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「中国山地の東端」を活用した「神河町・朝来市・養父市・宍粟市」による観光ブランディングを考えてみた

観光ブランディングとは、地域独自の魅力を引き立て、観光客を呼び込み、地域経済の活性化を促す戦略的な取り組みを指します。

そのため、観光ブランディングを成功させるためには、まず旅行者の視点から地域全体を捉えることが不可欠です。旅行者は地域を一つの「面」として認識し、その「面」の中の宿泊施設、飲食店、体験活動など各々の「点」を探索し、結びつけていきます。

したがって、旅行者の視点を理解し、地域全体としての「面」を強化しつつ、それぞれの「点」への流入を促進することが重要となります。

しかし、観光ブランディングを自治体単位で行うと、一面的な取り組みに偏りがちです。「自然が豊か」と言うだけでは具体的なイメージが湧かず、地域の魅力を伝えるのが難しい状況が生まれます。

また、消滅可能性都市に指定されている自治体では、自治体名を認知してもらっても、将来的に自治体が存在しなくなった場合、その認知度は意味を成さない可能性があります。

そこで、兵庫県の4つの自治体(神河町・朝来市・養父市・宍粟市)で「中国山地の東端」というカテゴリーを作り、ブランディングできないか考えてみました。

地域の地形を活用することで、具体的でイメージしやすいブランディングが可能になり、長期的な地域活性化につながると考えられます。

特に、当地域は山地の特性を活かした豊かな自然環境が広がっています。市川、揖保川、円山川の源流が流れ、大部分が森林に覆われた美しい渓谷が広がっています。

自治体の境界線上には、開発が手付かずの自然が残っていることが多く、その自然を活かしたガイド付きのウォーキングやサイクリング体験など、高単価の観光サービスを提供することも可能です。

さらに、「中国山地」は、たたら製鉄をはじめとする鉱山で栄えた地域としてのイメージがあります。当地域にも生野銀山や明延鉱山などの鉱山が点在しており、これらの特性を活かしたブランディングが可能です。

インバウンドに対するアプローチとして、姫路と城崎を訪れる外国人旅行者を主なターゲットに設定することを推奨します。

なぜなら、資金や人手が限られている地方では、地元の特性を活かして特定の拠点に焦点を絞ることが、全世界に対するPRよりもはるかに効果的だと考えられるからです。

さらに、その中でも特に旅行疲れの人々をメインターゲットに設定するべきです。当地域には、もともと自然の中でリフレッシュするための施設が多く、そのようなニーズを満たすことが可能です。

このように、兵庫県の4つの自治体(神河町、朝来市、養父市、宍粟市)が連携して、「中国山地の東端」という新たなブランディングを活用することで、観光客に対して地域の魅力を鮮明に伝えることが可能になります。

地形を「面」として捉え、それを活用することで、渓谷や鉱山といった地域の特性を観光客に想起させ、各観光施設へと導くことができます。

このような取り組みを通じて、地域の魅力を最大限に引き立て、旅行者に素晴らしい体験を提供することが可能となります。これにより、地域全体の活性化を図ることができ、地域振興に寄与することが期待されます。

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