パーパス・マネジメント を読んだ

会社がうまくいくには事業とカルチャーの両輪がうまく回ることが重要、事業においても事業をやっていくのは人間の集まった組織になのでカルチャーは重要。カルチャーの形成はMVVを決めて自分たちの在り方を言語化することで進めていける。
というのが、

を読んでわかった。
パーパス・マネジメントの帯を見ると「ミッション・ビジョンはもう古い。一番大事なのはパーパス」なんて書いてあった。
なるほど、それは興味深い。というわけで読んだ。

パーパス(PURPOSE)とは

その会社の存在意義のことを言う。「ティール組織」にでてくる新しい組織のあり方を探す出発点になる問いでもあるという。

会社のミッション(やビジョン)とはどう違うの?というと、ミッション以上に本質的で根源的な存在意義を追求する必要がある。と著者の人は考えている。
ミッションを掲げている会社はいくつもあるが、そのミッションが個人の「自分ごと」になっているのか?という疑問を本で投げかけてきた。
たしかに、自分は今の会社のミッションは残念ながら「自分ごと」になっていない。
ミッションは未来の会社が目指す先を指す故に個人の捉えようがぼんやりしてしまうという。
これに対してパーパスを明確にすることで、会社の存在意義が個人の存在意義と合致する点を見出すことができる。パーパスは未来の目指す先ではなく「今、未来」を含む存在意義なので合致することで個人は自分ごととして捉えられるのだろうか。

幸せ

本の中でパーパスを語る上で重要な要素になっているのが「幸せ」だ。
社員が幸せにいきいきと働くと、会社の業績は間違いなく上がるという。この現象は研究され実証が進んでいるらしい。
本の中で紹介されている項目を見ると、明らかに社員には幸福に働いてもらったほうがいいのがわかった。

幸福と一緒に出てくるワードが「満足」で、満足を測る「従業員満足度」なんかが良くても社員は高いパフォーマンスを発揮していない場合もあるという。こう言う場合「仕事が楽だけどお給料がいい。」状態で嬉しいだけ。なんか考えられると言う。
そこで、幸福は満足より上位の概念と言えるかもしれない。としている。
たしかに自分としてもわかる。「給与はいいけど、やりがいないな。」と思う瞬間をよく知っているので想像に容易だった。

幸福はポジティブシンキングとは違う。というところもなかなか気になった。
元は「幸福優位7つの法則」なる本にあることらしいが、「何事も前向き。」みたいな気の持ちようではない。という。
下の本にでてくる「幸福」は自己啓発でなく、心理学という科学的なアプローチを伴って研究されてきたという。
「幸福」とかいうとまさに「気持ちの持ちよう。」を押し付けてくる本が多いので科学的なアプローチから情報が得られるのは非常に興味深い。

個人のパーパスを探し出す

パーパスは組織にだけあればいいってもんじゃない。
個人にもあって、組織と重なる点が多いと個人が幸せになれる確率が上がるという。
組織にだけパーパスがあるのじゃ結局ミッションのように「他人事」になることもあるのだろう。

幸せになるには個人も「自分をよく知る」という努力は必要なのだ。
「自分をよく知る」というのは難しくて人の助けや本の助けがないと永遠と考えが続くこともあるだろう。
まあ、そんなときはFIND YOUR WHYを手に取ってみるといいのかもしれない。

CHOという経営職

CHO(Chief Happiness Officer)は社員の幸せを追い求めるために指標を立て組織リードし組織環境をデザインすることが求められると言う。
なぜ経営職であることを推すかというと、CFO、 CTOなんかが請負ファイナンスや技術と同じくらい「幸せ」が重要であり、CEOやCOOが兼務するにはなかなか大変故だ。

パーパスがMVV以上に重要であるなら確かにCHOという経営職の人がいて、リードしていってくれることには非常に心強いと思う。
社員が幸せになるためにサポートが経営職レベルのリードで会社からあるというのは、非常に強いメッセージ性があるのではないかと思う。
そとから見ると「あそこの会社は本気で社員の幸せに取り組んでそうだ。」と思うのではないだろうか。

総じて

社員の幸せが研究された上で生産性に寄与するという情報が得られたのは非常に良い。
会社と社員は「冷たいギブアンドテイク」じゃなくてもっと相互に良い影響を及ぼし合う関係性を築けるはずだろう。

兎にも角にも、まず自分自身のパーパスを探す必要がある。「自分を知る」というのは非常に難しく感じていて、そこに難しさを感じるからこそ自分は「会社での目標設定」が苦手なんだとわかる。
自分のパーパスを知り、会社のパーパスと重なる点がわかる。そこから「会社での目標設定」がようやくうまく回るのだろう。

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