戸山祭映画コラム③撮影機材あれこれ
撮影機材はそれぞれの役割や特徴を上手く抑えながら選ぶと映画制作に役立ちます。というわけで機材ごとに映画向きの機材とは何かご紹介します。
・カメラ
映画に使うカメラって何がいいか?という質問がよくありますが、ぶっちゃけ使いこなせればなんでもいいと思います。もちろん一眼レフといろんな種類のレンズがあれば表現の幅は広がりますが、それを使いこなせますか?って話になるんですよね。そこんとこ書いていきます。
一眼レフ、ミラーレス
一眼レフのいいところは、表現の幅が広いことです。多彩なレンズを各メーカーが売り出しているので、やりたいと思ったことは金さえあれば何でも表現できます。こんな感じにピンボケしたり、
望遠で抜いたり、(圧縮効果)
一瞬を切り取ったり。
まあ金があれば何でもできます。スマホや一般的なビデオカメラでは坂だししてもできないような表現ができるわけです。また、上位機種は暗所撮影に強いため、ノイズの少ない美しい動画もとれます。
もちろん、一眼レフには欠点というか。扱いづらさがあり、いざ現場で撮影をするといろいろと不満が出てきました。
一つ目。(物理的に)重い。持ち運びが面倒です。
二つ目。ファイルが重い。数十分撮ると32GBのSDカードが容量いっぱいになります。持ち帰った後のパソコンのストレージも圧迫します。編集も妙に重いです。
三つ目。そもそも難易度が高い。たいていの人は撮影知識を持ってはいませんし、操作勘、撮影勘がないのでいきなり一眼レフを使って撮影をするのは無理でしょう。設定もいろいろいじらないといけないので、扱いに慣れるのに時間がかかります。
四つ目。貧弱な手振れ補正効果。一眼レフって動画撮影のために設計されてないので手振れ補正効果がないに等しいです。要するに三脚で固定しながらの撮影が中心になりますし、もし歩きながら撮影したいなら数万円するスタビライザーを買ったり、動画編集の段階で手振れ補正をかける必要があります。
5つ目。すぐに切れるバッテリー。30分撮影をするとSDカードの容量がいっぱいになるころに電池が切れます。それに対して撮影クルーまでキレるという事態を起こしかねません。
ほかにもいろいろ文句がありますが、要するに画は映える代わりにくそめんどいという認識で構わないです。ですが、正しい知識や技術があれば最強の機材に化けますので、めんどくささと辛抱強く向き合えるならやる価値はあると思います。
ビデオカメラ
こんな感じのやつ。
こちらは動画撮影に特化した機材になっているので、手振れ補正もよく効きますし、電池の持ちはいいし、物理的にもストレージ的にも軽いので非常に扱いやすいです。また、ズームの倍率が大きいため、望遠の画を撮れるのもストロングポイント。
最近はビデオカメラが売れなくなったため、いまいち投資していないせいか、若干画質の劣るところではありますが、それでも最近の機種は昼間の撮影ならストレスのない画質に仕上がると思います。扱いやすさから撮影もストレスが少ないです。
スマホカメラ
個人的にはこれでよくね?と思います。
iPhone10以降のカメラは本当に素晴らしく、例のタピオカメラならいよいよ広角撮影やちょっとした望遠撮影ができるようになりました。長年のスマホカメラの課題であった望遠性能の弱さを克服してしてしまったわけです。上位機種であれば画質もAIが勝手に補正してくれます。軽いし、バッテリー持つし、手振れ補正は強力だし。もうこれでいいんじゃないですかね?むしろ(あくまでこだわりがない限りは)一眼やビデオカメラを使う理由が見当たらなくなってしまうほど進化してしまったのがスマホカメラなのです。(ゆえにデジカメ業界は完全に壊滅したわけで。)
さらにスタビライザーといった周辺の撮影機材が安価で充実している点も強いです。地面すれすれのアングルから頭上から見下ろすアングルもこれで簡単にできてしまうわけです。
一つだけ欠点を上げるとすれば、収音性能にやや不満があることでしょうか。とはいえ遠くからのカットもアテレコすればばれないうえに編集段階でSEやBGM入れればばれないですし、これも問題ないでしょう。
スマホカメラ(ただし新型機種に限る)は最強。
動画特化型デジカメ
スマホカメラの台頭の影響で壊滅したデジカメ業界は、「写真撮影ではなく動画撮影で差をつけよう」ということで、収音性能と動画撮影の機能を充実させたデジカメをリリースしました。これは動画クリエイター向けに作られた「動画特化型」のデジカメであり、スマホ以上の画質と収音性能を兼ね備ています。動画撮影に強いSONYさんの製品は素晴らしいと思いますし、(最も買う予算があればの話ですが)戸山祭の映画の機材としてはこれが欠点のない最高のカメラであると思います。
三脚
サイズさえあえば一番安い三脚で差し支えないです。
マイク
たぶんいらない。マイク使っても撮影環境が悪ければ意味がないので、騒音を軽減する工夫をしたり、余計な残響が入らないロケ地で撮影するほうが手っ取り早いです。
レフ版
白い板の反射を利用して逆光で顔が暗くならないようにするやつです。こだわるなら、段ボールに質が良くて白い紙(写真用紙もあり)を張り付けるなどすればできると思います。
スタビライザー
歩いた時に生じるブレを軽減する機材。必要ないと思います。できるだけ定点での撮影で画に変化を与えるようにすればいいですし、どうしても歩きの撮影が必要な場合は、自撮り棒にスマホをくっつけたり、三脚にカメラをくっつかながら持ち歩いて撮影すればかなりブレが軽減されます
まとめ
長ったらしくなる前にまとめを。最近のカメラは安価で性能がいいので、わざわざ高い機材買うよりは、簡単で効果的な撮影法を勉強したりするほうが結局いいものがとれると思います。高い機材買っても使い手の理解が足りないと大したものとれないですし()
以上!
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