相続アドバイザー3級の紹介と勉強法


この記事でわかること

・相続アドバイザー3級の紹介
・私の勉強記録
・他の資格との関連性

相続アドバイザーとは?

相続に関する手続き、顧客であった被相続人にかかる金融取引実務、税制改正を含めた相続税の相談等において、必要とされる知識の習得程度を測定します。

経済法令研究会より引用

相続の基本知識は勿論、実務の知識も問われる資格です。

試験内容

出題形式
四答択一マークシート式 <一部事例付>50問(各2点)
科目構成
 相続の基礎知識 20問
相続と金融実務 15問
その他周辺知識  5問
事例 5事例10問
合格基準
満点の60%以上(試験委員会にて最終決定)
試験時間
120分

経済法令研究会より引用

相続と金融実務が50問15問あるのが特徴です。実務での知識が多く問われているということが伺えます。その他周辺知識では相続に絡んでくる年金の分野からの出題傾向もあります。相続に関連する幅広い知識が問われているということでしょう。

合格率

2022年3月6日実施
受験者数3,702人
合格者数1,377人
合格率37.20%
平均点52.69点
平均年齢38.3歳

銀行業務検定協会 第151回銀行業務検定試験成績発表スコープより引用

合格率から考えるに簡単な試験ではありません。
しっかりと対策を施さないと合格は難しいでしょう。

試験日程


例年10月と3月の年2回行われています。
CBT形式ですと通年受験が可能で、2022年度は5月1日~2023年3月31日が受験可能期間でした。

使用教材

公式のテキストと問題集を使用しました。
受験したのが2022年3月でしたので2021年度の受験用を購入しました。


相続の基礎が簡単に学べる本も一読しました。こういった本が一冊あると理解が深まるのでオススメです。

YouTubeで相続を扱っている動画も参考にしました。
この試験の受験後に、宅建とFP1級を見据えて居たので、それぞれそれらの試験対策をされているチャンネルです。


勉強時間の目安

全くの初学者からですと30~50時間が目安になってくると思われます。
問題集を中心に学習を行い、不明な点はテキストで確認をすれば合格点に届く試験です。

私の受験記録

勉強方法

テキストを一読した後問題集を周回しました。
不明点は逐一テキストに戻り確認しました。
最終的に問題集は全問題を3周+苦手問題は最大8周行いました。

受験結果

CBT形式で2022年3月に受験しました。
相続の基礎知識:13/20
相続と金融実務:6/15
その他周辺知識:4/5
事例問題:8/10
合計:31/50

30問以上(60%以上)合格で31問正解(62%)でした。
かなりギリギリの合格でした。
苦手にしていた金融実務の分野がほとんど解けていませんでした。
この辺りは実務経験が無いとかなりとっつきづらく、勉強していてもイメージし辛い分野でした。
しかしそれでも合格できているため、それ以外の分野を確実に得点できていることが必要となるでしょう。

勉強時間は27時間でした。
勉強時間の内訳は以下の通りです。
大部分の時間を問題演習に費やしていることが分かるかと思います。

他資格との関連性

1⃣宅建

・相続アドバイザー3級→宅建
オススメ度★★★☆☆(相続だけで見ると効率は悪いかも)
相続に関して深く学べる資格なので、合格後は宅建の相続分野に対する苦手意識が無くなるでしょう。
ただし金融実務の箇所に関しては実務経験が無いとイメージしづらく、宅建においても出ないと思われるので、直接宅建に活きる分野が無い所も知った上で受験されるなら良いと思います。宅建は相続から1問,出ても2問ですので宅建の前の繋ぎとして考えるなら非効率と個人的には考えます。

・宅建→相続アドバイザー3級
オススメ度★★★★☆(宅建で学んだ相続の知識を深堀りしたい方へ!)
相続分野においてしっかりと学習されている方でしたら基本的な事は理解出来ているので、とっつきやすいと思います。
成年後見人からの出題もあるので権利関係の知識も活かせます。
しかし相続税の計算、宅地の評価、贈与税の計算など、宅建の相続よりもかなり深く問われますので、しっかりとした対策は必要です。
宅建より深く、しっかりと相続分野を学びたい方へオススメです。

2⃣FP

・相続アドバイザー3級→FP3,2,1級
オススメ度★★★☆☆(1級対策としてなら)
FPにおいてはF分野の相続事業承継で直結してくる所です。事業承継も学べるので1級の出題範囲も触る事ができます。
年金からの出題もあるのでA分野の学習も出来ます。金融実務分野を抜きにすれば、1級の前の対策としての基礎固めに良いと思います。3級,2級対策としてと考えると難し目&公式テキストもやや分かり辛いので最初からFPの学習をした方が良いと思います。

・FP3,2,1級→相続アドバイザー3級
オススメ度★★★★★(相続をより深く学びたい方へ)
FPで幅広く知識を学習された後ですと、どこかで聞いた事があるという単語がところどころで出てくると思います。
全く知らない単語でもテキストである程度は理解出来るようになっていますので、そこまで抵抗なく学習を進められると思います。
1級合格後からですと、金融実務の所を中心に学習していけば、他は軽く触るだけでも合格点は超えると思われます。
FPで学んだ相続をより深く学びたい方へオススメ出来る資格となるでしょう。

さいごに

私はFP1級を見据えていたため、相続アドバイザーの試験に挑戦してみました。
CBTは通年で受験出来ると思っていたのですが、4月のみ試験自体予約できなかったため、慌てて3月末の試験を予約しました。
結果的にギリギリ合格出来ましたが、余裕を持って合格するためにはさらに学習が必要だと感じました。
金融実務を除けばFP1級への繋ぎとしてなら良い資格だと感じました。
相続を実務として仕事をされている方、今後される予定の方にはかなり有益になるのかな、と感じました。

この記事が相続アドバイザー3級を受験される方の参考になれば幸いです。