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一歩進んだ音楽理論 和声学編

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和声についてのあれこれをご紹介していきます。
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2023年11月の記事一覧

構成音の転位 一歩進んだ和声学 Part 42

今回は構成音の転位というものを紹介します。これは和音の構成音が長・短2度移されるものです。では早速見ていきましょう。 1 構成音の転位和音の配置において、ある声部の構成音が長・短2度移動することを構成音の転位といいます。転位した構成音を転位音といいます。転位音は非和声音ともいいます。 構成音の本来の音高位置を定位といい、定位にある構成音を定位音といいます。 構成音が上に転位することを上方転位 構成音が下に転位することを下方転位 といい、 上方転位した音を上方転位音 下方

構成音の転位② 一歩進んだ和声学 Part 43

前回から引き続き構成音の転位について紹介していきます。 1 転位音の名称転位音はその形態に応じて以下のような名前が付けられます。 (i) 刺繍音 原位音と原位(等高)音に挟まれている転位音を刺繍音といいます。 (ii) 経過音 経過解決する転位音を経過転位音といいますが、ただたんに経過音とも呼ばれます。 (iii) 倚音 和音交替点、内部変換点において発生する転位音は倚音と呼ばれます。倚音は復元解決します。 とある倚音の先行音が 原位(等高)音であるならば刺繍