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フクイチツアーで知る震災10年後の被災地VOL.3福島第一原子力発電所内見学

バスに乗って1~4号機の近くの高台に向かう。
100mの距離。
一つ前の記事に書いたが、線量はぐっと上がり76.8マイクロシーベルト。
ガイガーカウンターのアラームは0.01ミリシーベルト被曝するとアラームが鳴る。


ほぼ元の姿をしている2号機は1号機の爆発で壁が壊れ水素が漏れたことで爆発を免れたが、大気中に放射能をばらまいた。


当時稼働していなかった4号機から燃料棒を取り出し始め、現在4号機の燃料棒は取り出し終え、3号機は進行中。
https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/removal/
1号機の上にはまだ瓦礫がある。
放射線量が高いため撤去が難しい。


隣の人のアラームが鳴りドキッとする。
実際問題ない被曝量だからここに来られているのだがやはり怖い。
次々と鳴り始め、もちろん自分のも鳴り、全員鳴る。

起こってしまった事はどうしようもないのだけれど、廃炉には30~40年かかると言われ、燃料棒は取り出せてもメルトダウンして溶解した燃料デブリが残っている。これの取り出しは前例のない作業だ。コロナの影響で滞ってしまっている作業もある。

事故が起こらなかった場合でもゴミは出続け、原発から生まれる放射性廃棄物の放射能レベルが生物に無害になるまでには10万年くらい必要だと言う。

無理じゃない?

が率直な感想だった。

福島が津波に襲われたのは想定外だった、地震が来ても津波は来なかったから、と現地で教えてもらったけれど、調べてみると巨大津波は800~1100年ごとに起きていて、869年貞観地震津波から1100年を超えていたことから地質学者から警告があったという話が出てきたり真実はわからない。

現在原発は57機あり、冷却するために全て海の近くに建てられている。
九州電力玄海3号機と川内1・2号機が稼働中。

想定外のことは起こらないのだろうか。
もう一回フクイチのような事故が起こったらどうなってしまうんだろうか。

あれは何?と衝撃を受けたのがこちら


サプレッションプール水サージタンク3500Lという大きさの物が捻られた状態になっていた。
津波は押し寄せて、引いていくのだ。

トリチウムは分けられないけれど、放射性物質を取り除くことのできるALPS。
原発建屋上には放射能を飛散させないためにスプリンクラーが設置され、人の被曝を防ぎながらクレーンで瓦礫撤去。
想像していたよりも広大な土地に処理水のタンクが大量に並ぶ。
原発の発電自体にも技術の凄さも感じるが、クローン技術で人を作ってはいけません、みたいなタブーというか侵してはいけない領域なのではないかという怖さを肌で感じる。


高台から建屋を眺めると左手には職員の方々のいらした建物が当時のまま残っているが、今は高台の新しい建物に移ったとのこと。


10年経っても瓦礫の片付けさえできず、広い土地だからなのか放射能に汚染されたあれこれはそのままになっている。
被災当時ここにあった車は外部には持ち出さず施設内で運用されていたが、最近使われなくなったようだ。
駐車場に使われなくなった車が並んでいた。



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