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一歩進んだ音楽理論 和声学編

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和声についてのあれこれをご紹介していきます。
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2023年10月の記事一覧

形体変換と低音位変換ができる時、できない時 一歩進んだ和声学 Part 39

今回は内部変換において形体変換ができる場合とできない場合を紹介していきます。 1 V諸和音の形体変換 V諸和音に関してはV7の和音(根音省略形含む)→Vの和音という形体変換は第7音の置き換えがされないのでNGです。 上記の例以外は形体変換が可能ですが、詳しくは後述します。 2 K3(カデンツ)におけるIV諸和音の形体変換カデンツ第3型T→S→TにおけるIV諸和音の形体変換は IVの和音→IV∔6の和音 IVの和音→IV∔64の和音 IV∔6の和音→IV∔64の和音 の

内部変換における修飾 一歩進んだ和声学 Part 40

今回は内部変換における修飾というものを紹介します。これは内部変換において拍点外変換(裏拍における内部変換)において特定の声部における旋律的な動きのことを言います。これがどのようなことなのか、詳しく見ていきましょう。 1 拍点と拍点外における内部変換それぞれの拍子における「各拍のあたま」のことを拍点といいます。ポピュラー音楽では「表拍」とも呼びます。 これに対し、拍点以外の部分を拍点外といいます。これは「表」に対して「裏拍」と呼ばれているものです。 拍子によって何の音符を

付加音の消滅、限定進行音の例外進行 一歩進んだ和声学 Part 41

今回は内部変換における付加音の消滅、和音交替における限定進行音の例外進行についてを紹介していきます。内部変換において特定の和音は付加音を置き換えしなくてもよいことになっています。また和音交替において特定の進行に限り限定進行音が限定進行しなくてもよい場合もあります。では詳しく見ていきましょう。 1 付加音の消滅内部変換において、付加音が他の声部へ置き換えられることがされないで、他の音へ進むことを付加音の消滅といいます。 以前V7の和音(根音省略形含む)→Vの和音という内部変