ソファ

ドカッと座られると痛いけど、全てを任されているようで悪い気はしない
今日は何かがあったんだろう
いつもより少し背中が冷たい

君の身の預け方一つで感情は手に取るようにわかって
構おうとするほど、近づこうとするほど、君との隙間は広がっていくんだ

経年によってシワは増えて深くなって、触れる面積の増加こそが愛の深さだと信じてた

君の言葉の選び方一つで僕への想いは痛いほど分かって
結果は分かってるんだけど、やっぱりもう一回聞いてしまうんだ

ギャップを意識して固くした座面が君の決断を後押ししてる
全てが裏目で君が遠ざかっていく

久々に座ってもらえた
僕は出来る限り生地を伸ばして柔らかく包んだ
無邪気に笑う君、手に取ったカタログ、ページをめくるたび僕を切り刻んでいく

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