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#3|2019年読んでよかった読み物

正月も明け、季節は春を迎えようとしている。

前回は試してよかったことについて書いたが、今回は読み物に焦点をあてて書いてみる。新しい知見を得たいと考えている方々にとって、何か気づきを与えられていれば幸いである。

今回の読み物の共通点を挙げると、どの論考も論点が鋭く、自分の思考の浅さ、甘さに気づかされる。また、その覚悟に対して畏敬の念を抱いた。

1.安宅和人さんのブログ「ニューロサイエンスとマーケティングの間」

「イシューから始めよ」でおなじみの著者、安宅和人さんのブログエントリ。日本の現状について、客観的な事実を交え、わかりやすく日本の現状や未来に対する憂いを投げかけていただいている。

▼安宅和人さんプロフィール(ブログより引用)

慶應義塾大学SFC 環境情報学部 教授 兼 ヤフーCSO (Chief Strategy Officer)。データサイエンティスト協会理事/スキル委員長。前職のマッキンゼーでは10年以上に渡り消費者マーケティングに従事。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。

▼イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

例えば下記論考。2016年の国家予算169.6兆円(一般会計予算+社会保障費)のうち、未来への投資が低い分野にかけるお金が106兆円(62%)、未来に投資するお金が64兆円(38%)となっており、他の国の教育にかける予算が大きくなっている中でこのままでは優秀な人材が育たないor育ったとしても海外へ流出してしまうとのこと。感覚としてはなんとなく気づいていたものの、こうして論拠を前に説明されるとより実感が湧いてくる。
自分も資産が増えたら優秀な若者に投資したい。そのためにもまずは自分がより成長することで、社会に貢献していきたい。

▼「未来にかけられる社会にしたい」

2.Yamotty note

タベリーというアプリを提供している10x社の創業者、矢本さんの論考。このブログでは主に矢本さんが会社経営、事業開発をしている中での気づきが述べられている。ちなみにYamottyさんも前述の安宅さんの著書、「イシューから始めよ」を10x社の行動指針の3冊のうちの一冊に入れている。

▼Yamottyさんプロフィール(ブログより引用)

矢本真丈(Yamotty)。2017年7月に株式会社10X(テンエックス)を創業。「献立と買い物の悩み」が過去50年解決されていないことに気づき、モバイルアプリ「タベリー」を開発・運営。日本における小売体験の10xを目指す。 本サイトでは生活や経営の試行錯誤から得た気付きについて、言語化を試みている。

Yamottyさんの論考の中でも僕が特に感銘を受けたのは下記論考。事業の成功に必要なのは「諦めの悪さ≒執念(grit)」だとされており、諦める理由を全て潰していくことで事業を成功に近づけることができると述べている。下記は引用であるが、具体例を持って諦める理由の潰し方を提供していただいている。

10xなものなど、誰も具体的に想像すらできていない。具現化するまでに人があきらめうる理由なんて1万個はある。そのすべてを潰せるから10xが創れる、と考えるとだいぶ気分が楽になる。

▼あきらめの悪い創業者

他にもYamottyさんから学べることは非常に多い。自分にはまだ「諦めの悪さ≒執念(grit)」を発揮できる覚悟が足りず、自分の哲学を検証したい対象を見つけきれていないので、色々経験していくことで覚悟ができる領域を見つけていきたい。

3.V字回復の経営―2年で会社を変えられますか 

三枝三部作の第三弾である本著。実際に三枝さんが経験した事業再生案件を元に、小説風に描かれている。

事業再生などの戦略論は世の中に出回っているが、この本の勉強になるところは、戦略論だけでなく、実行の方法までこと細かに示されていることだ。組織が大きくなってしまうとどうしても分業制になってしまい、どの部署も「自分がしていることは正しい」と思い込んでしまう。それでうまく行っている間は良いが、会社の業績が下がり、全社方針の共有もおろそかになってしまうと、うまくいかない要因は自部署にあるのではなく、他の部署にあると思ってしまいがちである。そういった、どこの組織にでも陥りがちな課題に対し、どうやったら解決できるのか、戦略論に止まらず人の巻き込み方、組織の動かし方などは非常にリアルな内容となっており、学ぶべき点が多い。


以上、2019年に読んでよかった読み物を紹介した。2020年も良書と出会うことでより広く、深く考えられるようになりたい。また、実践を通じて自分でも抽象化、言語化できる部分があれば発信していきたい。


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