日々公表銘柄

日々公表銘柄とは、証券取引所が日々公表する、信用取引の残高が多く信用取引が過熱している銘柄のことです。これに指定されると、株価の動きの方向性が逆転する傾向にあります。

日々公表銘柄とは?

証券取引所が日々公表している、信用取引の残高が多い銘柄を、「日々公表銘柄」と呼びます。基本的に、信用取引の残高は1週間に1度公表されますが、信用取引が過熱している銘柄は特別に毎日公表されます。

このような銘柄を日々公表銘柄に指定する理由は、投資家を守るためです。信用取引の残高が多い銘柄は、株価の変動が激しくなっているため、投資家が大きな損失を抱えるリスクが非常に高くなっています。そして、株価の変動が大きいだけに、投資家が冷静に判断できなくなっている可能性があります。

そこで、投資家に頭を冷やしてもらうために「日々公表銘柄」を発表し、注意喚起しているのです。日々公表銘柄は、投資家の保護と健全な株式市場を維持するために作られた、大事な制度と言えます。

日々公表銘柄に指定されても、株価の動きが落ち着かないときは、「増担保規制(ましたんぽきせい)」がかかります。増担保規制をかんたんに説明すると、信用取引が過熱するのを防ぐ規制で、信用取引の際に証券会社に差し出さなければいけないお金(委託保証金)が高くなります。詳しく知りたい方は、増担保規制(ましたん)とは?発動するとどうなる?解除条件や株価への影響を解説をご覧ください。

最後に、日々公表銘柄に指定される基準には、残高基準や信用取引売買比率基準など4つの基準があります。むずかしい話なので今回は詳しく説明しませんが、興味がある方は「日々公表銘柄」の指定等に関するガイドライン[PDF]をご覧ください。

日々公表銘柄に指定されると株価はどうなる?

日々公表銘柄に指定された銘柄の動きは、信用買い残と信用売り残の多さによって変わります。それぞれ説明しますね。

信用買い残が多い銘柄は、日々公表銘柄に指定されると株価が下がりやすくなります。理由は、信用買いによって株価が大幅に上昇したためです。投資家は「日々公表銘柄に指定されるほど株価が上がった」と考えるため、日々公表銘柄への指定が売りタイミングとなり、株価が下がりやすくなります。

信用売り残が多い銘柄は、日々公表銘柄に指定されると株価が上がりやすくなります。理由は、信用売りによって株価が大幅に下落したためです。投資家は「日々公表銘柄に指定されるほど株価が下がった」と考えるため、日々公表銘柄への指定が買い戻しのタイミングなり、株価が上がりやすくなります。

日々公表銘柄に指定されると、指定される前の株価の動きとは反対の動きに変わる可能性が高くなります。買い残が多く株価が上がっている銘柄は、買うのを控えたほうがよいでしょう。一方、売り残が多く株価が下がっている銘柄であれば、日々公表銘柄に指定されたタイミングが買い時になるかもしれません。

日々公表銘柄は、日本取引所グループの公式ホームページにある「日々公表銘柄」で確認できます。狙っている銘柄が日々公表銘柄に指定されていないか、定期的に確認しておきましょう。

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