見出し画像

003 Santiago Atitlán, Guatemala/ 2007

003 Santiago Atitlán, Guatemala/ 2007
ー現地のことは、現地に答えがあるー

画像2

画像1

画像3

画像4


***

ちょっと「Santiago Atitlán」を画像検索してほしい。
美しい湖と神秘的な山々に目も心も奪われる。さらに下の方にスクロールしていくと、カラフルな布生地の写真が出てくる。民族衣装というか、今もまだ日常的に着ている服装の素材だったりする。私は大学時代にスペイン語を専攻していて、中南米の政治や経済、文化などマニアックなことを勉強していたせいか、こうした中南米の大自然や先住民族の文化の写真を見るとテンション上がるし、心が落ち着く。中南米の観光地といえば、メキシコやウユニ塩湖のあるペルーが人気だけれど、マニアックさで言えばグアテマラは随一で、先住民族の文化が未だ色濃く現代に引き継がれている国の1つである。
.
実はlove.fútbolがグアテマラを最初のプロジェクト国に選んだ理由は、その民族性の多様さと関係している。最初のプロジェクトから9個のサッカーグラウンドづくりを立て続けに実施しているのだけど、サッカーならブラジルやアルゼンチンのようにもっとイメージしやすい国があるのに何故グアテマラだったのか。昔、疑問に思っていたので代表Drewに聞いたことがあり、その答えは「1つの国だけど、世界各地でグラウンドづくりをするような経験が得られるから」というものだった。グアテマラは1つの国の中で多民族が暮らし、22の先住民言語が話されている。ゆえに、1つの国にいながら生活・言語・文化背景が異なる様々な地域でプロジェクトを実施でき、その経験はその後の海外展開に役立つと考えていたそうだ。「なるほど、確かに」と私も納得したのだけれど、実のところlove.fútbolがこの経験で得たものは、世界各地に提供する答えではなく、答えを生むための基本姿勢なんだと思っている。
.
去年、上林さんだったか誰だったかに面白い例え話を聞いた。「『建築士』なんて職業名がない時代に、建物を建てることが好きな人と、建物を建てたい人がいた。2人で一緒に建築物を建て始めたけれど、基礎工事や組み立て方など何が正解かは2人とも知らない。どちらも知らないから正解を分かっていない状況で、「答え知ってるよ」と言って誕生したのが『建築士』だという」。私はこの話を聞いて、なるほどなぁと感心した。新しいことを始めるために必要なのは、経験や答えではない。経験がなくても答えを知らなくても、旗振り役になることが大事で、まわりに勇気と安心を与える。そういう意味で言うと、love.fútbolも旗振り役な一面がある。
.
love.fútbolはグアテマラで9個のプロジェクトを実施した分の知識と経験があるけれど、グアテマラの子どもたちとコミュニティにいつも最適なサッカーグラウンドの正解を知っているわけではない。私たちは、「Local Reality, Local Solution」、要約すると「現地のことは、現地に答えがある」という考え方を基本指針にしている(love.fútbolには他に3つの大切な基本指針がある)。世界中どこを見ても同じ町はない。それぞれの町に伝統、文化、歴史があり、その町ならではのユニークさを備えている。各プロジェクト現場では生活環境や言語、ましてや人が違うのだから、万能薬のような正解はない。だから、私たちは旗振り役になりながらも、答えではなく「問い」を持ち込んで、現地の人たちに現地の答えを見つけてもらう。
.
Santiago Atitlánのプロジェクトでは、あえて学校の横にサッカーグラウンドをつくることになり、授業でも利用している。その裏側には、子どもたちに楽しみながら学校に通って欲しい、放課後も安心できる居場所で過ごして欲しい、という大人たちから子どもたちへの気持ちが込められている。それはまさに、Santiago Atitlánの人たちが見つけた答えのひとつだった。


***

love.fútbol Japan
代表 加藤遼也


love.fútbol Japanではサポーターを必要としています。
サポーターが100人になると、1つのプロジェクトでゴール、フェンス、照明を設置できるようになります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?