見出し画像

5/13「友達と電話」

某国立大学院で研究している秀才と1時間電話。


無愛想と言うほどでもないけど、割と無口であまり打ち明けない男だ。ビデオ通話をしてお互いの顔を見合っているのに、最初のうちは、なんだか変な間を感じた。

俺が悪いのだろうか。気にしすぎなのだろうか。それもあるだろう。鈍感だが繊細なややこしい特性を持っていると自認している。

彼は特に何も思っていない可能性もあるし、考えられる男なだけに、ポーカーフェイスしつつも実は思考をぐるぐると働かせていたのかもしれない。


それでも、お互いが楽しく遊べそうな話題がだんだんと見えてくる。そういうのを思うと、やはり俺は「いろんな人とそこそこ仲良くなれる才能」があるのかもしれないとも思う。

学問の話をした。資本主義と、社会主義、どちらに賛成か、みたいな話だ。学問の世界では多分めちゃくちゃ広く深くまで議論され尽くしているのだろうが、きっとそれに比べ用もないほど浅い議論を交わした。

こんなありふれた議題でも、俺は自分の考えを明確に持てていないのだと実感した。


それと、努力は報われるべき、人類の報いのほとんどは子孫の繁栄、であるならば、努力した奴の息子は報われるべき、なのではないか、という受け売りの論をぶつけてみた。

すると、だとすると、親によってこの努力が報われなくなることがある、みたいな反論(?)が返ってきた。なんだか何を書いているか分からなくなってきた。

ただ何が言いたいかというと、自分が正しいと思っていた論に対して、自分が思いつかなかった反論が返ってきたことにまず驚いたし、それを返せる彼は、考える動機や能力を持っている人に見えて、たくましく思えたのだ。


そこから話は展開して、子の財産は、親の努力とこの努力がどれくらいの割合で影響を受けるのが、理想的な状況か、みたいな話をした。

この「割合」というのが俺には思いつきにくい発想だった。非線形的な思考、というやつだろうか。これが多分俺は苦手で、白か黒かで決めつけがちなのだと思う。

そういえば、これの結論は出なかったが、現実はどんなもんか、みたいな話になって、実は親と子で8:2ぐらいになってるんじゃないか、という話になった。

8:2というのは俺が言い出した意見で、結構親の方にウエイトが寄った意見かな、とも思ったが、彼は同意していた。


また少し間が空いたタイミングで、歴史の勉強をしている話をした。歴史と経験を、少し近くに感じられるようになってきた実感が少しする、という話をした。

友達に虚勢を張った部分も少しあるかもしれないが、嘘でもない。今考えてみても、確かにその実感はある。

そこからまた話は展開して、『進撃の巨人』の話になった。勉強ばかりでアニメとかあまり見ていないのかと思っていたので、彼が知っているのは少し意外だった。

あの作品も、結構歴史や人類の記憶、みたいな、哲学的(?)なテーマがある作品だと思う。そのアニメの話で結構盛り上がった。フックが一つ役立った。また、話をする中で、フックの濃度も少し上がったかもしれない。


友達について、大事なのは、新しい友達を作ることよりも、まず今すでにいる友達を「保持」することだと、今日、昼間に再認識した。

そして、その今いる友達から、新しいフック・友達を、自然に、獲得していく。


という訳で、彼におすすめのアニメを訊いてみたら、『Dr.stone』という科学がテーマのアニメが返ってきた。あらすじを聞くとホントにまあまあ興味を持てたので、観るか読むかしようと思う。

こういうことを、ちゃんとやることが、友達に恵まれるために、大事なのだと今は思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?