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インフレーションならぬシュリンクフレーション(Shrinkflation)ってなに??

仕入れの物価上昇を小売価格に反映できない日本

デフレ傾向が根強い日本では小売価格を思い切って引き上げることができず、企業物価と消費者物価の上昇率の「ギャップ」が広がっているためだ。ギャップの規模は米国の4倍を超え、製造業にとって最大14兆円の減益要因になるとの試算もある。

物価ギャップ拡大、日本は米の4倍

日経に物価ギャップ拡大、日本は米の4倍という記事がありました。物価ギャップとは、原材料などの企業が仕入れているモノの値段が上昇しているのに、それを消費者に対する販売価格に反映ができていない、そのギャップのことです。

この物価ギャップがアメリカと比べると日本は4倍もあるということです。

しかし単に値段が上がるだけが物価上昇なのでしょうか?

アメリカにも存在する値上げできない商品たちと、シュリンクフレーション(Shrinkflation)

WSJの動画でShrinkflationなるものが特集されていました。

値上げができないなら量を減らしてしまえがShrinkflation

Shrinkflation May Leave Fewer Chips in Your Bag | Price Index | WSJ

動画でトブラローネの実際の事例が出てきますが、上の写真のようにチョコレートの山の幅を広くして、チョコレートの量を170gから150gしました。値段が同じでもグラムあたりの価格は上がるため、実質的な値上げです。

ちなみにこの変更はトブラローネの熱烈なファンの間で怒りを買い、2年後に元に戻すことになります。

日本ではステルス値上げという言葉が有名だと思いますが、言葉が違うだけで同じ話です。

Shrinkflationの他の事例は?

FTの記事によれば、ヒルトンやマリオットは多くの施設でハウスキーピングサービスをオプトインに変更し、宿泊客が要求しない限り行われないようにしています(日本でどうなのかは不明)。宿泊中全くハウスキーピングを行わない施設もあるです(FTの記者が泊まったBest Westernとか)。

他にもレストランでサイドメニューの数が減ったり、トイレットペーパーの長さが短くなったり、色々とあるようです。

日本のステルス値上げ(Shrinkflation)の事例

ステルス値上げ!? ~“安いニッポン”の現実~

ステルス値上げ!? ~“安いニッポン”の現実~というNHKの記事にポテトチップスのステルス値上げの事例がありましたので紹介しておきます。

(おまけ)価格転嫁が追いつかないのは欧州が最悪

こちらも日経の記事からですが、欧州は企業物価が31.4%も上昇しているにも関わらず、消費者物価は5.9%しか上がっていません。その差が25.5ポイントもあるということになります。日本の8.8ポイント差と比べても、はるかに上を行く数字です。

【龍成メモ】

ステルス値上げも含めると日本の物価上昇はどのくらいなのか、少し気になりました。

ちなみに私がよくいく定食屋さんでは定番メニューの値段は変りませんが、週替りランチが2種類あるのですが、それぞれ値段が100円上がってました。気づくと言えば気づきますが、若干ステルス感のある値上げです。

表紙の写真はcongerdesignから。

#ステルス値上げ #シュリンクフレーション #Shrinkflation #WSJ


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