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2021年1月に読んだ本

今月読んだ本の、まとめ!

① ジャック・ロンドン「火を熾す」

Twitterで見かけて気になっていた短編集。

自然や人生の過酷さに立ち向かう、というテイストの話が多いけれど、奇抜な設定のSFじみた話もある。

ジャック・ロンドンは初めて読んだのだけれど、とくに前者の、「自然や人生の過酷さに立ち向かう」という立ち位置の作品群の印象が強烈。物語的なご都合主義など起こらない。死ぬときは当然のように死ぬし、凋落するときは当然のように凋落する。準備を怠って雪道を旅するとどうなるのか。誰かが偶然に通りかかったりなどしない。自然が強い。

② 澤村伊智「などらきの首」

「ぼぎわんが、来る」から始まるホラーシリーズの短編集。長編と同じく、伏線が張り巡らされた巧妙なプロットが魅力。

このシリーズの長編は最終的に「これホラー通り越して特撮では?」というスケールに怪奇現象が広がっていく傾向があるのだけれど、短編だとスケールが小さく収まっていて、いわゆる「怪談」の雰囲気が出ている。長編は長編で好きだけれど、短編は別の方向性で面白い。

収録作では「学校は死の匂い」がお気に入り。「雨の日だけ現れる幽霊」に対して「なぜ、雨の日だけなのか」が真相につながっていく謎解き要素のある恐怖が魅力。ポーの「黒猫」みたいに、何でもない音なんだけれど、その時その場所でその音がするのはすごく怖い、というラストシーンも印象的。

③ 中村元「原始仏典」

仏教を元ネタにしたフィクションは割とあるので、一度仏教について知っておきたい。解説書よりは原典に近いもの(キリスト教で言う聖書みたいな)が読みたいんだけど、そもそも仏教の「原典」ってなに? と思っていたときに見かけて手にとった本。

パーリ語やサンスクリット語の古い経典の翻訳をもとに、初期の仏教について解説される。輪廻転生の思想、のような形而上的な話が少なく、あくまで「現世でどう生きるか」に重点が置かれているのが意外。著者自身がインドを訪ねた経験から、このたとえ話はこういう意味、と解説してくれるのも嬉しい。

④ 加藤ただし「つくる電子回路」

昨年少し電子工作に手を出したのだけど、キットの手順書通りに部品を嵌めていくだけでは味気ないな... と思っていたときに見つけて購入。

紹介されている電子回路はひとつだけ(無安定マルチバイブレータ)で、それを作るための部品の選び方や工具の使い方がじっくり説明される。

しばらく触ってなかったけど、電子工作ももう一度挑戦したいな...


以上、今月の読書でした。

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