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フクイチツアーで知る震災10年後の被災地VOL.1富岡駅〜廃炉資料館

2021.1/5~6、美術家のヴィヴィアン佐藤さん主催のフクイチツアーに行ってきた。

このツアーはVOL.3。
行く直前に緊急事態宣言が出ることに決まり(まあ、その前からGOTOキャンペーンやめたりしていたので自粛するべき時期ではあったが)、フクイチ側は緊急事態宣言前ということで受け入れていたので、なかなか休みをとるのも難しいし、行くことに決めた。

【富岡駅集合】
常磐線の特急に乗り、富岡駅で集合。
朝早かったので、電車の中で寝てしまったが目的地に近づき目を覚ますとソーラーパネルがあったり、仮設住宅?と思ったものは復興住宅という平屋と後で教えてもらったりするが、そういう震災後の景色を見かける。

到着した富岡駅はピッカピカの新しい駅だった。

富岡駅舎は原発から20km圏内で駅は津波で流された。
現在の駅(100m北に移設)前の高台にあるお寺は無事だったがそこまで津波が来たとのこと。

レンタカーで迎えに来てくれたヴィヴィアン佐藤さんと合流し、東京電力廃炉資料館へ。

【東京電力廃炉資料館】
富岡町にある東京電力廃炉資料館へ
(緊急事態宣言発令中は休館しているとのこと)
↓この記事が詳しいのでリンク貼っときます
https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu900141/
震災前は東電の福島第二原発をPRするための施設だったとのこと。
2018年11月末に今の廃炉資料館にリニューアルする。

車が駐車場に着くと職員の方がお出迎えに出てきてくださる。

館内見学のはじめは映像を見た。
床にまで映像が流れる凝った演出。

映像を見る前に職員の方々がスクリーンの前に立ち、原発事故でご迷惑をおかけしました、という謝罪がある。
映像も謝罪から始まる。

テレビで見ていると東電のトップが全然責任を取らないように見えるので、サラリーマンである現場の人が謝ったり、映像が謝罪で始まるのは意外だった。

そして、映像の中で計画停電の話が出る。私は茶番だったのだと思っていたが、映像では必要な対応だった、ご協力いただいたという表現だったのでこれは後で質問してみようと思う。

この映像とは別で当時原発事故に関わった人たちのインタビューが見られるところがあり、吉田所長の下で働かれていた石川部長のインタビューが印象的だった。
とにかく吉田所長は天才的な人で、彼がいたからあの程度で済んだこと
関わった人たちは使命感で尽力していたこと
使命感という言葉に現在コロナ対応で尽力してくださっている医療従事者のことを思った人は多かった。
すごい人がいてたまたまこの程度で済んだ、ではダメなのだということはわかっているはずなのに

フクイチでは現在排水のタンクがもうそろそろいっぱいになるのでどうしよう、という大問題を抱えている。
「海洋放出を政府が決定へ 福島第一原発の汚染処理水」東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/62141

フクイチにはALPSという大きな浄水設備があり、トリチウム以外のほとんどの放射性物質を除去でき、浄化処理した後の水はタンク内に保管されている。
『トリチウム』
これは水の形で存在するため(化学的性質が水とトリチウムは同じ)浄水処理で分けることができない。
外部被曝はなく(皮膚を通ることができない)、内部被曝のみ。
半分は尿などで排出される。放射線としてはとても弱いものだという。
具体的にはトリチウムはβ線だけを放出し、紙一枚で遮ることが可能。
飲料水に含まれるトリチウムの濃度はWHOのガイドラインでは1Lあたり1万ベクレル(放射線を出す能力)で、人体に与える影響は0.00018ミリシーベルト(人体に与える影響の大きさ)。
日常生活に置き換えると歯のレントゲンで0.01ミリシーベルトくらい被曝する。

現在フクイチで貯蔵されているトリチウム水は120万トン。トリチウム量は860兆ベクレルで濃度に換算すると7.2万ベクレル。東電の排水基準は1500ベクレル/L。120万トンのトリチウム水を希釈して流すと5.7億トン。
そして、今もトリチウム水は増え続けている。




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