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卵を使った生パスタの美味しい作り方レシピ【保存版】

このページのポイントを先読み!
1. 南部系はセモリナ粉100%、北部系は卵と小麦粉を加える
2. 卵を使った生パスタはお肉のソースとベストマッチ
3. セモリナ粉に卵を吸わせるために小麦粉が必要になる

生パスタと言えばボロネーゼ、ボロネーゼと言えば生パスタ。
これ以上ないマリアージュの秘密を美味しく解き明かしていきましょう。


もくじ

■乾麺となま麺の違いとメリット
乾麺のメリット
なま麺のデメリット
北部系の種類
南部系の種類
■たまご麺の打ち方
材料
打ち方
■やみつきになる!上手にたまご麺を打つコツ
小麦粉をブレンドする必要性
どうせ作るなら北部系たまご麺?
歯応えをおざなりにしてでもたまご麺を採る理由
■たまご麺を使った料理の種類


■乾麺となま麺の違いとメリット

パスタにはいくつも種類がありますが、大きく2つに分けるとしたら【乾燥パスタ】と【生パスタ】に分ける事が出来ます。

どうやってこれらの違いを使い分ければ良いのか見ていきましょう。

乾麺のメリット
乾燥パスタの良いところは

①面白い形に形成出来る
②保存が利く
③アルデンテに茹で上がる

この三つです。

なま麺のデメリット
生パスタは形状に限界がありますし、生ものですので保存は利かない、アルデンテには茹で上がらないというデメリットがあります。

しかしアルデンテには出来なくとも捏ね方次第で腰のある麺にすることは出来ますし、保存の可否は作った直後に食すのであれば味には関係ない上に最悪、味は落ちますが冷凍するという手もあります。

北部系の種類
北部系パスタといえば生パスタ。

【ガルガネッリ】、【トルテッリーニ】、【アニョロッティ】、【ラザニア】など、他にも様々な種類がありますが、いずれもボロネーゼの生まれ故郷であるエミリア=ロマーニャ州の名物パスタ料理である事が特徴です。

え、「何故ボローニャ近隣で生パスタが盛んなのか」って?

難しい質問ですね……んん?……う、う~む、我ながら良い質問。

もしかしたらイタリアは東はティレニア海、南はイオニア海、西はアドリア海と、国土が海に囲まれているので、比較的温かい南部だと保存状態が悪く乾麺が好まれたのかもしれません。

北部の料理は生パスタを丁寧に作って料理そのものも神経細やかに、といったテイストがありますが、いわゆる【マンマのスパゲッティ】みたいに巨大な鍋にトマトソースをぶち込んでパスタ10人前とか作っちゃうような家庭料理はナポリ以南に多いように感じます。

イタリアの南部にはマンマがいっぱい居るんでしょうかね?

南部系の種類
そもそも乾燥パスタが生まれる以前は全てのパスタが生パスタだったわけで、中太のスパゲッティ【ヴェルミチェッリ】が乾燥パスタの先駆けであったそうです。

南部のパスタの特徴は【マカロニ】や【パッケリ】のように筋が入っていないことであり、筋入りの【リガトーニ】や【ペンネ】は中部の料理で多く使われるパスタと言えるでしょう。

【オレッキエッテ】や【リングイーネ】は形がシンプルなので南部系生パスタの筆頭とも言えるでしょう。

それでは作りながら見て行きましょう。

■たまご麺の打ち方

材料
・パスタマシン 1台(手延べの場合不要)
・卵 2個
・デュラム・セモリナ粉 150g
・薄力小麦粉 150g
・オリーブオイル 大さじ1弱
・水 30cc


打ち方
①ボウルにセモリナ粉と薄力粉を入れ、粒子が均等になるように掻き混ぜる。
②テーブルに①を移し、山を作って中心に窪みを作り、そこに卵黄2個と卵白少々を溶いたもの、オリーブオイルを加え、菜箸で溶く要領で少しずつ小麦粉を崩しながら混ぜる。
③ある程度生地がまとまってきたら打ち粉をしながら押し出すように練り、途中、腰が無いようならオリーブオイルを少し足す。
④練り上がったら丸めてラップをし、冷暗所で一時間ほど寝かせる。
⑤小麦粉で打ち粉をしてパスタマシンに掛け、好みの太さに切り分ける。(手延べの場合、打ち粉をしながら丁寧に縦横に少しずつ四角く伸ばして、折り畳んで切る)

■やみつきになる!上手にたまご麺を打つコツ

小麦粉をブレンドする必要性
セモリナ粉は強力粉の部類に属し、グルテンが豊富で粒子が粗く少ない水分で捏ねるのに適しているので、卵をふんだんに使うためには小麦粉とブレンドさせる必要があります。

乾燥パスタはセモリナ粉100%で作るのが普通ですが、南部では生パスタでもセモリナ粉100%で作ります。

南部は水分の多いトマトベースのソースが多いからか、パスタ自体がソースを含みやすいかどうかも重要なのかもしれません。

どうせ作るなら北部系たまご麺?
私は生パスタを使う時はバターもしくは生クリームベースのソース、あるいは肉を使ったラグーソースを連想しますので、小麦粉をブレンドさせてもっちりとした食感と卵の風味をリッチに味わいたいですね。

要するに、俄然ブレンド派です。

それに小麦粉はセモリナ粉に比べて独特の香りがあるので、バターで炒めると何とも幸せな気持ちになるから、というのも理由の一つ。

パンは小麦粉とバターで出来ていますが、出来立てのもっちりしたパンに極上のボロネーゼを乗せて食べるところを想像してみてください?

デュフッ、

デュフフフフフッ……!!!

歯応えをおざなりにしてでもたまご麺を採る理由
セモリナ粉100%ではこうはいきません。

歯応え重視で考えるならセモリナ粉100%の方が良いかもしれませんが、その場合どうしても生パスタの持ち味である【卵麺】という特徴が薄れる事はご理解ください。

そもそも【卵麺だからこそ肉のソースに良く合う】のです。

個人的にはセモリナ粉100%で卵が含まれていないような【フェットチーネ】は、北部系のコッテリしたパスタ料理には合わないと思います。

私がお気に入りの都内の高級イタリア食材店ですら【生タリオリーニ】の取扱いが終了し、全て乾麵に代わってしまいました。

卵の風味がリッチで本当にお世辞抜きにメチャ旨かったんですが、日持ちしないので客足の少ない高級店には向かない商品だったようですね。

ともすればセモリナ粉100%でなければ本格派ではないように思われる生パスタですが、乾燥パスタと生パスタは何風にするか、どんなソースを使うかという事をちゃんと切り分けて考えることが大事なのです。

■たまご麺を使った料理の種類

・タリアテッレ
ボロネーゼに合わせる卵入りの太めの平打ち面です。

・タリオリーニ(タヤリン)
平打ちの細麺で、北部ピエモンテ州では【タヤリン】と呼ばれたりもするそうです。

ブラサートと呼ばれる牛出汁ベースのソースに絡めて食べるもの。

私は煮詰めたブラサートに砂糖とバターを加えて甘めに仕上げたソースを卵麺の生タリオリーニに絡めて食べるのが好きですね。

・ガルガネッリ
ペンネのような形状で、生クリームとチーズなど濃厚なソースと絡めて食べるのに適しています。

・アニョロッティ
詰め物系のパスタはシンプルに【セージ・バター】で炒めて食べる事が多いようです。

・ラビオリ
こちらも詰め物ですのでアニョロッティと同じくセージ・バターが合いますね。

・ラザニア
ボロネーゼ・ソースとベシャメル・ソースのダブルソースで食べるもの。

日本でもだいぶ浸透しているので今さら説明するまでもありませんね。


ラザニアといえばボロネーゼ・ソースとベシャメル・ソースを使ったエミリアーナ風が有名ですが、所変わってイタリア南部の方では茹で卵や野菜を使った伝統的なラザニア料理もあるようです。

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