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一歩進んだ音楽理論 和声学編

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和声についてのあれこれをご紹介していきます。
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2023年5月の記事一覧

近親転調 一歩進んだ和声学 Part 27

今回は転調を含んだ和声を学んでいきます。今までは調は転調せずに一つの調のみの和音の連結を行ってきました。ここでは和音の連結の際に転調が起こった際、どのようにすればよいのかを見ていきましょう。 1 和声学における近親転調最初に近親調に転調する連結を行います。 近親調はとある調において5度の上の調である属調、5度下の調である下属調、調号が同じで3度下の調である平行調、主音が同じである同主調の4つのことを指しますが、この和声学においてはある調の各音度調のことを近親調と呼びます。

近親転調を含むバス課題 一歩進んだ和声学 Part 28

今回は近親転調を含むバス課題を解いていこうと思います。今までのバス課題と変わりはありませんが、それに加えて転入和音、離脱和音を見極めることが必要です。では早速見ていきましょう。 1 例題1例題1はこちらです。 始まりはハ長調です。どの和音が離脱和音、転入和音になっているかを確かめましょう。 わかりましたか?3小節目からVI調であるイ短調に転調し、5小節目からII調であるニ短調に転調します。8小節目からは主調に戻り、そのままハ長調で終結します。 バス課題を行う際には終止

ソプラノ課題 一歩進んだ和声学 Part 29

今回はソプラノ課題を学習します。これはあらかじめメロディが与えられ、それを基にアルト、テノール、バスを配置します。これらは下3声と呼ばれます。基本的にバス課題と行うことはそれほど違いはありませんが、バス課題と違う注意点があるようです。それを確認しながらどのようにソプラノ課題を行うのかを見ていきましょう。 1 ソプラノ課題におけるバスの注意点ソプラノ課題において一番慎重になるべき部分がバスパートです。自然な旋律を生成できるように配慮する必要があります。それが以下の点です。