[19/20 Champions League] Manchester City vs Olympic Lyon マッチレビュー
シティはRound 16でレアル・マドリー相手に、ペップが用意したハイプレス戦術でインテンシティの高い戦いをうまく勝ちきりました。
リヨンはここまで勝ち残るとは誰も思っていなかったでしょうが、リュディ・ガルシア監督が引き継ぐ前からあった形を大きくいじることなく、5バックスの守備と中盤3枚が生きるプレスの形、そしてよりカウンターに特化したチームを作り上げてきました。
1, Lineups
リヨンは予想通りでしたが、ペップはフォーメーションを普段の433ではなく343にしてきました。驚いた部分はフェルナンジーニョを3センターバックの真ん中に入れて攻撃時可変するわけではなく、右に入れたことでしょうか。
守備の面で言うとペップの考えとしては、リヨンを押し込んでポゼッションをしてハイラインになったところに一発の素早いカウンターを受けたときに、CB一枚がアプローチに行っても中は残り2枚のCBでリスクマネージメントをするという意図があって、3バックスにしたのかもしれません。
2, 3バックを採用したシティ側、前半の中盤の機能性は?
ギュンドアン若干上がり目のロドリと基本横並びでプレスを回避しながら、パスを散らしていく役割をこなせていました。シュートに絡むシーンもあったので悪くはなかったと思います。
ただフェルナンジーニョがアワールに消されていて中に楔を刺せるシーンがなかったので、後半には早くマフレズを投入して、中盤での支配をより高めようと普段の433に戻しました。
3, 光っていたアワールのプレス守備
アワールがフェルナンジーニョとデ・ブライネのパスコースを常に消していて右ではチャンスをあまり作らせなかった前半だった。良いコースの消し方とフェルナンジーニョへのいやらしい詰め方をするので対角のロングボールを蹴るという選択肢も与えず各駅停車のパスしか出させなかった。
ペップはそこに気づいて後半あたりからデ・ブライネを左サイド気味にポジションをうつさせて、そこからはチャンスを多く作り出せていた。
4, ビックチャンスシーン分析Pick-up
*シティ 03:00
デナイヤーをカンセロがつりだして、少し送れてカバーに入ったデュボアの背後からスターリングの裏への飛び出し。
カンセロのスルーパスをスターリングが受け取って中への折返し。ゴールカバーに入ったマルサルがロドリより先に触ってブロックした。
*リヨン 23:20 Cornet Goal
トコエカンビが裏へ走り出して、マルサルからの浮き球のパス。
ラポルテはオフサイドの手を上げていたが、ここはトコエカンビが裏へ走り出したのがしっかりラポルテの視界に入っていたので、並走してもっとタイトにマークしに行くべきだった。
結果トコエカンビをまだ若いエリック・ガルシアと一対一にさせる結果になってしまい、コルネにゴールを取られた。
*シティ45:00 KDB outcurved cross, Sterling missed a shot
デ・ブライネの絶妙なポジショニング。デュボア、デナイヤーどちらもアプローチしにくい位置に降りてきて、ラポルテからの縦パスを受ける。
カクレにタックルされる前にアウトカーブのかかったピンポイントクロスを裏抜けするスターリングの前へ届けた。これがリヨンにブロックされたビックチャンスの一個。
*シティ 76:00 Sterling to Jesus
ボックス内でジェズスの動き出しが良かったチャンスシーン。デナイヤーの背後のスペースを取ろうとしているジェズスの動き。
スターリングがパスコースを探している間に、マフレズが斜めに走り込んでカバーに付いてきたリヨンの選手とデナイヤーの注意を上手く引いたことで、シュートを打てる時間とスペースが確保できた。うまく浮き球にボレーで合わせられなかったシティのビックチャンスシーンだった。
*リヨン 78:00 Dembele Goal
カクレがしっかりラポルテとスターリングのパスコースを読んでカットに誘い込んだうまいプレーだった。一度はスターリングの足元に入ったものの玉際のデュエルでカクレが勝った。
アワールからのスルーパスにオフサイドポジションのトコエカンビはスルー。カバーに入ったラポルテの足が後ろから来たデンベレの足にあたってしまい、そのままデンベレがゴール。
最初の一枚でわかるようにビルドアップのサポートをしていたギュンドアン、右CBのエリック・ガルシアとは距離が空いてしまってラポルテの後ろのスペースをカバーしきれない状態にあった。同点だったとはいえ、もう少し冷静にビルドアップしたほうが良かったかもしれない。
もしかしたら3バックの感覚が残っていて4バックに意識が変えきれていなかったのかもしれない。
5, 感想
シティ優勢と言われていたが結果1:3でベスト8で敗退してしまった。
ここのところペップはビックマッチで"Overthink"と言われることが多くなっていた。理論上リヨンに対してはリスクマネージメントした上で多くのチャンスを作り出せる作戦だったかもしれない。確かに決めきれるビックチャンスは何度か作り出していて、スターリング、ジェズス、デ・ブライネとオンザボール・オフザボールでも得点に直結する活躍ができる選手がいたので悪い内容だったとは思わない。
しかし、終始一貫した戦い方で上手く試合を運んだリヨンが数少ないチャンスを決めることができて勝った。
さらに言えばリヨンの中盤、カクレ、特にアワールがシティのセンターバックからのビルドアップを阻害し、デュエルでの勝率が高かった。事実SofaScoreによると10/17と数多く挑み勝っていた。まさに攻守両面でアワールの獅子奮迅の働きによってもたらされた結果だと言っても過言はない活躍だったと思う。
個人的には、バイエルンシティが見たかったですが、、、笑
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