PTS

PTS取引(夜間取引)とは
PTSとは、東証などの証券取引所を介さずに株式の売買ができるシステムです。このPTSを使って株の売買をすることを「PTS取引」と呼びます。一方、証券取引所を通した、いわゆる一般的な株式の売買は「取引所取引」と言います。

PTS取引では、証券会社が独自にPTS市場に取り次いで売買を成立させます。

PTS市場はジャパンネクストPTSとチャイエックスPTSの2種類しかないため、証券会社はこの2つのうちのどちらか、または両方に投資家からの注文を取り次ぐしくみになっています。
取引所での取引との違い
PTS取引と取引所での取引では取引時間・呼値などが違います。

取引時間については、取引所の取引時間が9時から15時までなのに対して、PTS取引では証券会社によって異なりますが、日中取引ができるデイタイム・セッションに加え、夜間取引可能なナイトタイム・セッションがあります。

呼値とは注文できる価格の刻み幅のことで、例えば株価が5,000円の株式(TOPIX500構成銘柄) で買い注文を入れる際は、1円刻みでしか発注できません。つまり5,001円… 5,002円円…5,003円と注文を出すことになります。しかしPTSでは呼値の単位が0.1円なので5,000.1円…5,000.2円…5,000.3円というように細かく注文を出せます。
PTS取引ができる証券会社
一般の投資家がPTS取引できる主な証券会社はSBI証券、楽天証券、松井証券です。取引時間は証券会社によって異なります。以下に、各証券会社でJNX(ジャパンネクストPTS)の取引が可能な時間を紹介します。

なお、ジャパンネクスト証券株式会社が運営するジャパンネクストPTSの取引時間(デイタイム・セッション:8時20分~16時、ナイトタイム・セッション:16時半~翌6時)とは異なりますのでご注意ください。

SBI証券
現物取引 8時20分〜16時/16時半〜23時59分
信用取引 9時〜11時半/12時半〜15時

楽天証券
現物取引 8時20分〜16時/17時〜23時59分
信用取引 9時〜11時半/12時半〜15時

松井証券
現物取引 6時〜15時半/17時〜翌2時
信用取引 6時〜15時

取引手数料についても3社で異なります。SBI証券のナイトタイム・セッション(16時半〜23時59分)は取引手数料が0円ですが、楽天証券と松井証券は取引所取引での手数料と同じ料金です。PTS取引だからといって、追加料金が発生しないので安心して取引できます。
PTS取引のメリット
夜間でもリアルタイムに取引できるPTS取引の主なメリットは次の4つです。

夜間のニュースや決算情報に対応できる
信用取引が可能
取引手数料が安い
取引所取引より有利な価格で約定する可能性がある
夜間のニュースや決算情報に対応できる
アメリカやヨーロッパの経済指標などは、日本時間の夕方から夜にかけて発表されることが多く、それらの結果が日本の株式市場に影響を与えることがあります。翌朝の相場が大きく動く前にPTSなら取引をすることが可能です。

また、決算情報は15時以降に発表されることが多く、決算の結果を見てすぐに注文できるのはPTS取引ならではです。
信用取引が可能
信用取引では、預けた資金(委託保証金)の最大3倍までレバレッジをかけて取引できます。

信用取引を始めるには通常の取引口座とは別に信用口座を開設しなければなりませんが、元手が少なくても大きなリターンを狙えます。
取引手数料が安い 
取引所取引よりも、PTS取引の方が手数料を安くしている証券会社もあります。例えばSBI証券ではナイトタイム・セッションの取引手数料を0円に設定しています。

同じ銘柄を取引するなら、昼間より夜間の方がお得と言えるでしょう。
取引所取引より有利な価格で約定する可能性がある
PTS取引は取引所取引よりも呼値が細かく注文できるので、有利な価格で約定する可能性があります。

特に株価の高い銘柄は5円刻みや10円刻みでしか注文を出せない場合があります。その点、PTS取引での呼値は取引所取引の10分の1以下ですから、取引所取引より安く買ったり高く売ったりすることが可能です。
PTS取引のデメリット
PTS取引では取引所取引にはない以下のようなデメリットもあります。デメリットをしっかり確認してからPTS取引に臨みましょう。

PTS
対応の証券会社が少ない
売買が成立しにくい
銘柄が限られている
PTS対応の証券会社が少ない
取引所取引ができる証券会社は数多くありますが、PTSに対応している証券会社は、SBI証券、楽天証券、松井証券の3つしかありません。

すでに他の証券会社で口座を開いている人は、新たに3社の中のどこかで、口座開設をする必要があります。取引手数料や取引時間、取り扱い銘柄など異なる点があるので、新たに口座開設をする際は、自分に合った証券会社を選びましょう。
売買が成立しにくい
PTSで取引している投資家の数は、取引所取引より少ないため、売買が成立しにくいというデメリットがあります。

自分が買い注文入れても誰も買ってくれない、または売りたいのに買ってくれる相手がいないという状況が生まれやすい傾向があります。
銘柄が限られている
PTSでは東証のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場に上場している銘柄のうち、各証券会社が指定する銘柄が対象です。

地方の取引所(大阪、名古屋、福岡、札幌)のみに上場している銘柄や外国株・外国ETFは取引対象外となっています。
デメリットを考慮しつつPTS取引をしよう
日中忙しくてリアルタイムで取引する時間がない方にPTS取引はおすすめです。 PTS取引は、取引手数料が昼間よりやすかったり、夜間のニュースや決算情報にすぐ対応できるなどのメリットがあります。 ただし、市場参加者が少ないため注文が約定しにくかったり、取引できる銘柄が限られているなどのデメリットもあるので注意して利用しましょう。

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