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僕がヴェルディカレッジを作った理由①

東京ヴェルディでの僕のメインミッションはスポンサーセールスです。

営業部の責任者としてスポンサーセールスに関わる業務を推進している中で、2019シーズンから新たに『東京ヴェルディカレッジ』と名付けた新規事業をスタートさせました(※以下、ヴェルディカレッジ)。この事業は、学生を対象にした「スポーツを題材に人材育成を目的としたビジネススクール」です。

2020シーズンは2期生として5月から開校します。とはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を鑑みて、前期は全てオンラインで運営します。選考、入学前の講師や1期生との座談会はWEBにて実施。入学手続きや事務連絡などもslackを活用し事前に完了させ、各週の講義やサッカーチームの各部門への現場/プロジェクト配属もオンラインで運用していきます。

当初想定していた構想とは大きく異なったスタートになりますが、さすがは伸びしろに溢れた学生達です。変化にめちゃくちゃ柔軟で、飲み込みが早い。オンラインでのコミュニティ形成も上記ツールを使いこなして、開講前にも関わらず自主的にグループを作って意見交換をしていたり、自己紹介も画像を用いて自己PRしていたりと、この吸収力の速さは運営側の我々にも非常に良い学びになりました。

さて本題です。今日からは、なぜ僕がヴェルディカレッジ事業を始めようと思ったのかを書いていきたいと思います。

<目次>
1、「学生」への想いの根っこ
2、スポーツ業界を目指す学生と現場の現実とのギャップ
3、ビジネス人材も育成できるヴェルディへ

1、「学生」への想いの根っこ

僕の働く原動力として、「学生の人生を変えるきっかけになる」といった想いが根底にあります。前職のリクルートキャリアやパラレルで運営していたNPO法人の時も同様で、今の東京ヴェルディでも共通して自分の大切な軸になっています。

そして、その根っこは自分自身の原体験から来ています。


■根っこストーリー①「高校時代の闇」

プレイヤーとしてのサッカーは全く才能がない事に気が付いた中学時代の僕は、高校入学と共にサッカーを辞めました。ヤンキーが多い中学で、暴力を浴びせてくるチームメイトがいた事もあり、正直「サッカー部」という存在自体に嫌気が指していて、どこの高校に行ってもサッカーを続ける気はありませんでした。

ただ、毎日取り組んでいた「サッカー」が日々の生活から無くなった事で、僕の思考や生活は徐々に闇に堕ちていきました。放課後、友達とカラオケ行って遊んだり友達の家に泊まりに行ったり自由に遊んでいたけど、毎日が全然面白くない。そこで、思考が完全に間違った方向に進んでいき、最終的には友達と共に「俺たちの手で面白くない原因でもある学校を潰そう!」という発想に至ります。

内容は割愛しますが、よく小さな問題を起こし職員室に呼び出されては先生にボコボコにされた事もありました。「お前らの人生なんてロクなもんじゃない。絶対にまともな大人にならない。もう終わりだ。」勿論、自分たちが原因ではあるのですが、大人から色んな言葉をかけられて高校生の僕は傷付いて、更に反発しました。

ただ、もう高校も辞めようかなーと思っていた2年生の始め、お爺さんの担任の先生から呼び出され、こう言われました。

「君の気持ちは分かるから、1つだけこの約束を守って欲しい。」

それは、『毎日、学校に来ること』でした。そして僕もその約束を何故か守って、その日から無遅刻無欠席で高校に行く事になりました。相変わらず、しょうもない事は多々していたと思いますが、その先生との約束を守ろうと思って学校には行っていました。そして、進路を考えるタイミングで、僕に大学の推薦枠をもらえる事になりました。卒業後に知ったのですが、その先生が推してくれたそうです。

「色々間違った事はしてきたが、人として一番大切な『約束を守る』という事が出来る人間。だから大学に推薦しても高校の名を汚さず、頑張ってくれる人間だと思う。」と言ってくれていたみたいです。勿論、それだけが推薦の理由ではないでしょうが、本当に助けてくれました。

その原体験から、自分のように悩んで、苦しんで、道に迷っている学生の「背中を押す存在になる」ことが僕の人生のテーマになりました。関わる大人次第で、学生の未来は変わるんだと身をもって経験した。その先生が僕を助けてくれたように、今度は大人になった僕自身が学生の力にならないといけないと思い、その軸を大切にしたキャリアを築いています。

これが1つ目の原体験。


根っこストーリー②「ヴィッセルカレッジへの入学」

とはいえ、大学に入学した僕は久々にサークルでサッカーを再開するなど、めちゃくちゃ大学生活を楽しんでいたのですが、大学1年が終わった頃に漠然と「このままでいいのかな?」と自身のキャリアに不安を抱えるようになりました。そのタイミングで、「スポーツビジネス」と出会います。

当時、僕の通う大学はヴィッセル神戸とスポンサーシップを結んでいて、「キャリア形成講義」という授業があり、ヴィッセル神戸の社員さんやスポンサーの方々からスポーツの仕事についてお話を頂くといった内容でした。

そこで、「“ヴィッセルカレッジ”というスポーツビジネスを学ぶ場を作っているので、ちょっと紹介します。」との事で、1期生の学生がトークセッションで壇上に上がり、自身の夢や今取り組んでいる事を話していました。

僕はそこでめちゃくちゃ衝撃を受けました。年齢が1つや2つしか変わらない大学生にも関わらず、こんなにも自分と差があるのかと。直感ではありましたが、この“ヴィッセルカレッジ”に今飛び込まないと、一生自分って変わらないんじゃないかなと危機感を持ち、勇気を振り絞りエントリーへ。

ヴィッセルカレッジでは、ホームゲームの運営やスポーツビジネスの講義、イベントの企画運営や海外でのスタディツアーなど幅広い経験を積みました。(※ここでの経験は、また別途noteで書きたいと思います。)

ヴィッセルカレッジでの経験を通して、自分にとって初めてといえる具体的な「夢(Jクラブで働く)」に出会いました。この機会によって自分自身の学生生活、関わる周りの人達がガラリと変わり、将来に大きな影響を与えてもらいました。まさにスポーツによって、新たな世界が見えた瞬間でした。

自分を変えたスポーツによるコミュニティ。いつか自分がこれを作る。

この大学時代の経験が、「学生に対してという軸」「スポーツを手段に」が掛け合わさった重要なターニングポイントだったと今では思っています。これが僕にとって、学生への想いに繋がる原体験2つ目です。

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長々と書きましたが、「なんで学生にそんなに向き合うの?」と言われる事に対しての答えは、ここにルーツがあります。

かなり長くなったので、今回はここまでにします。ここまでは個人的な想いのお話なので、次回以降に関しては、「現状のスポーツ業界の課題」「ヴェルディで運営する意味」といった、具体的なヴェルディカレッジ立ち上げの目的を書いていきたいと思います。

続く。

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