、ワイドスクリーン・バロックは観念(アイデア)に重点を置くのである。そして、それこそが、最もSFらしいSFであり、SFファンが最も魅惑的だと感じる形式――そしてSFファン以外の読者にとまどいを感じさせる形式――であると断定しても、おそらく間違ってはいないだろう。

(「カエアンの聖衣」解説 より引用)

 とのこと。超簡潔にまとめるなら「完全にデタラメであったり矛盾しかないような演出を随所に入れ込んでいるが、圧倒的な世界観の構築と設定量、テンポ感に重きを置いているためそのような演出も『その世界では当たり前』と思え、全く気にならなくなるジャンル」ということになると思います。確かにスタァライトという作品はワイドスクリーン・バロック的であると言え、実際に現実思考派からして見れば明らかに突っ込みどころ満載なシーンは数多くあります。しかし、古川監督が「ワイドスクリーンバロック=表現やアイデア、勢いによる謎の説得力で魅せるジャンルと理解しています」と発言されているように、"謎の説得力"に魅せられその突っ込みどころを帳消しにしているのです。
 ちなみに僕はこの言葉の意味を知らずにスタァライトを見ていましたが、確かに突っ込みどころはあるけどそれ以上に襲ってくる圧倒的な世界観に心を打たれていました。意味を知らないライト層にもワイドスクリーン・バロック要素を感じさせる本作品はやはり秀逸だなと思います。


この先、超軽度ネタバレ注意※










 因みにこのワイドスクリーン・バロックという言葉もかなりのキーワードですが、ワイドスクリーン・バロックを元にした造語"wi(l)d-screen baroque"が劇中(特にロンドと劇場版)では重要なキーワードとなっています。ワイドスクリーン・バロックの意味を知っていると中々面白い言葉だなと感じられるかもしれません。
 また、ワイドスクリーン・バロック以外にも"タイムリープ要素"、"メタフィクション要素"など多彩なSF要素が登場します。バトル要素を含め、このような視聴者の想像をいい意味で裏切ってくるのがスタァライトという作品の魅力の一つと言っていいでしょう。

5、見所③


 見所その3としてはキャラが魅力的な点です。

©Project Revue Starlight

 この9名がトップスタァを賭けて壮絶なバトルを繰り広げるのですが、バトルシーンはもちろん、日常パートでの描写も物凄く魅力的なのです。さりげないカットに個人を特徴付ける描写が入っているのは勿論、それぞれが持つ武器やレヴュー衣装にも特徴があるためキャラ目当てで1周出来ちゃいます。また、名前などにもちゃんと意味が込められています。今回は長くなるので割愛しますが、名前の由来をまとめたサイトのリンクをページ最下層に貼っておきます。それぞれの名前の意味を知ってから2周目3周目を迎えるとまた違った感情で見れるかもしれません。

 僕は基本的に99期生の9名全員が好きなのですが特に星見純那、大場ななの2人が推しキャラとして君臨しています。

©Project Revue Starlight
©Project Revue Starlight

 この2人の組み合わせは"じゅんななな"と呼ばれているのですが……まぁ魅力は「見ればわかる!!!(珠手ちゆ風)」ですのでもうとにかく見てください(懇願)。TVシリーズ見たあとの劇場版でのじゅんななながとにかく染みます。本当に好き(限界オタク勢)
 因みに大場なな"の"大場"は、"おおば"ではなく"だいば"と読みます。なぜ"台場"や"大葉"ではなく"大場"なのかもしっかり理由付けされているので気になる方はサイトに飛んでみてください。

6、知っておいて損は無い用語/設定解説


 さて、これまでスタァライトの見所を紹介してまいりましたが結びにスタァライト内で登場する用語/設定の紹介をして本記事を終えようと思います。やはりどうしてもワイドスクリーン・バロック的な作品のため、エヴァ以上に途中で訳が分からなくなる人が出る作品だとは思っています(それがある種の魅力なんですけどね)。そこで、簡単な用語解説を箇条書き形式にてお伝えして世界観に溶け込めるお手伝いができたらなと思います。それでは早速どうぞ

 スタァライト
→作者不詳ながら古くより世界中で何度も公演され人々に愛されてきた戯曲。"運命"で結ばれたフローラとクレール、星摘みの塔を守る6人の女神が織り成す美しくも儚い物語。
 
 キラめき
→舞台少女が持つ舞台に対する情熱や意欲のこと。キラめきの重さは130gとされている。

 レヴュー
→選ばれた舞台少女たちがトップスタァを目指して競う"オーディション"にて行われる秘密の公演。衣装に縫い付けられた上掛けを落とされたら敗北。勝者は敗者のキラめきを奪うことが出来るがその事は参加者に伝えられていない。

 ポジション・ゼロ
→舞台の主役のみが立つことを許されたスポットライトの中心。センターバミリのこと。

 舞台少女
→舞台に魅了され、舞台に生かされている少女たちのこと。

 舞台装置
→舞台少女のキラめきに応じて独りでに稼働する舞台セットや背景、照明のこと。レヴュー毎に舞台装置は様々で、寺社仏閣や野球盤、列車を模した舞台装置もある。

 トップスタァ
→"オーディション"を勝ち抜き、勝者の証である星のティアラを手にした舞台少女のことを指す。無限のキラめきを放ち、時を超えて輝き続ける永遠の主役。望むどんな舞台にも立つことが出来る。

 アタシ再生産
→キラめきを再び得て、舞台少女として"生き返る"こと。本編において最重要キーワード。

 とりあえずここら辺を抑えておけば支障なく見れると思います。これ以外にも用語設定はあるのでそちらをまとめたサイトも貼っておきますね。

最後に


 如何でしたでしょうか?突発的に書き殴ったので推敲なども儘ならず読みにくい文章だったかもしれません(執筆は計画的に)
 しかし、スタァライトに対する情熱は伝わったかと思います。やはりどこをどう見てもこの作品は名作であると思いますので、この記事をキッカケに1人でも多くの方にスタァライトを見ていただき、スタァライトの良さを知って貰えたら嬉しく思います。

 少女☆歌劇レヴュースタァライトは現在Amazonプライムビデオやdアニメ、U-NEXTなどで公開中です。アマプラではTVシリーズ、ロンド、劇場版の他に舞台版スタァライトも配信されています。見る順番的にはアニメシリーズ(TVシリーズ→ロンド→劇場版)を履修後に舞台を見れば大丈夫だとは思いますが、時系列的には舞台が先出しなので、時系列順に追いたいならば舞台#1から見ることをおすすめします。

 ここまでご覧いただきありがとうございました!


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