もやぞう@理学療法士

急性期(人工関節)→整形外科クリニック/分かりやすく✌︎

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最近の記事

動機づけ-自主トレを継続してもらうためには?-

こんな場面あるよね…介入中に自主トレを促す。 1週間後、自主トレが継続できていない。 この場合、患者様の動機づけ(モチベーション)が低いように思える。 だが、患者様のせいにするのではなく、運動の提示の仕方であったり、運動の重要性をきちんと説明できていただろうか。 今回はこの動機づけに対して、概要とセラピストがアプローチできることをお伝えする。 概要自己決定理論に基づき、大きく3つに分類されている。(1) 内発的動機づけは内部に存在し、外発的動機づけは外部から影響され

    • 階段昇降に必要な膝屈曲可動域

      蹴上高ごとの膝屈曲可動域おおよその参考可動域はこちら。 昇段よりも降段に大きな可動域を必要としていることが分かる。 TKA後では、屈曲105°はマストで獲得し、25cmの階段は昇降できるようにしておきたい。 可動域だけじゃダメ特に降段は、動作獲得に時間がかかる。 大腿四頭筋の遠心性収縮パターンや他関節との協調運動が破綻している場合、降段動作の安定性を獲得することが難しくなる。 遠心性膝関節伸展モーメントを再現できるようにしよう! まとめ参考資料関連note👇

      • 夜間痛-上腕骨内圧の上昇-

        夜間痛の原因肩の夜間痛の原因は、「肩峰下圧の上昇」と「上腕骨内圧の上昇」の2つが関係していると考えられている。 今回は、「上腕骨内圧の上昇」についてまとめる。 夜間痛の報告吉田らは、夜間痛に関連する因子について報告した。 骨内圧が上昇する仕組み上腕骨内圧の上昇について理解するためには、「血管の構造」と「骨内の血流」について知る必要がある。 血管の構造 動脈と静脈の中膜の厚さについて比較する。 動脈の中膜は厚いので、外部からの圧迫を受けにくい。 一方、静脈の中膜は

        • 夜間痛-肩峰下圧の上昇-

          夜間痛の原因肩の夜間痛の原因は、「肩峰下圧の上昇」と「上腕骨内圧の上昇」の2つが関係していると考えられている。 今回は、「肩峰下圧の上昇」についてまとめる。 肩峰下圧が上昇する要因肩峰下圧が上昇する要因として、以下が挙げられる。 林らは、夜間痛群と非夜間痛群の肩関節可動域を比較した。 夜間痛群では、これらの腱板疎部を構成する肩上方支持組織が影響を受けやすいことが分かる。 そして、肩甲骨の下方回旋で代償することで、肩上方支持組織を弛緩している。 炎症期のポジショニ

        動機づけ-自主トレを継続してもらうためには?-

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        • 動作分析に必要な力学的知識
          5本

        記事

          感度と特異度-整形外科テストの本質を理解する-

          「完全な検査」は存在しない整形外科テストには同じ目的の検査が複数存在する。 なぜなら、病態を100%正しく判別できる「完全な検査」は存在しないからである。精度を高めるために複数の検査を用いる場合があるが、検査ごとに感度と特異度が示されている。 感度と特異度を理解することは、複数の検査を別の検査と併せて実施する際に必要な知識である。 感度と特異度の表現ざっくりと表現 感度特異度例(整形外科テスト)まとめ参考資料

          感度と特異度-整形外科テストの本質を理解する-

          結帯動作-肩甲骨動態と筋活動-

          文献紹介今回の参考文献はこちら💁‍♂️ 文献要約結果 まとめ

          結帯動作-肩甲骨動態と筋活動-

          肩回旋可動域の評価-各肢位の回旋時に伸張される軟部組織-

          肩回旋可動域の制限因子を絞り込む特に肩回旋可動域では、1st〜3rdの各肢位により筋作用が変化するため、伸張による軟部組織の制限因子を絞り込むのは難しい。 これから紹介するスクリーニングは、肩関節拘縮の評価を行う際に覚えておくと臨床に活用できるため、2STEPに分けて解説する。 ※3rdは、2ndから90°水平屈曲した肢位とよぶため注意。 ①4象限に当てはめる各肢位の可動域制限が前後・上下のどこに当てはまるのか定める。 ②伸張される軟部組織を把握する上記の4象限の枠に

          肩回旋可動域の評価-各肢位の回旋時に伸張される軟部組織-

          慣性モーメント-走る時に肘を曲げる理由-

          文献紹介こちらの文献を参考に、複数に分けて解説! 今回は、慣性モーメントについて💁‍♂️ トルクの前提知識トルクが分からない人はこちらを参考に! 慣性モーメントについて定義 公式 図に表してみる例走る時に肘を屈曲する理由を考えてみる。 慣性モーメントから考えてみると・・・ このように、上肢の重心位置を支点である肩関節に近づけることで、レバーアームが短くなり慣性モーメントが小さくなる。=腕が振りやすくなる。 スイング期の股・膝屈曲にも同様のことが言える。 まとめ

          慣性モーメント-走る時に肘を曲げる理由-

          反力-作用・反作用の法則を理解する-

          文献紹介こちらの文献を参考に、複数に分けて解説! 今回は、反力について💁‍♂️ トルクの前提知識トルクが分からない人はこちらを参考に! 反力について反力は、作用・反作用の法則に基づいている。 定義(作用・反作用の法則) 歩行における反力足底接地にかけて、身体重心の前方への慣性や立脚下肢への荷重量が増加するため、踵接地期と比較して地面反力はさらに大きくなる。 まとめ

          反力-作用・反作用の法則を理解する-

          慣性力-遊脚期は受動的に導かれる-

          文献紹介こちらの文献を参考に、複数に分けて解説! 今回は、慣性力について💁‍♂️ トルクの前提知識トルクが分からない人はこちらを参考に! 慣性力について定義 トルク式に当てはめる 歩行における慣性力例として、歩行遊脚期の膝の動きについて述べる。 ISw (上記図の左参照) TSw (上記図の右参照)

          慣性力-遊脚期は受動的に導かれる-

          重力-重心線と関節位置を理解する-

          文献紹介こちらの文献を参考に、複数に分けて解説! 今回は、重力について💁‍♂️ トルクの前提知識トルクが分からない人はこちらを参考に! 重力について定義 重心の位置 動作観察足背屈制限を有するものと有さないものの立ち上がり動作で、殿部離床直後の一場面における膝関節トルクの違いについて考えてみる。 重心線と関節位置の把握により、発揮される筋張力によるトルクを推察することができ、機能障害との関係について考察することができる。 代償動作は悪いこと?足背屈制限や脊柱円背

          重力-重心線と関節位置を理解する-

          力学的負荷とトルク-関節を“回転”として捉える-

          文献紹介こちらの文献を参考に、複数に分けて解説! 今回は、力学的負荷とトルクについて💁‍♂️ はじめにヒトの「運動」と「動作」には、力学的法則が基づいている。 そのため、機能解剖学などの知識を応用する前段階として力学的知識を把握しておく必要がある。 力学的負荷アライメントの観察により骨関節に生じる力学的負荷を推測することができ、機能障害との関わりについて考察していく手がかりになる。 トルク第3のてこ 人体の多くの関節、特に四肢の動作では第三のてこが利用されている。

          力学的負荷とトルク-関節を“回転”として捉える-

          股関節累積負荷-変形性股関節症の進行予防-

          股関節累積負荷とは股関節累積負荷と変形性股関節症の関連性股関節負荷アプローチ 活動量アプローチ まとめ

          股関節累積負荷-変形性股関節症の進行予防-

          physical stress theory -物理的ストレスに対する組織の反応-

          physical stress theoryとは文献紹介今回の参考文献はこちら💁‍♂️ 文献要約身体に加わるストレスに関連する複合的指標 例えば、関節に加わるストレスの大きさが小さいものでも、それが長時間、頻回に加わると、関節にとっては大きなストレスとなる。また、ストレスの種類によっても組織の反応が異なる。 物理的ストレスが組織の適応に与える影響 適度なストレスにより組織の形態や機能は維持される。 ストレスレベルが高すぎても低すぎても組織にとって負の影響が生じる。

          physical stress theory -物理的ストレスに対する組織の反応-

          gate control theory

          脛をぶつけたらどうする?脛をぶつけたら無意識に手で脛をさするであろう。 これこそがgate control theoryである。 機序末梢神経の分類からでも分かることがある。 触圧覚は温痛覚よりも直径が太く、伝導速度が速い。 そのため、脳は触圧覚の電気信号をキャッチしやすい。 修正版修正された点👇 修正されたものの、否定的な実験事実のため科学的価値は低いとされている。しかし、その後の痛み研究や治療を飛躍的に発展させた功績は大きい。 まとめ単にモミモミするより、やるこ

          腸脛靭帯遠位部の繊維構築と大腿ー膝外側支持機構との関連性

          文献紹介今回の参考文献はこちら💁‍♂️ 腸脛靭帯の解剖学的特徴文献要約

          腸脛靭帯遠位部の繊維構築と大腿ー膝外側支持機構との関連性