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マリー・ローランサン ―時代をうつす眼 所感

先日、マリー・ローランサンの展示に行ったので日記みたいな形で残しておこうかな、と思います。

昨年にはなりますが、国立西洋美術館にて「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命」を見に行きました。

それまでキュビスムは現代アートに繋がる抽象画っぽいよくわからんやつ、という認識だったのですが、上記の国立西洋美術館の展示でキュビスムの元々の目的だったりフェーズだったり、取り組んだ人たちそれぞれの作風だったりを楽しく勉強できました。

それで満を持して今回のマリー・ローランサンの展示です。

以前友達に「ジョルジュ・ブラックとマリー・ローランサンは交友関係があったみたいよ」と教えてもらっていたので、ブラックみたいな格好いい感じの画風なのかなぁと勝手に想像していたのですが柔らかな印象でびっくりしました。

まぁ展示をまわりつつ思ったのですが、マリー・ローランって女性画家の作品集めました!って展示でよく見る気がするので、女性らしい作風のわかりやすさもウケてる理由なんですかね。

この画は今回より前にも見たような見なかったようなですが、優しい色づかいが素敵ですね。

女優たち/マリー・ローランサン(ポーラ美術館)

裸って生々しい印象を受けることが多い気がしますが、適度に輪郭が抽象化されていたり、表情も和やかで可愛いです。

マリー・ローランサンの妄想なのか、それとも女の人が抱き合ってるのを目の前で見て描いたのか、そこはちょっと気になります。


そして、展示の中で一番印象に残ったのはこちらです。

横たわる裸婦/マリー・ローランサン(名古屋市美術館)


この赤いお花、完全にマティスのそれじゃないですか。

パクるなよってマティスに怒られちゃったりしてないか心配になるレベルです。

あと平面的なのっぺりした顔とか遠近感がわからない感じとか、国立西洋美術館のブルターニュの展示であった、ポン=タヴェン派ぽいです。

裸婦が横になってる構図ってわりかしよく見るのですが、なんとなく新鮮な印象を受けます。

あと鳥も不思議な気がします。

同じ時代を生きたピカソが鳩を描いてて、それが鳩が平和の象徴として用いられるもとになったと言われるというのをネットで読みました。

しかしこの鳥は鳩とは違いそうです。調べてみると、鳥って案外描いてる人が多いぽいので近所にいたから、とかそういう理由なのかもしれません。

でも画面中央に近所にいた鳥を描くか?とは思うんです。寂しいから描いたとかそういう帳尻合わせにしてはちゃんと描かれすぎてる気がします。

長くなりすぎたので最後にしますが、展示に以下のような抜粋がありました。

「私の学びとった少しばかりのものは、私が大画家と呼ぶ同時代の人たち――マチス、ドラン、ピカソ、ブラックといった人たちから教えられたものです。この人たちは私がここで引き合いに出すのをよろこばないでしょうが、じつはそうなのです。カルメンの歌にたとえてみるなら 《あなたは私を好かなくても、私はあなたが好き・・・》というわけです。」(大島辰雄訳)

夜の手帖/マリー・ローランサン

どんな気持ちで文章を書いたのかはわかりませんが、同時期を生きた画家たちのことが好きだったんですね。


私事ですが身内で風邪をひいた人がいます。コロナもインフルも流行ってますので体調に気を付けてくださいませ。では!

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