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あの代議士の行為は危険度100。ベテラン教官が教えるドライバーの安全運転を妨げる同乗者の言動ランキング

以前、世間を騒がせた女性代議士の車内での秘書に対する言動。
クルマの中で録音されたという音声から察するに、かなり危険の高い状態での走行だったことでしょう。

そこで、どういうことが安全運転を妨げ危険なのか、意外と知られていない影響の高い言動をランキング形式でお教えします。
危険度ランキングの順位は【運転者の感情の揺れと身体的刺激】、この2つの要素に基づいて判断しました。


10位 喫煙をする <危険度20>

最近は喫煙できる場所も少なくなり、喫煙する人にとっては行く先々でとりあえず喫煙できる場所を探すのが癖になるということです。

私も以前は喫煙者でしたのでよく分かります。
ただ、運転者でなくても車内での喫煙はお勧めできません。
その理由は、たばこの煙で視界が妨げられるからです。
車内換気に注意をそがれ、人の煙にストレスを感じること。
運転者にとって、良いことはありません。
それに、他人のクルマであれば灰皿に灰を落とす行為も、細心の注意が必要です。


9位 飲食をする <危険度25>

今どきのクルマであれば、車内にカップホルダーがあります。
ということは、メーカーもクルマの運転中の飲食を認めているということになります。
私も飲み物をカップホルダーに置いてクルマを運転することが多いのですが、運転中に飲み物を飲むことは比較的容易です。

しかし、何を食べるのかにもよりますが、食事をすることは少し難易度が上がります。
例えば、クルマでの食事として定番の、ドライブスルーで買ったハンバーガー。
食べようとすれば、袋を開け、包み紙を広げてハンバーガーにかぶりつくわけですが、広げた包み紙によってサイドミラーや窓の外が見えなくなることも出てきます。
それは一瞬のことかもしれませんが、その一瞬が命取りになることもありますし、視界を遮ったときに運よく危険がなかったとしても、運転者の心にストレスを与えているのは確かです。
よって、車内で飲食をするなとは言いませんが、食べるときには運転者の視線の邪魔にならないように気をつかうことを忘れないことです。


8位 寝る <危険度 40>

こっちは運転をしているのに、のうのうと寝るなよ!と言う(思う)人も多いのですが、それをあまり気にしてはいけません。
というより、寝てくれているという事は少なくとも運転を怖がっていないということになります。
提案になりますが、スヤスヤと寝息が聞こえる車内でクルマを安全に運転しているということに喜びを感じてみませんか?
それは、相手から『ありがとう』と言ってくれなくてもまったく問題にならない【貢献感】というものです。

自分が運転しているのに寝られると腹が立つ人は、「俺がしんどい思いをしているのだから、お前(ら)も少しはしんどい思いをしろ」というゾンビ的マインドです。
また、そういう考えの人は【クルマの運転=大変なこと、疲れること】という残念な公式を持っている人なのです。

では、同乗者が寝るという行為に危険がないのかと言えば、そうではないのです。
それは、安全運転に対する協力が得られないことが問題なのです。
1人で運転しているときは仕方がないのですが、同乗者がいるときには積極的に安全確認の協力を得ましょう。
それよりも同乗者が寝ていることで危険度が高くなる重大な要素は、万が一他のクルマに衝突するorされる時のとっさの心構えができないことです。
人間は衝撃に対して無防備なときと構えているときとでは、身体に受けるダメージが大きく変わってくるそうです。
目を開けていれば(起きていれば)迫ってくる危険におのずと身体が反応しますが、寝ていてはそれが期待できません。


7位 スマホ(で通話や閲覧)をする <危険度50>

これは、よくあることでありながら危険性もあることです。
運転者本人がスマホを操作することは道路交通法で禁止されていますが、同乗者がスマホを操作するということは日常茶飯事です。

走行中に同乗者が他の人と通話すれば、どうしてもその通話に意識が向いてしまいます。
また、スマホの動画やメールに夢中になると、寝る危険と同様、万が一の時の構えができない(or一瞬遅れる)からです。
同乗者が多少スマホを触るのは仕方ないかもしれませんが、せっかくクルマに乗っているのですから、スマホをしまって外の景色を見ましょうよってことです。


6位 運転者を爆笑させる <危険度65>

運転者が爆笑レベルになると、運転操作がままならなくなるので危険度がグンとアップします。
具体例を挙げると、手足が揺れてスムーズな操作に支障をきたしますし、上体の動きが制限されるので安全確認もままならなくなります。

誤解してはならないのは、クルマの運転はマジメにしなければならない、ということではありません。
むしろ、クルマの狭い空間では良くも悪くも空気が伝播しやすいので、運転者の機嫌を良くさせてあげてください。
腹を抱えて大爆笑は、あとの楽しみにしておきましょう。


5位 運転者をジーッと見つめるor観察する <危険度 70>

助手席から運転している人をジーッと見つめる理由で考えられるのは、この2つ。
1つ目は、運転している人に対し好意がある場合。
この場合の運転者には、その視線を感じさせつつ少しの緊張をもたらす程度なので、問題ないでしょう。

2つ目が問題で、運転している人の運転を観察している場合。
簡単に言ってしまえば、運転が上手いかどうか、できるかどうかを見ているとき。
これは、批判的な目で見られていますから、どんな人でも運転がやりづらいです。
この過度に「見られている」という意識は、運転操作をぎこちなくさせてしまいます。
目線攻撃はもちろん、口うるさく教える攻撃も控えてあげましょう。


4位 運転者に対し、話しかけ続ける <危険度 80>

特に、クルマの運転に慣れていない人にとって、かなり危険な行為です。
クルマの運転に慣れたかどうかの違いは、無意識である程度の運転操作ができるかどうか。
頭で考えて運転操作をしている段階では、まだ初心者と言えるのです。

初心者の段階の運転者に対し話しかけることは、頭で考え整理している運転操作の妨害をすることになります。
もちろんクルマの安全に関係のあることはその場で話さなければなりませんが、それ以外のことはなるべくクルマを降りてからにしてあげましょう。
緊張を和らげるような適度な会話は全然問題はありませんので、タイミング良く。


3位 運転者に対し、ボディタッチ <危険度 85>

これは、運転者に対して好意があって見つめる行為の一歩進んだ形です。
クルマの中での飲食はまだ許容範囲だとしても、走行中にこういう行為はかなり危険が高いです。

クルマの車内のような狭い場所がすごく燃える、という趣味の人もいるかもしれませんが、40km/hで走行しているときは、1秒間で11メートルもクルマは進んでいるのです。
ボディタッチを受けているときの身体の反応は消すことはできませんので、クライマックスの数秒間の危険性は言うまでもありません。
お楽しみはクルマを停めてからかクルマを降りてから、ということです。


2位 運転者に罵声を浴びせる <危険度95>

耳元で「このハゲ~~~~!!」と叫ばれれば、一瞬すべての感覚機能はオフになるでしょう(本当にハゲならなおさら)。
それだけでなく、言葉で失敗をなじられるとなると、その理由(いいわけ)を考えるなどしてその場を取り繕うのに頭がいっぱいになってしまいます。
ですので、ここまでの状況であれば運転者はその暴言を制止すべきです。
主従関係がハッキリしていて失敗の原因が運転者にあるというあの代議士のケースでは、強く言えなかったのだろうと推測します。
ただ、叱責を受け終わって善後策が固まってからクルマに乗るという選択の余地は、なかったのでしょうか・・・。


1位 運転者に暴力をふるう <危険度100>

今回ニュース等で出回っている車内で録音された音声だけでは暴力があったのかは断定できませんが、左のこめかみ辺りを打撲しているという報道もありました。
もしそれが事実ならば、このときの運転者の取るべき対応は、運転を中止することです。
そのまま運転を続ければ、危険性が増すことは十分に予測できることです。
半狂乱状態のあの代議士の様子から、ますます暴力がひどくなる可能性もありましし、運転中はハンドルを握っている以上、防御ができません。

抵抗できないのをいいことに、こめかみなどの目の周辺を殴る(殴られる)ことが、どれだけ危険なことであるか。
それに、その暴力によって走行中の自動車がコントロールを失ってあらぬ方向に向かっていってしまったとしたら・・・今以上の激震になっていたことでしょう。
あの時の報道で、そこの想像力の欠如が見られました。

言葉の暴力も含め、狭い車内での攻撃に対し防御ができないのであれば、運転者はクルマを運転するべきではありません。

勇気を持って、運転を中止することを選択しましょう。

【終】

佐々木隆児インターネットラジオ番組
【クルマの運転はこの一言で上手くなる】
おかげさまでこれまで週1ペースで放送を無事にお送りすることができています。

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