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新年の挨拶と震災に寄せて


(このnoteは、1月4日にlove.futbol Japanより発信した記事です)

こんにちは。love.futbol Japan代表加藤です。
みなさん2023年はありがとうございました!
今年も宜しくお願いいたします。

今年は元旦から心が落ち着かない日々を過ごしている人もいるかと思います。
親族や仲間が被災した方もいるかもしれません。
被災に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
多くの命が守られること、被災された方たちがどうか少しでも安心できる環境が取り戻せるよう支援と復興が進むことを、強く強く願うばかりです。

色々と考えることもあったため、新年の挨拶も兼ねて、みなさんに伝えたいことを書きました。

私自身がそうですが、震災後さまざまな人たちが支援に動き始めていることに、「私も何かしれなければ」とか「お正月をゆっくり過ごしていていいのか」など焦りの気持ちを感じている人たちがいるかもしれません。そうだとしても、自分を責めることはしないで欲しいと思います。

ラブフットもそうですが、緊急支援活動をしていない組織は、緊急時に私たちは通常通りの活動をしていていいのだろうか?、社会に必要とされていないのでは?と不安が頭をよぎります。
特に非営利組織は、社会の要請に応えたく設立する場合が多いため、社会の意見に敏感になります。

こういう時、同分野で活動する仲間に言われた言葉を思い出します。
「Don’t underestimate your works」
=「自分の活動を過小評価するな」と。

私たちには私たちの役割があります。
今年も私たちの活動を必要としている人たちがいます。
後述もしますが、支援の優先度が明らかになる時だからこそ、それに隠れてしまう存在に目を向ける役割もまた必要とされます。
現段階で私たちにできることは限られていますが、力が必要とされる時に力を発揮できるよう、地に足をつけて、今をきちんと過ごすことが大切です。

うまく伝えられるか分かりませんが、
これまで東日本大震災や熊本地震で子ども支援に携わってきた緊急支援の経験をもとに、サッカーという文化・スポーツに携わる立場として、私からのお願いを共有します。

<小さな声を聞く>
今は人命救助、避難生活における命の保護など命を守ることが最優先です。合わせて生活用品の支援が必要とされています。
ラブフットのようなスポーツの支援は先のフェーズになります。
世の中多くの人がそう考えています。ここに1つ注意が必要です。
そう考える人が多くなればなるほど、世の中に出にくくなる声があります。
文化・スポーツに対する支援の声はその1つです。
まだ先のフェーズであると一般的には考えられますが、ではいつからと聞かれてもまだ誰も分かりません。
タイミングは、その人の置かれた状況次第です。
もしそういう声が聞こえてきた時に、「今はそういう時じゃないだろ」と拒絶するのではなく、どうか話を聞いてください。
文化・スポーツは心を救います。
物理的な支援ではカバーできない、「心の栄養」を必要としているかもしれません。
世の中には理解されにくい悩みを聞いてくれる相手を必要としているかもしれません。

熊本地震の時、「いろんなことを大人だけが決めて、仲間外れにされてる気がして嫌だった。子どもの話も聞いて欲しかった」という小学生の声にハッとさせられたことがあります。

大人は家族や仲間の命を守ろうと一生懸命です。
片や、子どももそんな大人たちの様子を見て大人の力になりたい、大人に迷惑をかけたくないという気持ちで行動します。
ただ、それまでの日常と異なる環境での生活に、子どもたちは不安やストレスをたくさん感じてしまいます。

大きな声だけを鵜呑みにせず、そこに隠れてしまう小さな声に意識的に耳を傾ける。
そういう大人の存在が、小さな声しか出せない子どもにとって心強い支えになるはずです。

今年も例年どおり1月中旬より、「子どもサッカー新学期応援」を開始します。
被災地の子どもたちにに目を向けながら、日本各地で私たちのことを必要としている子どもたち家族の力になれるようプライドを持って取り組んでいきます。

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