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新たな歴史の青い1ページ-The Pride of London-


ポルトガルのポルトホームスタジアム、 Estadio do Dragaoで行われた20/21Champions決勝、Chelsea vs Manchester City。イングランドのメガクラブ同士。オイルマネーでここ10年急成長してきたクラブ同士。欧州トップレベルの監督同士。フットボール理解と技術レベルが世界トップの選手たちが集う素晴らしい大会。夢と絶望。いろんな意味合いを含む最高の舞台でした。

シティは初のチャンピオンズ決勝進出、チェルシーは過去一度優勝して、三度目の決勝。チャンピオンズ決勝初進出のクラブは7連敗中というジンクスもある中でチェルシーの勝利に大きく期待して見始めました。

オープニングセレモニーは”Marshmello”。コロナで少ない有観客だからこそのCGをふんだんに使った決勝らしいショーでした。(Marshmello x 2021 UEFA Champions League Final Opening Ceremony)

ざっくり試合のレビューをしていきます。

1. LINEUPS

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Chelsea

驚きは1点。TuchelはHavertzを右のシャドーに起用。よく考えたら今までHavertzを0トップに固定した起用は多く見れたが、右シャドーはほとんどなかったのでまだ研究されてない形だったのかもしれない。

RCBにはAzpiを。対戦する相手がCityなのでAzpiとJamesの役割をもとに戻した。守備と攻撃両面を考えたときに納得の判断。RCBでのAzpiは攻守においてのポジショニング、マーカーへの寄せ方、仕掛けてきたときの1v1から2v1にする守備対応などすべてのプレー判断に余念がない。まさに"Football Meister"だ。

Tuchel就任から積み上げてきたものの上に対戦相手を意識した納得の選手起用でした。

Man.City

Pepはボールを長い時間保持して、チェルシーがカウンターするチャンスすら与えず、かなり押し込むことを予想してかFernandinhoを使わずGundoganをアンカーに置くという決断をしてきた。Gundoganが一列前に出ていくことで得点能力の高さを生かしていたシーズンだったので不思議に感じた。

さらに言えばここ最近調子を落として、あまり器用してこなかったSterlingをスタメンで出すという驚き。結果から言えばGundoganもアンカーでの仕事ができるものの、Fernandinhoほどカウンターを受けたときのカバーリングだったりへそとしての役割を守備で機能させる事ができなかった印象だった。

2. Chelseaが勝てた要因(Why could Chelsea beat Manchester City?)

コンパクトなディフェンスブロック(Compact Defensive Shape)

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DFラインとGKの間に自由なスペースをあまり作らせない状態。ロングボールをDF裏に放り込まれてもMendyが前に出てある程度カバーできるスペースしか開けていないことが見られた。コンパクトにすることでボールをサイドにショートパスで振られた時には横ズレをスムースに行える。

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中央はかなりの人数密集して各々がタイトにマークにつけるので、Cityは外回りで最終的にSterlingとMahrezでWB一人ずつから剥がさなければなかった。ChilwellとJamesの運動量、洗練されたタイトな個人守備戦術でほぼ剥がされてCBが対応に出ていかなければならないということにはならなかった。

ミドルゾーンにラインを設定するときは前線の選手たちが出て行きすぎず、各選手カバー可能な距離感をたもったまま適度にボールホルダーにプレッシャーを与えるプレッシングを90分間常に行っていた。確固たるTuchelのdisciplineのもとに継続的な集中力、偉そうな言い方になつが見事としか言いようがない。

守備から攻撃への切り替え(Transitioning)

まず第一にどこでボールを取りきって、どうカウンターアタックに出ていくことが重要になる。そこでTuchelが仕込んできたであろう設定は”Cityが外から中にボールを選手に差し込んで来る場所を狙う”ということだった。

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例)Sterlingが仕掛けてきて内側のFodenに預けたところにKanteとAzpilicuetaがタイトにボールを狩りに行く。

ボールを取り切れたらKanteのスーパーおはこプレイ、奪った勢いそのままに前にドリブルしていく局面に突入。前線のフリーランを活かすよりダイレクトにゴールを狙う形を作り出せた。

特にChelseaにとってありがたかったのは1枚Pivotにいる選手が非カウンター時の寄せが上手くて、チームの中で一番タックルが強いFernandinhoではないGundoganだったことでした。

攻守両面においての設定、トランジショニングの強みを踏まえてHavertzの得点場面をみてみよう。

3. 決勝点

Chelseaの右サイドで崩しながら密集したところでボールが出て、スルーインから始まった場面。

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Cityの選手も同様に右側に密集密集していたところ、AzpilicuetaがMendyにバックパスをして一気に大外高い位置で張っていたChilwellに展開。

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広大なスペースでフリーなMountにChilwellからの落としが入る。 非カウンター時のケアでFernandinhoならできていたであろうはずの予測して右からスライドすべきGundoganがMountにアプローチできなかった。

Domino Effectを意図的に引き起こす

Mahrezは中に絞って、WalkerはChilwellにアプローチ、結果距離をとっていたStonesがMountに遅れてアプローチ。StonesとDiasの距離が広がったチャンネルにWernerが抜け出すことでDiasを引っ張り、HavertzもDiasとZinchenkoの間のチャンネルをゴールに向かうように抜け出して、Mountのスナイパーパスに待ち合わせてゴールを決めた。

Cityの伸び切ったDFラインに対して背後スペース(チャンネル)へDiagonal Runすることによって一人ずつひっぱりだした見事なカウンター技だった。

4. キープレイヤー

N'Golo Kante

フランスの小さな巨人が一番輝いた。スタッツを見ても圧倒的な存在感。試合を見ていても、スライディングをっせずボールを狩りきれる能力、シームレスにボールを奪った瞬間ドリブルで一気に攻撃を加速させる能力、相手のパスレーンを消しながらハイプレスに行ける的確な判断力、狭いスペースの中でワンタッチで相手を剥がしてラインを超えていく高レベルなスイッチプレーなど上げたらきりがないほど活躍した。

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Reference: The Athletic UK Twitter

Defensive Players

RudigerがFodenのシュートをスライディングで塞いだり、JamesとChilwellは完璧にSterlingとMahrezをサイドで抑え込み、Azpilicuetaはゴール前でスライディングしながら技術の高いクリアを見せたり、Thiago Silvaと変わって入ったChristensenもPAで情熱を感じるクリアをしたり、DFライン全員が危ない局面で防いでくれたことが勝利につながったと思う。

4. 感想

言葉をいくら述べても足りないくらくらいの超高レベルなChampions Finalだった。Chelseaのファンでいて、Chelseaの選手が好きで、Tuchel監督のファンでほんとに良かったと思う。

すでにレジェンドになったと言っても過言ではないほど大一番でCL初ゴール尚且決勝点を決めたHavertz、Chelseaのアカデミーから出てきてLampardによって1stチームに定着し確固たる評価を己で勝ち取ってきたMountを今日まで見られてきたことが嬉しくてしょうがない。

そして一番のファンCápitan AzpilicuetaがBig Earを掲げる瞬間を見届けられたことが何よりの思い出を与えてくれた。

惑星最強といってもいいであろうPep GuardiolaのManchester Cityを相手に応援するチームが打ち破る結末。 優勝セレモニーで各選手が幸せな表情を見せる瞬間。 現地にいなくてもこれだけ興奮して涙が出そうになる感情を巻き起こすChmpions Leagueという大会は本当にすごい。Footballに魅せられていることが幸せだと感じる。

ru_Footprintsから再掲載



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