工藤@「SM的快楽の底へ」

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メスが生まれるとき(官能小説/ショート)

その女は、身体を持て余していた。 40才を過ぎ、これまでの性行為が、本当の性嗜好とは違うものだったのではないか、という思いが強まっていく。 『本当の自分』が、見えているようで見えていない。 自分の中に確かに存在するのに、表に出てきてくれはしなかった。 ある日、ネットでSM系のブログを見つけた。 これまでも、何度かそういうサイトを見てきたが、とりわけ心に響いた。 掲載された、動画や写真を見ながら、何度も自慰していた。 調教されている女性に自分を重ね、股間を濡らし続けた。 1

    • 彼女の居場所(官能小説/ショート)

      元々、性欲は強い方だった。 思春期、本当に僅かなきっかけでも発情し、自慰を始めてしまう。 一日に何度も。 勉強のストレスがきっかけになったし、トイレに入るタイミングで始めてしまうこともあった。 旅行先の誰もいない温泉で自慰に耽ったことすらあった。 自分の中にいやらしいことをさせる「もう一人の自分」が居ることを自覚した。 「はしたないあの子」が私をエッチにさせている。 そう思い込むことで、少しは気がまぎれた。 大学生になり、恋人ができ、処女を失い、性を謳歌し始めた。 しか

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