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【声明】浄土真宗本願寺派勧学・司教有志の会

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浄土真宗本願寺派勧学・司教有志の会の声明まとめ。了解を得て掲載しています。
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2024年5月の記事一覧

附論 ― 冊子の内容と記述手法の問題 ―

浄土真宗本願寺派勧学・司教有志の会から「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明の第7弾の附論が発表されました。 附論 ― 冊子の内容と記述手法の問題 ― このたび公開された総合研究所冊子(以下、「冊子」と呼ぶ)について、一部では「学問的に厳正に立論された満井論文」などと評価し公言する人もいるようであるが、率直に言って、この冊子の内容は、「論文」と呼ぶに値するものではない。  この冊子は、一見すると様々に論を展開しているように見え、それを証明しているかのように先学の文

勧学・司教有志の会 声明(七の四)

浄土真宗本願寺派勧学・司教有志の会から「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明の第7弾4が発表されました。 ー総合研究所冊子の問題点ー衆生、仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし、これを聞といふなり。 『教行信証』「信文類」(『註釈版』二五一頁) 【問題三】 本論において、多くの先学の文章を掲げているが、いずれも前後の文脈を無視したきわめて恣意的な引用となっており、読者に誤解を与えている点  これまで述べてきたように、冊子の序論における解説は宗義として成り立た

勧学・司教有志の会 声明(七の三)

浄土真宗本願寺派勧学・司教有志の会から「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明の第7弾3が発表されました。 ー総合研究所冊子の問題点ー衆生、仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし、これを聞といふなり。 『教行信証』「信文類」(『註釈版』二五一頁) 【問題二】 序論②において、「本来一つゆえ」から続く一節について解説しているが、その内容は日本語の文章理解として無理があり、かつ宗義としても成り立たない点  次に序論②では、まず「新しい領解文」の「私の煩悩と仏のさと

勧学・司教有志の会 声明(七の二)

浄土真宗本願寺派勧学・司教有志の会から「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明の第7弾2が発表されました。 ー総合研究所冊子の問題点ー衆生、仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし、これを聞といふなり。 『教行信証』「信文類」(『註釈版』二五一頁) 【問題一】序論①において、あえて宗学で用いる「約仏」「約生」という専門用語を使って解説しているが、明らかに言葉の誤用であり、読者をさらに混乱させている点  まず序論①に出てくる「約仏」「約生」という言葉の使い方につい