ITエンジニア採用とマネジメントのすべて を読んだ

なんだかんだ採用に取り組むこと多いけど、本を読んで知識を蓄えたことなかったなーと思ったので手に取った。
ITエンジニアの採用事情は他の職種と乖離があると感じているので、ITエンジニア用の本をチョイスしてみた。

求職者として読んでみて

残念ながら自分は自分自身の転職の場数をよくこなしているので、振り返ってみるとあーそういうことだったのか!という気づきがあって面白かった。

オフィスアピール

Webページ映えしてアピールでき、働くイメージが持ちやすいようなオフィスの画像が○ということだった。
たしかに綺麗目なオフィスの方が好感を持ちやすいと自分も思う。小さくて狭くても綺麗にしているのは大事だよね。
一方でここ最近のリモートワーク の普及でオフィス代が「ただの高い土地代」になっている事実も挙げていて耳が痛い人もいるだろうと思った。

アピールポイントはギャップにつながりうる

  • 人を引きつけるようなエンジニアがいる

  • 新規事業をチラつかせる

  • 福利厚生でアピール

など、こんなことアピールできるよ!ということを本では紹介している。
本にも書いてあるがアピールできるポイントは、そのアピールポイントごとにギャップやミスマッチを生みかねないポイントもあることを本では正直に書いてあり、かつどう気をつけるべきか?と書いてある。
この辺りを求職者として読んでみて、「言っていることを鵜呑みにするのはXXXなリスクがあることも意識しておくんだぞ」と伝えてくれているようで非常によかった。

採用資料

スライド、動画、エントランスブックなどなどいろいろな紹介がされていて、メリットやポイントが書かれていて「採用に力を入れている会社は全部やっている場合もあるな。」と思った。
個人的には最近、音声コンテンツの体験が非常によかったので載ってなくて意外だった。音声コンテンツが利用されだしたのは本当に最近なのだろうか?

音声は個人的には動画より気軽に再生できるので非常に気に入っている。
動画だとYouTubeに課金していないのでスマホのバックグラウンドで再生できない。動画故に映像も見る必要があってとりあえず流してみる。がやりづらい。
一方音声ならとりあえず流してみる。がやりやすい。移動中でも情報が得られる。
とはいえ、音声は視覚情報に頼らず情報を伝えるというハードなことをする必要があるので、発信側の苦労が効果と見合うのかわからない。

採用業務をする側として読んでみて

当然採用業務をする側としても新しい考え方を得られることは多かった。

正社員か業務委託か

「言われたものだけを実装するのであれば、業務委託やフリーランスで問題ありません。」というフレーズから始まる文章があるのだが、確かになーと納得した。
正社員で採用するというのはお願いしたものを実装してくれる機能を会社に入れたいから。というモチベーションだけでは採用する側、される側双方不幸になるのが体感でわかる。
一方で正社員が欲しいが、激化する採用競争のなかで正社員を取るのは難しいので業務委託として参加してもらうエンジニアが多い。という会社もよく見る。こういった会社は「本当は正社員も欲しいし、そのために色々整えてありますよ!」というメッセージと実情が伴っていないと、正社員で採用されたいモチベーションがある人材にスルーされてしまうのではないかと思った。

人材紹介会社の活用

紹介フィーの高さにビビる。
そこまでエンジニア採用の難易度は高いということがわかる。
「値切らない」「認識合わせをする」といったポイントが紹介されていた。
「認識合わせをする」はできているところと、できてないところで大きく差がでるだろうな…とわかった。

そもそも、人材紹介会社に求めている「人物像」「スキル」なんかが共有できないようなら候補者の人は採用したい企業に直接スカウトされたところで「私はなぜスカウトされたのだ?」とよくわからないことになりそうだ。

目を引く経歴とスキルシートに書かれた内容程度で窺えてしまう情報だけをもとに人材紹介会社を利用していたら自分でチェックしてスカウト送るのと変わりはないだろう。テンプレートのスカウト文と経歴、スキルシートを判定するスクリプトを書いてスカウトを自動化できてしまいそうだな!

全体的に

本のタイトルにすべてとあるだけあって採用に関わる全ての事象を紹介しているような気がする。
スカウトや応募といったエントリーから退職まで網羅的に書かれているのに加えて最後の方には採用にどんな未来が来そうか?まで書いてある。
網羅的ではあるが、それぞれの項目に深く突っ込んでいくようなところは多くない。というか、深く突っ込んでいくと会社ごとに様々な課題やポイントがあって拾い切れないのだろう。
すべてのことをスーっと拾えるので、読みやすい本だと思える。

今採用業務に関わっていなくても、これからやります!って人にオススメ。
これから転職を考えてみようと思う。って人にもオススメ。


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