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2022年3月に読んだ本

今月読んだ本の、まとめ!

① アンディ・ウィアー「アルテミス」

火星に一人取り残された主人公のサバイバルを描いた「火星の人」の作者による、月面都市を舞台にした冒険劇。

月は火星よりも地球に近いので、良くも悪くも地球の様々な勢力の影響下にあるのが面白いところ。主人公が地球・月面間の密輸ビジネスをしていたり、西部劇の「暴力保安官」的な人が治安を守っていたりと、開拓地ならではのグレーゾーンな側面もちらほら。

地球では湯水のように使い捨てられる物質が非常に貴重だったり、真空・低重力環境の思わぬ物理現象に困惑したりと、緻密な考察に基づく月面環境や月面都市のリアリティあふれる描写に圧倒される作品でした。

② 劉慈欣「円」

「三体」の作者によるSF短編集。炭鉱労働の話だったり、宇宙戦争の話だったり歴史ものだったりと分野は様々だけれど、「奇抜なアイデアを大真面目に扱い、それを壮大なスケールで展開する」というSFの楽しさに溢れた短編集でした。

収録作では「月の光」がお気に入り。詳しくはネタバレになってしまうので伏せるけれど、実際に「起こった出来事」ではなく「起こらない出来事」を想像することができるのも、SFの素敵なところ。

③ 紀田順一郎 編「謎の物語」

作中で提示された謎が明かされないまま終わる、リドル・ストーリーを集めた短編集。

有名な「女か虎か」の他、O・ヘンリー、サキ、ブッツァーティ等、有名作家による様々な作品を収録。明かされなかった謎に対して、作者自身や別な作家が続編を書いていたりするのも面白いところ。続編で謎が解決することもあれば、また謎が増えたりすることも。

④ 宮島咲「ダムマニア」

全国の様々なダムを訪れてきた作者が、ダムの基礎知識と魅力を紹介してくれる本。

表紙に惹かれて衝動買いしてしまった本なのだけれど、本文中でも迫力満点のダム写真が多数掲載されていました。近くのダムについて調べて見学に行ってみたい… と思わせられる本でした。


以上、今月の読書でした!

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