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戻りたいと思える過去が1日もない

自分が過去に書いた文章を全て消してしまいたくなるときがある。今を形成するものがこの世に残っていることが恥ずかしい。たまに読み返して、青いなとか、昔の方が大人だったかもとか、ネガティブな感情に陥るのを恐れている。過去は消えないし、消せない。それが万国共通の事実で、抗いようのない運命。

書いた記事を消したとて、書いたという事実は絶対に消えない。消した罪に脳内を支配されるし、心機一転もその場凌ぎしかできない。ふとした瞬間に書いたという事実が走馬灯のようにブワッと蘇ってくるのがオチだ。だったら書かなければいい。それもわかる。だが、現状を整理するための一番有効な手段が書くなのでやめられない。


ずっと文章を書き続けているのは、自分の言葉をうまく相手に伝えられないから。毎日文章を書いているんだし、コミュニケーション能力もばっちりでしょうと言われたことが何度もある。全然そんなことない。むしろ逆だ。コミュニケーションでうまくいったと思ったことがない。誰かと会うたびに、あそこはもっと広げられたでしょとか、余計な一言を言ってしまったとか、1人反省会を開催しているぐらいだ。こういうときは決まって視野が狭くなる。いいところは見つからず、悪いところしか思い浮かばない。人間と暮らすのに向いていないような気がする。みんなならもっとうまくやれるはず。でも、僕は一向にコミュニケーションがうまくならない。生まれ持った才能がないため、ないものを磨こうと努力しても意味がないのかもしれない。ボロが出るのをずっと恐れている。自分の意志とは関係のない傷つけない言葉ばかりを選ぶ。それすらも間違っている時もあって、こうなるともう八方塞がりだ。

踏み込んだ話の出しどころをずっと考えている。自己開示をしなければ相手もしてくれないと何かの本で書いてあった。つまりは自己開示をしていないから踏み込んだ関係になれないのかもしれない。相手に委ねるコミュニケーションはただの甘えである。それは相手の優しさによって成り立つ。ずっと他人の優しさに甘え続けてきたから、大人になってそれが浮き彫りになった。

SNSで見かける自分は楽しそうな生活をしているらしい。それは仮染めの姿で、楽しいしか出していないというのが事実である。弱音を吐いてもいいと言われた。だが、弱音は相手の時間を奪うという感覚があるため、なかなか吐き出せない。そういうところが弱いんだと思う。他人の目ばかりを気にして、勝手に身動きが取れなくなっている。ダサい、あまりにもダサい。

ふとした時に全てを投げ出して何処かに消えてしまいたい衝動に駆られる。自分を知らない人がいる場所、もしくは誰も人間がいない場所、そういう場所がいい。ロールモデルを決めた方がいいと言われた。でもずっと見つからない。いや、誰かになりたいわけではないってのが事実だ。そもそも人間は自分以外の人間にはなれない。近づこうとしたとしても、本人になれるわけでもない。

日々、泣き出したい気持ちを抑えて生きている。弱い自分を出したところで世界は変わらない。悲劇のヒロインにはなりたくないし、慰めてほしいわけでもない。むしろ逆だ。慰められたくない。同情は何を生み出すのだろう。傷の舐め合いの成れの果てで、その傷はきちんと癒えるのだろうか。どんな問題も最後は自分の力で乗り越えなくちゃならない。そのためにはうまく孤独を飼い慣らす必要がある。人間は生まれた時から死ぬまでずっと孤独だ。本心は自分以外にはわからないし、思ってもないことも簡単に言葉にしてしまえる。それがたとえ仮染めの姿だったとしても、誰かと共に生きていくには必要な場合もある。

人間の音楽の価値観は18歳までに聞いた音楽で形成されるとどこかで聞いた。当時聞いていた音楽を聞くと思い出が蘇ってくる。楽しいや悲しい、怒りや憎しみ、色々な感情が溢れ出す。だが、不思議と当時に戻りたいとは思えなくて、それが嬉しいか、悲しいのかはわからない。当時よりもたくさんの失敗を積み重ねてきたと同時に成長した部分もあるのだろう。過去に聞いてきた音楽は今も好きなままだけれど、まだ大人になりきれていない自分がいる事実がギュッと胸を締め付ける。

これまでに書いた過去は他人にはどんな風に映っているのだろうか。綺麗なものだったら嬉しいし、醜いものだったら泣ける。まあ、他人の評価が自分の価値を決めるわけでもないし、なんでもいいか。そうやって前向きに割り切って人間社会を生き延びていく方法を知らない。人は生まれてから死ぬまでずっと孤独だ。芯の奥まで誰かと分かり合えるわけでもない。誰もが折り合いをつけながら生きている。自らの手で折った何かが自分の首を絞めてしまいませんように。これまでに過ごしてきた日々が今の自分を形成している。だが、悲しきかな、戻りたいと思える過去がたったの1日もない。

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