コロナウィルスへの「クラスター対策」って何なのか?の解説を、さらに解説してみた

FacebookでシェアされてきたNOTEをちゃんと読んでみると、すごい大切なことがたくさん書いてあった。

Bloomberg通信がなぜ日本で感染爆発しないのか分からないというツイートに対する回答

トドさんのつぶやきのまとめ。

https://togetter.com/li/1483987?fbclid=IwAR1t0ElvkAWUDAS_EzUubF0gOSLezwsxu8fnJlyBMGRyCf8ckB7Mbyr0ZaQ

この中に、吉峯先生という弁護士さんのNOTEがあり、これがすごく一般の人間からみるとわかりやすい!から、解説されている記事をさらに解説してみた。

専門家会議の「クラスター対策」の解説 ――新型コロナウイルスに対処する最後の希望

https://note.com/kyoshimine/n/n6bf078a369f9#Gj5is

とってもわかりやすいのであるが、私なりにさらに解釈を加えてみたいと思う。(下記に書かれている内容は、吉峯先生の書かれていることをベースに櫻井がさらに自分なりに解釈したものだ。)

解説の前に、偉い人たちが多くの人たちに何を求めているか

・3月21日現在、クラスター対策による準封じ込めが成功する「最後の希望」が見えてきた。
・しかし爆発的感染拡大(オーバーシュート)に至る懸念も捨てられない。

現時点の大きな懸念点は二つ。
①大阪府・兵庫県の感染拡大の制御
②自粛ムードの後退

(ここから吉峯先生NOTEをベースに櫻井の個人的な意見です)
====================
特に、自粛ムードの弛緩に伴い、新たなクラスターが続発することが怖い。首相の休校指示は、専門家会議・クラスター対策班の意見を聞かずに決定されたもので動きが連動してません。この休校指示が延長されなかったことがイコール「もうOK!」とならないようにしなければなりません。

下記の、「密閉、密集、密接」を避けること。あなたの感染ではなく、あなたの感染がきっかけで重篤になる人の人工呼吸が間に合わないリスクを国は、世界は、心配しているのです。

基本的にはこの行動原理を無視して、「ま、私1人、いいっしょ」って思っている人は、この先、日本人の美徳とか、日本人らしさとか、利他につながる精神性とかを二度と語るな、ボケ。(あ、すいません、本音が出てしもうた。)
===============

我々一般市民が三条件(密閉、密集、密接)を守ることができるかどうかに、日本の文字通り浮沈がかかっています。

一般市民ができることは2つです。①手洗いやうがいにより自分を守ることと、②人に感染させないように「密室・密集・密接」というリスクの高い行動を取らず、しかしその範囲で経済を回す、バランスを取ることです。

by 吉峯先生

さて、気を取り直して、解説の解説です。ただし、主に4までの解説。で、できれば、先生のNOTEを一度ちゃんとみて欲しい。リンク先のmediumもみて欲しい。

クラスター対策って何なのか?の解説を解説してみた

クラスター対策は、日本が破局を避けながらこの災厄を乗り切るための最後の希望

「1. 感染爆発で10万人が死にます」下手するともっと被害が出てしまうかもしれない。。。

(1) オーバーシュート(感染爆発)したら何が起こるか

・戦略は「封じ込め」と「緩和」がある。

・日本(そして世界)は既に封じ込めには失敗。新型コロナの感染拡大は避けられない。
・「封じ込め」できない場合、せめてダメージを可能な限り「緩和」
するほかない。

・ところが、封じ込めが失敗したにもかかわらず、感染拡大を避ける道があるという奇妙な主張がある。これが「クラスター対策による封じ込め(準封じ込め)」戦略

・集団免疫(これ以上広がらない)の状態まで、どの程度の犠牲が出るのか、吉峯弁護士の試算(厚労省の試算)では15万人から200万人が死亡してしまう(ICUによる人工呼吸器のキャパ限界により変動)

→ つまり集団免疫まで何の対策もしないとICUや人工呼吸器がなくてたくさんの人が犠牲になってしまうというシナリオになる。そのため、日本は必死で準封じ込め対策をしている


(2)世界と比した日本の奇妙な低い感染力(基本再生産数)

・日本のR0/基本再生産数(感染者から非感染者への感染力)は現在、世界で見るととても奇妙なほど低い数値となっている。
・シンガポール・香港のような厳しい制限をしていない状態として異常に感染者数、重症者数・死亡数が低い


・(吉峯弁護士の考察では)なぜ日本だけ特段の対策も取っていないのに𝑅₀が低いのかは、おそらく手洗い、マスクといった個人防護が根付いていること、握手やハグといった身体接触の習慣がないこと。

※ 櫻井の推論ですが、自粛する割合が圧倒的に多かったのではないかと思います。つまりオペレーションの自発的な徹底が出来たのではないか。

※ テイクアウトと店内飲食で税金が違う場合の処理の対応について、店員も顧客も、これだけの人数が一斉に真面目にしっかりとオペレーションできる国民は世界中で日本だけかもしれない。そのオペレーション力は「自粛しましょう」という声がけ強制ではない要請に愚直に従った日本人が他国と比較しても圧倒的に多かったのではないか。



「2. クラスター対策の論理的根拠」から知りたいこと 

(1) COVID19の伝播の特徴

・インフルは連続過程(に似たもの)だが、COVIDは離散・不連続過程。(ようするに広がり方に癖がある)
・うまく癖を捉えることができれば、理論上は、クラスター感染を何らかの形で抑止・制圧できる。それ以外の感染は相対的に少ないので低い感染力の維持を達成できます。

(2) クラスター対策の発生要因の解明

・クラスター感染を抑え込む具体的手段がなければ、絵に描いた餅
・その手段を示したのがNishiura論文です。中澤教授は「天才」と評しています。

・事例を分析すると、「感染者の8割は他人に感染させていない」
・一方、換気が不十分な環境にいた感染者が多くの二次感染者を生み出している(可能性)
・閉鎖環境は、18.7倍(95%CI: 6.0, 57.9)のリスクがある。

・ただし、満員電車でクラスター感染は生じていない

(3) クラスター感染の三条件「密室・密集・密接」

・クラスター対策班が様々なデータから、経験も踏まえて導き出したのが「密室・密集・密接」の三条件
・密閉、手の届く範囲の密集、近距離で人が会話と発声をしている、この三つが重なるとクラスター感染のリスクが格段に上がってしまう。

・満員電車は、密集だが、人は会話と発声をしていないから発生リスクが低くなっているのではないか、さらに駅毎のドアが開き換気しているのは密閉をうまく回避しているのでは、という推察

・もし多くの人が三条件を避けることができれば二次感染をカットできると期待できる。(それは武漢・欧米で実施されたロックダウン・都市閉鎖と比べると、極めて簡単なこと。)

・比較的容易な国民の行動の変容、自粛により、クラスター感染を予防してコロナ感染の大部分を封じ込めることができる。
・この封じ込めは、「感染の予防」ではなく、「クラスター感染の予防」。この違いが大事。

・ということで、密閉しない(換気する)。密集しない(多くで集まらない)。密接しない(人とちゃんと距離を取り迂闊に喋らない)。

→ ここ大事!とにかく、クラスター感染を抑えるためのクラスター対策をみんながちゃんと守ると、結果的に重篤で死にそうになる人をちゃんと医療で救うことができる。

世界中でこの事実がうまく伝わっていない可能性があり、多くの人たちがいまだにパーティしている状態だと、クラスター対策できずクラスター感染で爆発的に二次感染してしまう。
可能性があり、多くの人たちがいまだにパーティしている状態だと、クラスター対策できずクラスター感染で爆発的に二次感染してしまう。

「3. クラスター対策が奏功した状態」ってどういうこと?


・クラスタ―対策は、感染の封じ込めではない。クラスター感染の封じ込め。

・クラスター感染以外の感染(例えば職場や満員電車、その他)は生じる。しかし、それは通常感染とそれほど変わらず恐るるに足らない。クラスター感染を除外した単純感染だけなら、感染力はるかに弱められ、感染の累積は先細りになる!

「4. クラスターの検知と『往復1か月の時間差』」の大切さ

(1) PCR検査の役割。みんなPCRの効果的な使い方を知ろう。

・クラスターの検知は、重症者(=主に高齢者)のPCR検査が主要な手段。(櫻井コメント:だから、PCR検査は効果的に使う方がいい)
・若年者で構成されるクラスターは「見えない」
・クラスター感染の中で高齢者が重症化したらPCR検査を受ける。時間差はあれどいずれクラスター対策班の検知網に引っかかる。

(2)往復1か月の時間差 数値は常にずれている。

・我々が毎日見ている症例数のデータは、2週間前の現実である。
・2週間前の現実を見て、「今」それによって何か施策を実施したとして、その効果が観測できるのは2週間後、つまり合計で1ヶ月のタイムラグがある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?