見出し画像

10年ぶり位に20年位前のアニメを見たらびっくりした話

先日フォロワーがこんなツイートをしてたんですよ。

「GONZOのアニメといえば………ゲートキーパーズやろがい!」
と思い、つい先日ひと通りゲートキーパーズのアニメを見直したんですわな。

久しぶりに観たら変わらず面白いなぁと思ったんですけど続編の「ゲートキーパーズ21」を含めるとこのアニメとんでもねえな!?と思ったので記事を書いているのが今です。
まぁ、この記事を見て「ワシも見てみるか…ゲートキーパーズをよ……!」と思ってくれる人はいない気がするし、20年前の作品なんで気にせずネタバレします…が、続編の21はネタバレなしの方が楽しいと思うのでそこは伏せます。
それでは行ってみよう。

ゲートキーパーズとは?

2000年4月から2クールWOWOWのノンスクランブル枠で放映されたアニメでGONZO初の長編TVシリーズになります。

当時流行っていた「同じ作品でコミカライズやゲームやらメディアミックス企画として動かして儲けよう」というスタンスでつくられているので先行して発売されたゲーム版、アニメと並行で連載、執筆されたコミカライズ版とノベル版などがあります。

んであらすじはざっくりこんな感じです。

1969年。
人類は科学という偉大な力を手に入れた。
一方では破壊のための軍拡を行いまた、一方では生産のための経済成長に邁進するという矛盾の中にあった。
そんな矛盾につけこむかのように、未知の敵「インベーダー」が出現。インベーダーに対抗すべく秘密裏に結成された地球防衛機構イージス(AEGIS)。
国連指揮のもと、彼等は地球防衛の最後の切り札として、特殊な能力を持つ戦士達「ゲートキーパーズ」を結集した。
ある日、ごく平凡な高校生、浮矢瞬(うきやしゅん)は、眠っていたゲートキーパーの能力をイージスに見いだされる。
そして特殊遊撃隊隊長に任命された。
少年のゲートの能力が開花したとき、新たな戦いの物語が始まるのだった。

GONZOの作品紹介ページより引用

要するに「高度経済成長期に超能力を発現した少年少女が日本を未知の敵から守るぜ!!」
というストレートな内容です。
元になってるゲーム版がおそらくサクラ大戦シリーズを参考にしているので主人公の浮矢くん以外はだいたい美少女です。やったね。

自分はこの作品リアルタイムでは見てなくて、10年前くらいにチャンネルNECOの再放送でみました。(もう配信サービスが便利すぎてCSのいろんなチャンネルで再放送のアニメ見ることも減りましたね。受動的にマニアックなOVAとか見れてあれはあれで素敵だった。)
んで、今回dアニメストアを利用して改めて見直した次第です。

初見と2回目で変わらず面白かった、良かったポイント

  • スタッフの座組が素晴らしい

ゲートキーパーズのいいところは90年代のオタクが好きそ〜な座組なんですよ。
原作・シリーズ構成・脚本に新世紀エヴァンゲリオン、勇者王ガオガイガー、ベターマン、アキハバラ電脳組などで脚本を手掛けていた山口宏氏
キャラクターデザインに機動戦艦ナデシコの後藤圭二氏
音楽にサクラ大戦シリーズなどなどでお馴染み田中公平氏
総監督にセーラームーンやおジャ魔女どれみで多数長編シリーズを手掛けていた佐藤純一氏
後に多数のGONZO作品で監督を務めることになる千明孝一氏
などなど手堅い布陣によるわかりやすいストーリーのアニメ。
もう安心して見れますね。
主題歌の「明日の笑顔のために」は本当に名曲なのでオープニング流れたら30分拘束される「アオイホノオのブライガー現象」も起きます。
1クールアニメに慣れ親しんだ現代人の君も長い2クールをきっと最後まで見れる。

本編の内容とは別に出来のいいオープニングは
それだけで価値がある。
余談ですが、このコマよく勘違いされてるけど
ブライガーはお話も面白いからね。
  • 単純明快で明るいストーリー

やっぱりわかりやすい王道のストーリーなので安心して見れるんですよね。
毎週いろんなインベーダーが現れて、主人公達ゲートキーパーズ隊が協力して撃破する。その中でキャラクターの掘り下げを行いながら少しずつ作品のテーマに触れて行くという流れで見ていて安心できる感じ。
主人公の浮矢くんがわかりやすい熱血主人公キャラなので前向きに物語が進んでいくし、絡め手が無い分いい意味で予想通りに進むんですよね。よく行く定食屋でいつも食べてる定食を注文する位の安定感。

一話完結のキャラ掘り下げエピソードが単品のシナリオとして良くまとまってるので見た人ごとに3つくらいベストエピソードを聞きたいなぁなんて思ったりするくらい粒揃いで楽しいエピソードが満載です。
僕が好きなエピソードは
第8話 侵略者を見つけ出せ!
第11話 あの新幹線を止めろ!
第18話 侵略者を守り抜け!?

の3つです。
みんなもベストゲートキーパーズエピソード教えてくれよな。

  • スッキリ終わる

ほんとにきれいにまとまります。
インベーダーとの戦いが激化する中で明かされるインベーダーの正体、それは過去に世界に絶望しマイナスの力に目覚めたゲートキーパーが生み出した人の悪意の象徴。人の欲望が、悪意がなくならない限りインベーダーは絶対に根絶できない。
それに対するゲートキーパーズ隊の答えは?
日本に、世界に明るい未来はあるのか!?
「未来の事なんて誰にも分かんねえけど、人が人の善性を信じることができれば明るい未来はきっとある!!!!!!!」
と前向きな答えをぶつけて終わります。

いいよね。青春って感じでさ。

2回目で感じた面白かった、良かったポイント

  • 今だと珍しい熱血櫻井孝宏

主人公の声優さんが櫻井孝宏氏。
昔はロックマンXとかガッシュの清麿とかチラホラ主人公らしい主人公ポジションのキャラクター演じてたと思うんですけど、今だと「なんか中盤裏切る人」とか「なんか重要なことを言うシナリオの核心に触れるキャラ」みたいなイメージがありません??
そういう意味で今見ると珍しい櫻井孝宏だな…みたいな感じになって良かったです。

  • この作品が警鐘してる問題、今も残ってるじゃん

この作品で人の欲望や悪意の象徴とされてるインベーダーですが、これは「人が豊かな生活を送るともっと豊かさを求めるようになる。豊かさを求める中で次第に他人を傷つけ奪うようになった人間が現れ増え続けると、人を傷つけ合う世の中になっちゃうよ」
という警鐘かな、と思いました。
このアニメが放送された2000年も2022年もこの作品の時代よりも文明が発達して豊かな時代です。
だからこそ僕らも誰かの楽しんでる様子を悪く言ったり、外野から文句をぶつけてみたりしてインベーダーになってはだめだなと。
SNSなどの普及でネットが発達して誰でも誰かに情報を発信できる現代で「やりすぎでは?」と思う炎上とか見るけどそういうのはお互いやらないようにしような。インベーダーになっちまうぞ。
ゲートキーパーズで提議された問題を解決するのは難しいとは思うけど心に留めておく価値はあるなぁと思えたのは2回目視聴での大きな発見でした。

  • スッキリ終わるとは言ったけど問題は山積み

作品自体はインベーダーが根絶されて?綺麗に終わります。
ですがさっき書いたこの作品における警鐘について、作品の答えは「人の善性を信じる」だと思います。(明言されてないけど自分はそう解釈した。)
納得はできますが対症療法的というか、問題の特効薬ではないんですよね。
根本的に解決できてないとも取れる。
作品のキャラクターや視聴者が善性を信じても世界には悪意や欲望にまみれた人はいるでしょうし。

ラスボスの闇のゲートキーパー・シャドウこと影山はこのように発言してます。

高度経済成長などと言って欲望を撒き散らす日本のクソムシども、わかったか!貴様ら自身がインベーダー共を呼び寄せ増殖させたのだ。
この先10年、20年、30年と人間の際限なき欲望はますますインベーダーを増やしていく。
お前らの求める争いのない未来など最初からどこにもないんだよ!
俺には見えるんだよ……
この国の真っ暗な将来が!
絶望に満ちたこの国の明日が!

ゲートキーパーズ最終回より引用
彼はインベーダー予備軍の人間達をクソ虫と呼びます。

この発言にも一理あるなぁとか。
争いのない平和で豊かな世界は夢物語かもしれない。悲観的に見ればそんな世界は存在できないのかも。
ラストシーンで30年後の日本について語るシーンがあるんですがそこは視聴者の想像に委ねる形の演出になってます。
明日の笑顔を守るのは俺達自身の心の持ちようってことだな!
みんなも最後まで見たらこのテーマについて考えてみよう。
dアニメストアとか配信サービスで割とすぐ見れるからこのサブスクリプション戦国時代、お気に入りのサブスクリプションサービスを使ってゲートキーパーズをみよう!

ゲートキーパーズ21について(ここからネタバレ控えめ)

長々と語りましたが、冒頭で話した通りゲートキーパーズには続編のOVA「ゲートキーパーズ21」が全6話あります。

前作との大きな違いとしてシナリオを担当してた山口宏氏が監督も担当しており、前作よりも山口氏の作風が色濃く出た作品となっており、TVアニメの30年後の日本でインベーダーと戦うゲートキーパーたちの物語が描かれます。

存在は知っていたが21を見るのは今回が初めて。
10年前当時の私の視聴環境では
レンタル落ちのVHSを探すか
中古DVDを探す必要があり視聴にハードルがあった。
ちなみに数字の読みは「にじゅういち」。

これがさっき長々と書いた解決できないゲートキーパーズのテーマに関して正面からぶつかった怪作です。
……ですが正面からぶつかった結果、ファンに取ってはとてもつらい構造の作品でもあります。

あまりネタバレはしたくないので皆さんの目で確かめてほしいんですが、明るく未来への希望を描いた前作から打って変わってとてもシリアスで、非常な現実を我々にぶつけてきます。

個人的にすごい面白かったし、ゲートキーパーズの作品メッセージに真摯に向き合った納得の続編だったんですけど当時のファンはキレ散らかしただろうな……という感じはすごいします。

視聴感覚としては山口宏氏の関わった「勇者王ガオガイガー」と「ベターマン」の関係性が非常に近い。ガオガイガーで地球を守る未来の技術がベターマンではサイコホラー要素たっぷりに使い方を誤った例が登場してました。
同じ世界観を表と裏2つの視点で描いたこの2作にゲートキーパーズと21はとても似ているような気がする。

強いて言うなら説明不足だったなぁと。
ゲートキーパーズから21までの30年間何あったかもっと教えてほしかった……。
みんなも見てモヤモヤしろ。

どうやら間の話があるらしい

面白かったけど……。
あまりにモヤモヤするのでGoogleで解説してるサイトとかないかなーと探してみたところどうやら自分が説明不足と言った空白の30年間を描いたノベル「ゲートキーパーズ1985」というものがあるみたいです。
あまりにモヤモヤしてるのでブックオフオンラインで注文してしまった…。110円だし……。送料300円くらい取られたけど……。

あと21のDVDには世界観補足のドラマCDがあるらしく、後にGONZOが製作する「キディ・グレイド」みたいなメディアミックスをしていたのでノベルの内容によっては結局DVDをドラマCDめあてでかってしまうかもしれないなぁ…。

さいごに……なんかGONZO30周年らしいですね。

長々と書いたんですけど、
ゲートキーパーズほんとに面白いのでみんなもよかったら見てほしい。
王道でめちゃくちゃ明るいTVシリーズとシリアスでダークなOVAの風邪引きそうな温度差はマジでこの作品だけの魅力ですよ。
GONZOアニメサイコ〜。

んで、狙ってGONZO作品を見てたわけではなかったんですけど
そんな怪作ゲートキーパーズを作ったGONZOさんが30周年のイベントを開催中です。

GONZOさん自らチョイスした12作品の複製原画のプレゼントキャンペーンや記念グッズのクラファン受注販売、オンラインイベントなんかがあるようです。
興味がある方はリンク先をチェックだ!

チョイスされた12作品(と続編1作品)はこちら!

  • アフロサムライ

  • かくりよの宿飯

  • カレイドスター

  • 巌窟王

  • SAMURAI7

  • ストライクウィッチーズ

  • SoltyRei

  • 超重神グラヴィオン

  • 爆裂天使

  • ブレイブストーリー

  • ぼくらの

  • ラストエグザイル

  • ラストエグザイル-銀翼のファム-

「ゲートキーパーズがねえじゃねえか……!!」
お後がよろしいようで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?