カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方 を読んだ

カルチャー大事やんなー。というのは労働者としてわかっている。それは自分の経験からわかり、自分の言葉でそれを説明できるがあくまで「自分がそう思っている」にとどまっている。
体系的知識をインプットしたことはないのでこの本を読んでカルチャーのなんたるやを得るのだ。

カルチャーの重要性

自分の認識だと採用活動とその後のEX(Employee Experience)に強く影響する故に重要だという一側面だけの認識だった。
本では企業ブランディングやビジネス上の意思決定のスピードにも強く影響する。ということを語っていた。

もっとも影響するのは認識通り採用活動だった。そこに影響する1要素として企業ブランディングは理解が容易い。
一方ビジネス上の意思決定のスピードに強く影響する。というのは理屈としてわかるが自分で体感をしたことがない。

カルチャーは事業にも、事業をやる組織にも影響する。とまじまじと突きつけられるとその重要性がよくわかり、「経営戦略である」という主張に理解ができる。
人数がそう多くないスタートアップやベンチャーでもMVVを採用ページに大きい見出しでだすことへの合点がいく。

ビジネスとカルチャー両輪を回す

ビジネスを推進するのは人間で、組織なのでカルチャーが大事なのだ。というわけだった。
字面だけみると、「ビジネスよりカルチャー」とも捉えられかねないがあくまでビジネスが大事なのを前提にしている。
ビジネスが上手くいかなきゃ元も子もないのだ。なので両輪なのだ。

バリューで重要なのは「何を捨てているか」

バリュー設定の際は何でもかんでも「重要」と思ってしまい総花的なバリューを定義してしまうことがあるという。
たしかに「総花的」だと、結局意思決定のスピードへの手助けをまるでしないよね。
むしろ「総花的」であるとバリューへの個々人の「解釈」が絡み合って意思決定のための意見がまるでまとまらなくなりそうだ。

「捨てる」をテーマにしたセクションの末尾のほうで下のように核心をついた記載があってアツい。

つまり、総花的で耳触りのいいバリューを設定しても、判断軸として機能しないため、組織においてバリューが意味を成さないこととなります。

唐澤俊輔. カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.706-707). Kindle 版.

カルチャーの言語化、可視化

「言語化」のためのワークショップなど取り組みがなんであろうとボトムアップ型で進めるには会社全体を巻き込むことが欠かせない。という。
ボトムアップでもトップダウンでも全員が自分ごととして考えられるような取り組みであったほうがよく、それは言語化のプロセスそのものが「カルチャー理解を深める取り組み。」になるというわけだった。

言語化や可視化とカルチャーを表現する方法はいくらでもあれど、方法その物に唯一の答えはないという。
答えはないが取り組みの中で以下のような状態になれば「カルチャーを意図的に構築する」ことができたと言える。

そして社員一人ひとりが自分たちの言葉で自社のカルチャーを語れるようになったとき、カルチャーを意図的に構築することができたと言えるでしょう。

唐澤俊輔. カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2091-2092). Kindle 版.

MVVの宣言がプロトコルだとしてカルチャーがメンバー各々の中で実装されたらいいよね。
逆にMVVの宣言があってもメンバーの各々の中に実装がなければ浸透しているとは言い難いんだな。

全体通して

今までの自分にない視点でカルチャーの重要性とその浸透についてわかった。
とくに浸透に関しては今まで、「浸透させる」という行為に対して懐疑的だったが「浸透させようとする」モチベーションが大いにわかったのと、「浸透させる」ことは可能そうだと思えた。

読んでて色々思うことはあるんだけど、ブログには書きづらいので心の底に止めておこうと思った。

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