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ギタリスト列伝:4 ロイ・ブキャナン

4人目は、ロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)です。このシリーズ、順番については、別に「好み順」でも「影響を受けた順」というわけではなく、なんとなく思い浮かんだ人から書いてます。

このひとは、言わずと知れたテレマスター!
というか、意図しているわけではないんですが、今のところ、ロバジョン以外は、全員、Telecaster使いですね(笑)。

私自身、ロイ・ブキャナンからは、音そのものや、演奏スタイル自体からの影響は、あまりないと言えばないし、あると言えばあるという感じなんですが、研究対象としては、いろいろ参考にしていました。

この人は、ギタリストの間では高い評価をされていますが、まぁ、一般受けはなかなかしずらいタイプのギタリストかとは思います。

皆さんご存じの通り、Jeff Beck先生の「哀しみの恋人たち」は、「ロイに捧げた曲」と言われていますし、ストーンズのミック・テイラーが抜けたとき、候補に挙がっていたとか(いや、それは、双方の音楽性から無理があるだろうと思いますが…笑)、そういう話もありましたし、名前的にはいろいろ出てくるギタリストではありますよね。

で、ギターですが、ギタリストにとっては、興味深いプレイヤーではあるんですが、トレードマークのピッキングハーモニクスは、ピキピキ、ギャビギャビが耳に刺さるというか「そこまでやるか」状態ですし、これはなかなか一般けはしずらいところはあるかなと(笑)。

おすすめは、75年だったかのライブ盤の「ライブストック(ジャケットも渋くて好き)」ですね。
あれはお気に入りでした。
近年、フルバージョンが発売されましたね。
当然買いましたが、あれはよかったです。

その冒頭がこの曲「Reelin' And Rockin」ですが、この曲は、昔、バンドでやりましたね。ボーカルがいなかったので、私が歌った記憶があります。
ソロの部分は、自分なりに変えてやってましたが。

こういう個性的で濃いい音を出すギタリストの存在が成立し、レコードを出せる(リスナーがいる)というところが、当時のアメリカのすごさかなと感じますね。そこから数十年で、まさか「ギター入りの曲はグラミーにノミネートされない(言われる)時代」が来るとは思ってもみませんでしたが(笑)

最後は、ちょっと悲しい終わり方をしてしまったのが残念と言うか、かわいそうと言うか、、、、。


-------------------------------------------------------------------------------------ここから先は、ちょっとギタリスト目線で、細かいことを書きます。
細かい話なので、興味がない人は読み飛ばしてください(笑)。

若いころ、VHSで動画を見たときにまずびっくりしたのは、出てくる音と逆で、動きもなく、淡々と弾いているところでしたね。映像を見るまでは、レイヴォーン見たく弾いてるのかなと思っていたんですよね。
ところが映像を見ると、動きもなく、凄く淡々と弾いている(笑)。

当時若かった自分には、このクールで、力みのない演奏方法は難しかったですし、それ自体を取り入れたかと言えば、そうだったような、そうでもなかったような気がするんですが、今は、映像も綺麗で見やすいですが、当時のVHSでは限界もありましたが、それでも、いろいろ参考にしました。

「音のえぐさ」に対して、動きは地味で静かなので、わかりにくいんですが、あの右手はほんとにすごい。

もっと具体的に言えば「ギターはピックの弦への当て方とかで音がかなり変わる」ということとかです。要するにトーンの制御と右手の関係性ですね。
その点、Jeff Beck先生が「哀しみの恋人たち」をロイに捧げたというエピソードについては、ギタリストとしては凄くわかる気がするんですよね。
おそらく、Jeff Beck先生も、ロイのその点について、なんらか感じるところ、あるいは学ぶところがあったのかなと思います。
もちろん、それ自体は、ギタリストである程度やっている人は無意識にはやってるとは思うんですが、それ(右手のタッチによって音に変化を与える)をもう少し深堀させたくなる何かが、ロイの演奏にはあったのかなぁと今では感じています。

その意味では彼からは「ピックを弦に当てる角度で、音を変える技法」というところでは、凄く影響を受けたかもしれませんね(笑)。

そんなことは、普通は知らない、あるいは、気づかないわけですよ、それがニュアンスにつながる点とかすごく参考になりました。

念のために書きますが、これは単純な「強弱」の話ではないです。ピックを弦に対して当てる際の角度や深さについてです。普通、教則本でも、平行アングルとか逆アングルとかについては書かれてることもありますが、普通は、「角度」や「深さ」までは書かれていません(笑)。まぁ、言葉では説明がしにくいからなんだとは思いますけど、そういうことについて、彼の演奏を観ていて参考になりましたね。もちろん、彼だけではないんですけど、参考にさせてもらった一人ではありましたね。少なくとも、そのことを考えるきっかけになった人でした。エイモスとかになると、そもそも、サムピックですからね、この人は、普通のピックか指なので。

この辺りのことについては、今、別で書いてる「私的記録」に、いずれ登場予定である、とある大先輩ギタリストが教えてくださったことも大きかったんですよね。これは、そちらの連載の方で、いずれ語る予定です。

後は、ボリューム奏法。これは影響を受けましたね。
個人的には、Telecasterのボリューム奏法は、とても好きですね。
ある意味、必須の奏法かと思っています(もちろん、プレイヤーのスタイルとかジャンルによりますけど)。

有名なのは、まさに「ジェフベックの哀しみの恋人たち」の冒頭のところですかね。ジミーペイジ先生もやってましたよね。

せっかくなので、右手のところ、何か映像を、、、。
参考はこれが良いかなぁ。
右手のタッチの話とかは、この動画の辺りが参考になりますかね。昔からあったテキサスのライブの映像ですが、映像がきれいになっているので、見やすいですね。

ここからいくつか取り上げてみます。もちろん、左手とのコンビネーションもあってのことではあるんですが、今回の話の流れ上、特に、右手中心に書いてみました。

1.ピッキングの多様さ
・右手のタッチの繊細さとイコールではない「強サウンド」
動画のこの部分では、弱めのタッチから、その後、「強サウンド」に移行していますが、強くヒットさせているわけではないのに、音の芯は強く「強サウンド」です(同時に、ボリュームとトーンも変えているようですが)。
これは、音のセッティングももちろんありますが、「当て方」の面もあると思うんですよ。言い換えれば、「ピックのヒットの瞬間にうまく弦の芯の部分をとらえている」というか、、、。「強く弾くだけが強サウンドを出す方法ではない」ということを知ったのは大きかったですね。

・ピッキングの深さ、浅さ、角度などの違いと音の変化。
 深くかつ、手前に引くようなピッキングとか、垂直に近い感じで当てて離 
 すピッキングとかもあります。

・ピッキングのアップダウンの選択もオルタネイト的な意味ではなく、あくまでトーンの制御のために使い分けている部分がありそう。

・ピッキングの位置も同じ理由で使い分けている(これは、普通にやる人は多いですが)。たとえば、Telecasterでリアピックアップの方でヒットさせれば、金属的な音になるとか。

アクションとかもない人ですし、そういう意味では動かないので、安定度も高いんでしょうね。


ボリューム奏法。途中からは少しだけ垂直ピッキングも使ってますね。


この弾き方は、意味不明です。


次はだれにしようかな。ゲイトマウス・ブラウンあたりにしようかなw
そうなると、Telecasterから飛んでテキサスつながりだなw。

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