浮動株比率

浮動株比率(ふどうかぶひりつ)とは、会社が発行した株式のうち、株式市場で日々取引されている株式の割合を表します。浮動株比率が高いほど、市場に出回る株式の数が多いので、スムーズに取引ができるのです。

このコラムでは、浮動株の意味や調べ方などについて、株初心者向けにわかりやすく解説しています。


浮動株比率とは?

浮動株比率とは、会社が発行した株式のうち、株式市場で日々取引されている株式の割合です。株式市場で日々取引される株を「浮動株」と呼び、この割合が高いほどスムーズに取引できると判断します。そのため、投資判断を下すときに注目される指標のひとつです。

反対に、株式市場で日々取引されていない株式を「特定株」と呼びます。こちらは、大株主や経営者など、売買をあまりしない株主が持っている株式と考えれば良いでしょう。特定株は、なかなか市場には出回りません。

浮動株比率の考え方を表にまとめると、下のようになります。

一般的には、浮動株比率が高いほど、市場に多くの株が出回っているので、取引しやすくなります。反対に、浮動株比率が低い銘柄は、市場に出回る株が少ないので、買おうと思ってもなかなか買えなかったり、その逆に売りたいときに売れなかったりします。そのため、株初心者の方は、できるだけ浮動株比率が高い銘柄を取引したほうが良いでしょう。

浮動株比率の見方がわかったら、次に気になるのは“浮動株比率の目安”ではないでしょうか。結論から申し上げると、浮動株比率の明確な判断基準はありませんが、当サイトでは10%を下回る場合は低いと判断しています。

ポイント

ここまで、「浮動株比率の高さ」を使って、取引のしやすさを紹介してきました。大枠の考え方はこれで問題ないのですが、浮動株比率が高くても、そもそもの発行済株式数が少ない場合は、市場に出回る浮動株が少ないので、取引しやすいとは言えません。例えば、下のような場合です。

A社)発行済株式数1,000株×浮動株比率20%=浮動株200株
B社)発行済株式数100株×浮動株比率20%=浮動株20株
浮動株比率が同じでも、発行済株式数が違えば、浮動株の数が変わってしまうのがわかりますね。B社は浮動株がたった20株しかないので、取引がしやすいとは言えなさそうです。浮動株比率を見る際は、発行済株式数にも注目しましょう

浮動株比率の定義

浮動株比率は、発行済株式数に対する浮動株の割合とお伝えしました。しかし、浮動株自体の定義が明確に決まっていないので、浮動株比率の定義もまちまちです。浮動株の情報は、会社四季報と東京証券取引所が発表しており、下の表からわかるとおり浮動株の定義がそれぞれ違います。そのため、浮動株比率の数字も会社四季報と東京証券取引所とでは異なります。

会社四季報と東京証券取引所で浮動株の数値が違うなら、どちらを見れば良いのか疑問ですよね。ここで注目したいのは、「どちらのほうが、市場の実態に近いのか?」です。東京証券取引所の浮動株は、ざっくりと「発行済株式総数-特定株」で計算したものなので、どちらかというと「1単元以上50単元未満の株主の株式数」を合計した会社四季報のほうが、実態に近いと言えます。

また、会社四季報が出している浮動株比率は、SBI証券の銘柄個別ページに載っています。銘柄個別ページは、SBI証券に口座を持っている方なら、誰でも無料でチェックできます。チェック方法と口座開設については、この次の浮動株比率の調べ方をご覧ください。

どちらの方法でも良いのですが、会社四季報の浮動株比率を見たほうが、市場の実態に近く、計算の手間も省けるのでおすすめです。そこで今回は、SBI証券の会社四季報を使って浮動株比率を調べる手順を紹介します。

このように、浮動株比率は会社四季報を使うと、かんたんに調べられます。自分で計算する必要がないので、かなり手間が省けますね。会社四季報は、SBI証券に口座開設した方なら、誰でも無料で使えます。まだ口座を持っていない方は、この機会に口座を作っておきましょう。

まとめ

浮動株比率とは、発行済株式数に対する浮動株の割合です。浮動株比率が高い方が、市場に株がたくさん出回っている分、取引しやすくなります。株初心者の方は、できるだけ浮動株比率の高い銘柄を取引しましょう。

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