魚も人工的な環境で育つと「感覚器」レベルで鈍くなる
研究者名が日本人だったので調べたところ、PRTIMESに日本語の解説もありました。
魚には内耳と側線という「2種類の耳」がある
魚には他の種にある通常の耳である内耳の他に、カラダの側面(体側部)に「側線(そくせん)」という耳の役割も担う器官があります。
ちなみに側線の受容器は、水の振動や加速度などの低周波を感じるのが得意な「管器感丘(CN = Canal Neuromasts)と、 水の流れる速度、高周波を感じるのが得意な「遊離感丘(SN = Superficial Neuromasts)」の2つに分類されます。
同じ系統の魚で「野生」と「人工飼育」を比較
これまでも人工的な環境で飼育された魚(ニジマス)の側線系が野生魚よりも減少しているという報告がありました。しかし、同系統の魚を比較できているか不明確でした(従って、本当に人工飼育によって受容器が減ったと断定できない)。
今回の研究では「北海道尻別川水系のサクラマス」や「東京都多摩川水系のヤマメ」、この2系統を祖先に持つことが明確な人工飼育魚と野生魚を比較しました。
13世代以上飼育されたサクラマスは、野生と比べて約10%も受容器数が減少
北海道尻別川水系のサクラマスについて、人工飼育と野生魚を比較したところ、約13世代にわたる継代飼育を経て、野生魚と比較して側線系の受容器が約10%程度減少していることが分かりました。
【龍成メモ】
私の母は水質環境の研究者でした。環境汚染が人間に与える影響を把握するために、生涯にわたって魚など水生生物の研究をしていました。
当時は環境汚染というと、人間への影響にばかり焦点が当てられていましたが、食物連鎖や生態系という観点から「水生生物」に着目した点は非常に斬新で、かつその分苦労も多かったようです。
今回のnoteでは、あくまでも他の人の研究内容を紹介しているだけですが、母の研究分野である魚についてnoteを書くのは、少し感慨深いものがあります。
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