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【IR分析】㈱コメダホールディングス 2023年2月通期決算

今回は、コメダ珈琲所をチェーン運営する㈱コメダホールディングスのIRを分析していきます。

・会社概要

CEO:甘利 祐一
資本金:639百万円
創業:1968年
設立:2014年
決算月:2月

・サービス概要

コメダ珈琲所を全国チェーンで運営している。国内に950店舗、海外に37店舗展開しているが、その99%がフランチャイズ店(FC店)である。
実はコメダは卸売業であり、飲食業じゃないの?と疑問に思われる方も多いのではないだろうか。
その理由は、売上の7割はFC店への卸売りによるものだからだ。
コメダHDの売上は、「直営店の売上、FC店へのコーヒーやフードの卸売、FC店のロイヤリティー(席数×1,500円/月)」で構成されている。
通常の飲食業界のFC店のロイヤリティーは売上の10%程度なのに比べると、コメダのロイヤリティーがかなり安いのがわかる。

・今期実績と成長要因


㈱コメダHD 2023年2月期決算短信より

飲食業として多店舗展開していながら食材卸である強みを決算書から探っていく。
FC店で提供される食材は、コメダHDの本部から仕入れているため、店舗が増えれば増えるほど食材が売れて、売上が増加するビジネスモデルになっている。2023年2月期で31店舗増えたコメダHDの年商(売上収益)は378億円と前年より113%成長している。また、卸売業のため原価率65%と飲食業の平均30%~40%と比べて高いが、固定費率が14%ととても低く、営業利益率が21%という飲食業界では驚異的な数値となっている。

同じコーヒーチェーンのドトールHDと比較してみると、その差は歴然。


年商で比較するとドトールHDは3倍以上多いが、営業利益は2倍以上少ない。この差が生まれる要因は直営店にかかる固定費だ。飲食業界のコストについて考える際に重要なのがFLRと言われている。「食材(Food)、人件費(Labor)、賃借料(Rent)」の略だ。直営店が多いと、本部で負担する人件費と賃借料も増える。ドトールHDの店舗は69%がFC店なのに対して、コメダHDは99%がFC店なので、ドトールHDは固定費含まれる人件費と賃借料のコストが高いため、営業利益にこれだけの差が生まれている。

飲食業界の平均営業利益率は5-8%なのに対して、コメダHDは21%という数字をたたき出しているので、業界全体で見ても売上に対して利益の残り方が群を抜いている。この数字に貢献しているのが、ほかでもない食材の卸なのだ。

・さいごに

今回はコメダホールディングスの卸売業である強みについて分析しました。
特徴的なビジネスモデルで高収益を残す仕組みは理解できましたが、はやりFC店がしっかり集客できていなければ卸売りの売上は増えないので、商品力、店舗の空間づくりなども徹底されているのだろうと感じました。

今後も皆様の役に立つ情報を発信していきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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