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「事実」とは何か|「事実ベース」の伝え方

フェスティナ・レンテ!Ryotaroです!
今回は「事実」とは何か|「事実ベース」の伝え方というテーマで記事を書きたいと思います!

なぜこのテーマにしたのかというと、先日SWCのコミュニティメンバーのnomaさんという方と、このことについてスタエフライブで小一時間くらいお話し(僕はテキストだけど)をしたのですね。

これを受けて、以前僕の別アカウントでこのことについて書いた記事を引用し、書き直した方がわかりやすいかもな、と思ったんです。なので、ちょっと書いていきたいと思います!

「事実」とは何か-世の中にある2種類の「事実」-

この世には実は2種類の「事実」が存在します。それが、「客観的事実」と「主観的事実」です。

「客観的事実」とは、誰の目から見ても明らかなこと。100人いたら100人が「確かにそうだ」と認識できることを言います。
例えば、

•今、雨が降っている

•部屋の照明がついている

•時計の針が12時30分を指している

などです。


「主観的事実」とは、自分の心の中に浮かんだこと。感想とか評価とかです。それが他の人に共感されるかどうかはさておき、自分がその感想を抱いたことは否定しようがないので、これも事実です。

例えば

•雨が降っていて不快だ。

•照明がまぶしい。

•時計を見て「寝なきゃ」と思う。

などです。

「事実」ではないこと

では、事実でないことは何か。それは、主観的事実なのに客観的事実のように表現してしまっていることです。

例えば

•雨が降っているからみんな機嫌が悪い。

•他の人は照明がまぶしいと思っていない。

•こんな時間なのでLINEグループの人たちはみんな寝てしまった。

などです。

具体例を出しつつ説明しましたが、よくわからない方もいるかな、と思います。
そうなんです、実は「客観的事実」「主観的事実」「事実でないこと」を分けて考えるのは案外難しいんです。

なので、ここから二つのワークを行って、この3つを整理する練習をしていきたいと思います。

「事実」を認識するためのワーク

その①
以下の、誰かの行動を記述した文を、「客観的事実」「主観的事実」「事実でないこと」に分けましょう。

ア:彼はいすに座っている。

イ:彼は仕事をサボっている。

ウ:彼からは仕事に対する熱意を感じない。


その②
下の画像の"D視点"から見た客観的事実はなんでしょう?

どうでしょうか。考え終わった人は記事をスクロールして答え合わせをしてください。





答え合わせ

その①

客観的事実•••ア.彼はいすに座っている。

主観的事実•••ウ.彼からは仕事に対する熱意を感じない。

事実でないこと•••イ.彼は仕事をサボっている。

その②
D視点から見た客観的事実•••Bが「A知ってるか?Cから聞いたんだけど、駅前においしいラーメン屋ができたらしいぜ」と言った。Aは無言。
以上です。正解していましたか?以下、解説です。

解説

その①

客観的事実•••彼はいすに座っている。
いすに座っているという状態は否定できないことですよね。

主観的事実•••彼からは仕事に対する熱意を感じない。
一体何を見て?とは思いますが、そう感じたならそうなんだな、と飲み込むしかない。もし否定したいなら「私はそうは思わないけど」という否定の仕方が好ましいですね。この辺の話をあとでします。

事実でないこと•••彼は仕事をサボっている。
一体何を見て?と、主観的事実と同じ疑問を抱きますが、大きく違うのは相手の行動を決めつけてしまっていることですね。これを事実ベースで表現するなら「彼は仕事をサボっているように、私には見える」と表現するのが望ましいですね。

その②
Bのことば•••「A知ってるか?Cから聞いたんだけど、駅前においしいラーメン屋ができたらしいぜ。」

ここから得られる情報は

•駅前にラーメン屋ができた、らしい

•そのラーメン屋はおいしい、らしい

•この話をBはCから聞いた、と言っている

•A知ってるか?と言っていることから、BはAに話しかけている、ように見える

の4点です。

ただ、どれも「らしい」「と言っている」「ように見える」だけで事実とは言えません。

もしかしたら、

•駅前にラーメン屋は、ないかもしれない

•ラーメン屋があったとしても、おいしくはないかもしれない

•BはCから、何も聞いていないかもしれない

ですよね。

「A知ってるか?」と言っていることからAに話しかけている可能性は高いですが、Aが無言のこともあって、断言はできない。(Aが「そうなんだー」と言ったのであれば話しかけた可能性は更に上がります)

で、AはBが話しているにも関わらず無言です。これを受けてAの行動を

•無視した

•無反応

としてしまうのは間違い。あるのは「無言」という事実だけです。

Bが「A知ってるか?」と前置きしてから話しているにも関わらず、Aは無言だった。もしかしたら聞こえなかったのかもしれないし、無視したのかもしれない。私には無視したように感じる。これが事実ベースの評価として正しい。

もしAに「さっきのは無視だったのか?それとも聞こえなかったのか?」を聞くとしたら

「さっきBが君に話しかけているように見えたんだけど、聞こえてた?駅前のラーメン屋の話だよ。」とかって聞いてあげるのが親切ですね。

「さっきBのこと無視してたでしょ。どうして?」みたいな聞き方は避けたい。
このような、「事実ベース」の伝え方、ではない伝え方をすると相手を不快な思いにさせてしまうことになりかねません。

なぜなら事実と違うので。

だから、相手に自分が捉えた情報を伝えるためには「事実ベース」の伝え方をしていくことがとても重要なんですね。

「事実ベース」の伝え方

まず、「事実ベースの伝え方」とはいったい何かという話をします。これは簡単に言うと「語尾に気をつけた話し方」です。

「〇〇さんが△△をした」と
「〇〇さんが△△をしそう」
の意味合いは全然違いますね。

日本語というのは語尾が大事な言語ですので、ここを間違えず正確な言葉で相手に伝えることが大事です。

当たり前のことを偉そうに述べてしまいましたが、語尾をおろそかにしてしまっている人は案外います。ただこれってすごく大事なことで、語尾をおろそかにしてしまうと「会話」は成立したとしても「コミュニケーション」は成立しないんです。

「会話」と「コミュニケーション」

「会話」とは

次に「会話」と「コミュニケーション」の違いについて確認します。この、似たような二つの言葉の違いはなんなのでしょう。

この辺りSWCのコミュニティメンバーであるワーパパCTOさんが記事にまとめてくれているので併せて読んで頂けたらと思います。すごくわかりやすくて面白い記事です!


まず、「会話」とは言葉のやりとりのことを指します。だから二人だったら二人が互いに言葉を放れば成立してしまいます。


例えば

A「今日寒いね」

B「昨日も寒かったよね」

A「昨日こたつ出しちゃった」

B「私も暖房つけちゃった」


このやりとりは成立しているように見えます。ただ、Aが初めに提示した「今日寒いね」の答えをBは言っていません。

Bが「昨日も寒かったよね」と言っていることから、Bの心の内には
(うん、そうだね。今日は寒いし)「昨日も寒かったよね」
という真意があるのかもしれない。または、
(そうかー。私は寒くないけどAさんは今日も寒いのかー。)「昨日も寒かったよね。」
という真意があるのかもしれない。

こうやって相手の心の内を察しながら会話はしていくのですが、この「察し」は本当に相手の心の内を察するというよりも、「相手は私に同調してくれているはず」というフィルターを通して察してしまうものです。

結果として相手の言葉を自分の都合のいいように解釈してしまい、「コミュニケーションのズレ」が生じてしまうのです。

「コミュニケーション」とは
では、コミュニケーションとは何かというと、それは「共有」です。自分と相手の間にある何かしらを指して、互いの「共有知」を獲得することがコミュニケーションです。


例えば

C「これって洋梨だよね?」

D「え、洋梨じゃなくてりんごじゃない?」

C「え、けど皮みどりだよ」

D「いや、皮がみどりの青りんごだよ」

C「あ、そうなん?」 

D「そっちじゃなくてこっちが洋梨だよ」

C「あ、ほんとだこっちが洋梨だ。てことはこれは青りんごか。洋梨のつもりで食ってたわ」

これはコミュニケーションが成立していますし、もちろん会話も成立しています。

CとDの間にある何かを指して、「洋梨か否か」という問いを二人で解決しました。こうして二人はその何かを「青りんご」と結論づけました。よかったですね。

たまたま、そこに果物博士のCがやってきて、、それは「青りんごじゃない!」と言うかもしれませんがそれはまた別のお話。

ここで大事なことは二人の間に「共有知」が生まれたことです。本当にそれが青りんごなのかはわからないけど、一旦そこに落ち着いた。これが大事なのです。

この共有知を生むのがコミュニケーションなのですが、「共有のない会話のやりとり」が巷には転がってしまっています。

先ほどの「今日寒いね」という問題提起から始まったAとBの間にはその問題提起についての「共有知」は生まれませんでした。残念ですね。

このコミュニケーションのズレを少なくするために、「事実ベースの伝え方」「語尾に気をつけた話し方」が大事なのです。

より具体的に

ここからは、事実ベースの伝え方をより具体的にみていきたいと思います。

ここまでをざっと振り返りますと、この世(あなたが見ている世界)には「客観的事実」と「主観的事実」があって、それを正しく認識・抽出することができたら、それを「事実でないこと」として表現することを避けて、正確に表現することが大事です、そのために語尾に気をつけましょう、という話でした。

では、具体的にどういう風に語尾に気をつけたらいいのか。

簡単なところから言うと、「見たこと」と「聞いたこと」を「同じ表現」で伝えることをやめる、という方法があります。

ではどう表現するのか。

目で見て入手した情報は「〇〇だったよ」
耳で聞いて入手した情報は「〇〇らしいよ」
と表現してください。

簡単ですね。これが一番簡単ですぐできる「事実ベースの伝え方」です。

これに、「情報源の情報」を加えると更に良いです。

ネットニュースを見て入手した情報は「ネットニュースに〇〇って書いてあったよ」と表現すればより事実ベースの伝え方になります。

職場の人から聞いた情報は「職場の人から聞いたんだけど、〇〇らしいよ」
と伝えればいいですね。

ここまではけっこう簡単です。ではもう少しレベルアップしましょう。次は、情報収集について。

事実ベースの情報収集

自分の目の前で起きたことについては、見たありのままが事実なので事実でないことを情報収集してしまうリスクは低いです。(客観的事実、主観的事実、事実でないことをきっちり整理できるなら)

一方で、人から聞いた話なんかは巡り巡って事実ではないことが自分のところにやってくるので「事実でないことを情報収集してしまう」リスクが高まります。

例えば先ほどの、「職場の人から聞いたんだけど、〇〇らしいよ」と、あなたが相手から言われた場合、あなたが返すべき言葉はこうです

「へー。そうなんだ。その職場の人はどうやってそれを知ったの?」

こう聞いた時に相手が「知らない」と言ったらその話にそれ以上の情報はありません。終了です。「へー」で終わりです。その情報は忘れてください。

反対に、「あー。その人はネットニュースに書いてあったって言ってたかな?」とか言ってきたら「あ、ネットニュースだったのね」と飲み込んでください。

このように情報収集をすることで、「〇〇らしい」という情報が「〇〇ということがネットニュースに書いてあるということを知人が職場の人から聞いたと言っている」という「事実」になります。

これが、事実ベースの情報収集の仕方です。なお、ネットニュースに書かれていることを事実として認定してはいけません。「〇〇ということがネットニュースに書いてある」というのが「事実」です。

まとめ

このようにして、常日頃から「事実とは何か」「事実ベースの伝え方」「事実ベースの情報収集」をクセづけていると、見たこと聞いたことの一つ一つにいちいち振る舞わされなくて済むので、心が穏やかになります。

また、事実ベースでやりとりをすることを心がけることで、目の前の相手とのコミュニケーションのズレを小さくできるので、その人との信頼関係が構築されていきます。

是非今回の内容を参考に、日々のコミュニケーションに活かしていただけたらと思います。

今回は以上です!
それでは、すろすろ、すろーす!

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